概要
1947年創業。創業者石田直吉氏が経営していた玩具会社石田製作所の流れを受け継ぐ玩具メーカー。
創業当初はセルロイド製玩具・文房具とブリキ製玩具を並行して扱っていた。しかし1955年にアメリカが発火性のあるセルロイド製品の輸入を禁止すると、当時アメリカで人気になっていたラーベル(レベル)社のプラスチックモデルを参考に国内製造に乗り出した。
いち早くプラスチックモデル製品を売り出した事により「国産プラモデル第一号」という肩書と「プラモデル」という言葉自体の登録商標を手にすることとなり、模型製造業のパイオニアとして有名になった(ただし、製品を先に製造していた・プラモデルという言葉を考えたのは和光樹脂や日本模型であるという説もあり、現在となってははっきりとしない)。
当時は自分で組み立てるプラモという概念が市場に根付いていなかったこともあり、なかなか問屋に買ってもらえないなど苦戦を余儀なくされたが、フジテレビとのタイアップ番組を制作することでプラモの認知度・売上を大きく向上させる。
その後はスロットカーブームに乗じて投資するもすぐに過ぎ去り失敗、経営が危うくなってしまう。時同じくして起こった『ウルトラマン』による第一次怪獣ブームに乗じてソフビ人形を発売、多くの売上を得たがこの負債をカバーしきれなかったこと、第一次怪獣ブームの終焉に伴い会社としては1968年に倒産した。
なお、倒産時の社名は「マルサン」ではなく「マルザン」である。社名変更した理由は「◯が散」、すなわちお金が散っていくという縁起の悪い名前から「◯が残」、お金が残るようにというゲン担ぎだったが、その甲斐なく倒産することとなった。
倒産後は翌1969年にマルザンではなく「マルサン」として再建されているが、かつてのような自社商品展開ではなく他社からのOEMなどをひっそりと手掛けるメーカーとなった。資産や金型は関係者らによって同年に立ち上げられた直系会社ブルマァク、日本模型、童友社など渡った。
1980年代以降は玩具用の動力システムがヒット商品となり盛り返し、2000年前後になるとレトロブームを受けて復刻商品の販売、高価格帯ソフビ商品の販売で活動している。
ウルトラセブンとの関係性
「ウルトラセブン」放送当時はスポンサーであり、作中にも玩具が時々登場している。
劇中にマルサン倉庫も劇中に登場し、シャドー星人に爆破されるなど目立ってはいるが放送終了後に倒産してしまった。
扱っていた商品
- ブリキ玩具
当初の人気商品。特に有名だったのがブリキ製のキャデラックで、当時ブリキ玩具が1つ500円前後だったのに対し3倍の1500円という値段を付けていたにもかかわらず売れる高額路線のヒット商品だった。かなり精巧にできており、現在でも車・ミニカー好きの間では高額で取引される。
動力付きの潜水艦、リモコン操作が可能なゴジラなどもブリキ玩具も製造していた。
「国産第一号」として大々的に展開されていたプラモデルシリーズ。
当初はアメリカメーカーの製品を石膏などでコピーした商品もあったが、多数展開していくうちにオリジナル商品が増えていき、コピー品に関しても本家以上のクオリティとなりアメリカに逆輸入されたものもあった。
航空機、軍艦、車などの他キャラクターものも数多くあり、ガンプラ登場以前に一般的だったプラモの基礎を築いている。
なお、一部の商品は現在でも童友社から継続して販売されているほか、ブルマァクに金型が渡る→復刻生産されたものもある。
- ソフビ玩具
『ウルトラマン』を筆頭とするテレビ特撮番組のソフビを多数展開していた。一度倒産した後は正式なライセンスが取得できなくなったため、特撮風のオリジナル商品に路線変更していたが、後にその中に「ウルトラエース」という商品があった縁から『ウルトラマンA』から『ウルトラマンレオ』までは一部ライセンス品を製造している。
ソフビ金型は一部流出したものを除き、ブルマァクに渡って引き続き生産された。
関連タグ
プラモデル スケールモデル キャラクターモデル ソフビ ブリキ スロットカー