概要
英国のロールス・ロイス、ドイツのマイバッハ等と肩を並べる高級車ブランドで、略称はキャディ。
米国大統領の専用車として、第一次世界大戦終結時頃から現在にいたるまでパッカードやリンカーンと共に採用されている。
その他諸外国の王侯貴族や政府要人の送迎車としても広く知られている。
元々は1902年に創業した独立メーカーで、フォード・モーターの人材や技術の流れを汲んでいたが、1909年にゼネラルモーターズ傘下となり、その後完全に吸収合併されて一ブランド部門となった。
アメリカ文化としてのキャデラック
1940年代まで続いた世界恐慌の影響、第二次世界大戦に伴う戦時統制が過ぎ去った1945年以降、アメリカはかつてない好景気に湧いていた。そうした中で、自動車産業においても自動車=ファッションの一部という需要が生じ、キャデラックは大きな注目を集める車となった。
この頃のキャデラックは航空機向けの板金加工技術や曲面ガラスなどを積極的に取り入れた一方でアールデコ時代の意匠も残した車を次々と市場に投入。航空機やロケットを思わせる流線的なラインと大型化したテールフィン、内装・外装ともに鮮やかなカラーリング+ギラギラのクロムメッキパーツを多様したインパクト抜群のスタイルで一世を風靡する。
キャデラックはかなり高額な車であったが、若者達に「キング」の相性で崇拝されていたエルヴィス・プレスリーを筆頭にロックスターや著名人などが愛好しており、若者達にとっても憧れの車として君臨した。好景気と合わさり、社会的成功を収めてキャデラックの目立つ車に乗る事が一種のステータスとなり、当時の流行歌などにもそうした時代感が如実に表されている。
こうした文化は日本にも輸入されており、ロカビリーブームの時代にはいわゆる「アメ車」の筆頭格として存在感があった。
特に、丸目四灯と巨大なテールフィンに、オープンボディが特徴的な59-60年式のキャデラック・エルドラド ビアリッツ(メイン画像のモデル)は、日本の創作物でもアメ車の象徴的存在として描かれる事が多々ある。
主な車種
太字は現在販売されている車種。
セダン
ATS
CTS(CTS-V)
XTS
CT4
CT6
CT5
セレスティック
SUV
エスカレード(ESV/EXT)
XT6
XT5
XT4
リリック
GT4
オプティック
ヴィスティック
その他
ELR
XLR
その他
機動戦士ガンダムMSIGLOOの登場人物モニク・キャディラックの名前の由来も、車のキャデラックによるものとされる。