「待たせたな!ヒヨッコ共!」
CV:沢木郁也
人物
ア・バオア・クー決戦を前に第603技術試験隊が編入された『カスペン戦闘大隊』を率いるジオン軍の士官で、階級は大佐。襟に1級ジオン十字章、左袖にルウム戦役シールド、胸に2級ジオン十字章、白兵戦功章、ブリティッシュ作戦功労章が確認できる。
パイロットスーツには角のある髑髏を模したカスペンのパーソナルマークが描かれている。
劇中のおよそ一週間前に宇宙要塞ソロモンでソーラーレイの照射で大勢の部下を失った。
過去の戦闘で片腕を失っており義手を装着しているが、時期的にソロモンでの負傷ではないと考えるのが自然だろう。
一年戦争末期では数少なくなった生粋のジオン軍人であり、指揮能力、MS操縦技能も極めて高い有能な人物。当初は軍人肌で頭が固く融通の利かない性格のように感じられたが、実際は部下思いの人物であり、大隊に所属する年少兵からの信頼は高かったようだ。
一年戦争自体を「スペースノイドの聖戦」と考えるなど、イデオロギーをはっきり表明する
タカ派の軍人で、それ故当初はヨーツンヘイムのクルーからも良い評価は受けなかった。
しかし、「イデオロギーとしてどうあるか」と「部隊の部下をどう扱うか」
をはっきりと区別しており、政治と軍事で相反する答えに自分の中で判断を下せる真に有能な人物。
つまり、部下を思想に殉じさせないだけの冷静な判断力を持っている。
ともすれば思想に走ったり、自らの行為に酔いがちなタカ派の行動としてはかなり異色。
この聡明さ、そして後述する思考の切り替えなどを見ると、一年戦争の中では思想、軍事、共にトップクラスの軍人と言える。
603技術試験隊の編入によって隊の実質的な指揮官となり、以後、自らの率いる大隊とともに隊を指導していく。
ア・バオア・クーの戦いにおいて、脱出する友軍部隊を見ながらもジオンの敗戦を受け入れる事ができず、尚も戦闘を継続しようとする。
しかし、軍本部からの停戦命令を聞くと即座に思考を切り替え、大隊を救援するため自らゲルググで出撃する。
ボール2機をきっちりビームライフル1発ずつで撃破するなど優れた戦闘技術を見せたが、最後は部下のオッゴの盾となり、敵のマシンガンの猛攻を受けて機体は大破、戦死した(残念ながら、彼が庇ったオッゴも映像をよく見たら爆散している)。
最後まで軍人の誇りを忘れず、散り際には「ジーク―――(ジオン)」と叫んで宇宙に消えていった。
人気
初登場で早速タカ派の言動をしたり、学徒兵に苦言したりと、一見すると嫌われ上司のような印象を受けるキャラクターだが、最後の出撃での活躍から『人格的にも技能的にも優れた誇り高い軍人』という一面がフィーチャーされ、そのギャップに魅了されるファンも多い。
なお、学徒兵に苦言を呈したのは、「銃後で守られるべき年端もいかない若者が前線に駆り出されたことに衝撃を受けていたから」、艦長に銃を向けたのは「一刻も早く出撃するため、言葉を端折りまくった結果」「停戦命令後の出撃許可をすると艦長の責任問題となるため、『銃で脅された』ということにして類が及ばないようにするため」とするファンの考察もある。
このような点から、カスペン大佐のことを「部下思いなんだけど、一言足りないせいで誤解されがち」と見るファンも存在する。