概要
マルサン商店倒産後にマルサン関係者が1969年に創業した玩具会社。
社名のブルマァクはそのまま「雄牛のマーク」という意味であり、製造する玩具の足裏などに刻印されてていた。
第一次怪獣ブームが過ぎ去りマルサンが倒産した翌年、子供たちの間で再放送された『ウルトラマン』等が相変わらず人気で、ソフビ人形も遊ばれ続けているのを受けて再度会社として立ち上げられた。『ウルトラマン』シリーズの新作品や再放送によりブームが加熱するにつれて売上も伸びていき、商品に写真カタログを添付するなど新しいビジネススタイルも確立した。
展開したソフビ商品は「リアルさよりも子供が手に持って遊びやすい形」というコンセプトがあり、尖った部品や破損しそうな部分は丸めたり独自解釈を積極的に加えていた。尻尾に関しても大きく突き出ていると材料を食う・安全な形にし辛いという現場からの意見として円谷プロに取り入れられ、尻尾が短い・無い怪獣が増えていくなど玩具会社の都合で番組内容が影響される事例をいち早く発生させている。
番組スポンサーにも名のりを上げ『ミラーマン』、『ダイアポロン』などにお金を出す+公式ライセンス商品を手掛けるというビジネススタイルも成立させた。
しかし、スポンサー番組の人気低迷、1973年に起こったオイルショックやそれをきっかけとする特撮番組の縮小・ブームの終焉、ポピーから発売された「超合金」シリーズに敗北するなどの複合的な要因が重なり、1977年に倒産してしまった。
倒産に際して、当時スポンサーを務めていた『メカンダーロボ』『ガンバロン』は放送打ち切りとなってしまっている。
黎明期に特撮グッズ販売を手掛けていたことから、マルサン・ブルマァクというブランドは名高く、1990年台、2000年代と複数回に渡って復刻販売されている。バンダイ系列企業から復刻された例の他、当時の原型師を起用した復刻商品なども販売されたことがある。
主な取り扱い商品
- ソフビ人形
特撮作品のライセンス販売の他、オリジナル商品も存在する。
前述の通り子供が遊びやすい・乱暴に遊んでも壊れないことをコンセプトにしているため、造形が大胆にデフォルメされている、子供の目を引くようにサイケデリックな色で塗装されているなどの特徴がある。こうした個性からマルサン・ブルマァク系というジャンルと言われることも。
また、ヒーロー系のソフビは(たとえウルトラマンであっても)マスクを取れるギミックが付いているものがあり、該当商品は外したマスクを上に掲げているようなポーズで梱包されるのがお約束。
- Z合金ジンクロンシリーズ
いわゆる超合金系の金属部分がある玩具。ポピーが展開したスーパーロボット系の超合金シリーズに対抗して展開された。
『UFO戦士ダイアポロン』、『ろぼっ子ビートン』などの他、ゴジラ/メカゴジラなど東宝特撮系のものもある。
当時の売れ行きは好調だったようだが、それまでのソフビとは異なった生産ラインが必要になること、亜鉛ダイキャストである事などからコストは高く、経営を盛り返すまでには至らなかった。
- プラモデル
怪獣、乗り物や稼働玩具系の他、古典名銃シリーズ、人体模型などの一風変わったものも手掛けている。
- 公式グッズ
現在販売されている服、キャップなどのグッズ。
ブルマァクのロゴや「ブルマァクの怪獣シリーズ」などの当時ソフビに書かれていたロゴがあしらわれている。