CV.長沢美樹
人物
ジオン公国軍第603技術試験隊に所属する士官の女性。階級は特務大尉。髪や制服が赤でまとめられた、非常に目立つ容姿の人物。
表向きはMSパイロット・技術スタッフであるが、実際は軍本部から第603技術試験隊の監視名目で派遣されてきた総帥府直属の特務軍人で、「お目付け役」という裏を抱えている(所謂政治将校)。制服が他のジオン軍人と違って赤色なのはそのため。階級も『特務』大尉ではあるが、権限としては二階級上の中佐相当。
ゆえに隊の中でもそれなりの発言力を持ち、実質的な立場は艦長のマルティン・プロホノウ(民間徴用の中佐相当官)よりも上。オリヴァー・マイなどの技術スタッフの実質的なまとめ役でもある。
職務には忠実で、当初はきつい物言いが目立ってか部隊で浮いていた感があったが、次第に打ち解けていった。
ブロホノウ艦長も、彼女に愛船ヨーツンヘイムのことを「筆箱のような船」と皮肉を言われたこともあり『お客様』扱いするなど第一印象はあまり良くなかったようだが、「うるさ型のお嬢さん」などと言いつつも、「似ている...クニでお袋が飼っているヨークシャー・テリアに」と評しているなど、年長者として見守っている感がある。
終戦間際のア・バオア・クー攻防戦において、唯一の肉親であった弟のエルヴィンを失い、ふさぎこんでしまうが、友軍を脱出させるためそれでも戦い続けるメンバーの姿を見て立ち直り、自らもヅダに乗って出撃する。
政治将校ではあるものの、ジオンの軍人としての矜持は強く、オデッサ敗戦後宇宙へと脱出してきた友軍を救出する際には、ヅダの構造的欠点を知りながら自らが搭乗して救助に赴いたり、艦長に銃口を向けたカスペン大佐に対してくってかかったりと気骨のあるところを見せる。
MSパイロットとしての技能もそれなりに高く、高速度の戦闘スタイルで扱いの難しいヅダを乗りこなし、数機のジム・ボールを、ヅダの片腕を失いながらも撃破する。
結果としてビグ・ラングの大破をはじめとして友軍の損害は大きかったものの、マイと友軍とともに戦線を離脱することに成功している。
ちなみに、上記の通り艦長から「ヨークシャー・テリア」扱いされているが、モデルになったのは『IGLOO』の今西監督の愛犬らしい。