概要
グループ企業も合わせて世界最大規模の自動車メーカーであり、フォード・モーターとクライスラーと並んでアメリカ自動車産業界の「ビッグ3」と称される。
創業者である、ウイリアム・C・デュラントによって1908年9月16日に組織された。
アメリカを代表する自動車メーカーであるが、過去にレジスタンス向けの拳銃やサブマシンガンを作っていた時期があった。
車を販売するための金融サービス(自動車ローン)を行い、鉄道会社を買収しアメリカに鉄道を根付かせなかった。
第二次世界大戦後、アメリカ最大の会社となった。日本を含む世界各国でノックダウン生産を行ったり、欧州ではオペル・ボクスホール、豪州ではホールデンなど各地のメーカーを買収することで大型化し、長らく世界最大の自動車会社として君臨していた。
1970年代以降、小型車の需要により自社生産から他社の協力販売に切り替えるが、これにより社内の士気が低下、品質低下の原因の一つとなる。
1980年代にリストラやQCによる生産効率の向上を図り、1990年代には一応の復活を遂げることになる。
しかし21世紀になるとGM自身の体質や社会情勢の変化についていけなくなる。小型車の人気が上昇したにもかかわらず利幅の大きい大型車(SUVやピックアップ)に集中させるという多品種生産に反する事を行ったこと、不況時に生産調整を行わず在庫を抱えた。
2008年には77年守り続けた販売台数世界一の座を遂にトヨタに明け渡し、翌2009年6月1日には連邦倒産法第11章の適用を申請して経営破綻した。
その後はアメリカ政府とカナダ政府が株式を保有する事実上の国有企業として再建され、2013年にアメリカ政府の保有する株式が売却されて国有化を解消し現在に至っている。かつて保有していた多数のブランドも、経営破綻時にその多くが廃止されてしまった。
現在もグループ全体では販売台数世界1位に近い規模を誇るが、トヨタ・フォルクスワーゲン・ルノー日産の各グループに対しては一歩譲る位置に甘んじている。
主なブランド
2020年現在存続しているブランド
シボレー - 大衆車ブランド。韓国GM(旧大宇)にて生産された車種も多い。
キャデラック - 高級アメ車の代表格。
ハマー - 破綻時に廃止されたが、2021年にGMCのEVブランドとして復活。
何らかの形で処分されたブランド
売却
オペル/ボクスホール - グループPSA(プジョー・シトロエンの持ち株会社)へ売却。
廃止
ジオ - いすゞ・スズキ・トヨタのOEMのみ。
アスナ - いすゞ・スズキ・大宇のOEM車のみ。
サーブ -スパイカー・カーズ⇒ナショナル・エレクトリック・ビーグル・スウェーデン社(NEVS)に売却後廃止。
ホールデン - オセアニアで展開していたブランド。かつてはカローラ、カムリの兄弟車もあった。豪州生産撤退に伴い、2021年をもって廃止。
関係のある企業
韓国GM(旧大宇) - この会社は歴史的にGMとのつながりが深く、現在ではシボレーの小型~中型車の生産を担当している状態である。
スズキ - 日本でシボレーの販売をしていたこともある。
トヨタ - シボレー・キャバリエのOEM車両をトヨタ店で販売していたことがある。また合弁会社も設立し、小型車を製造していた。
余談
自動車メーカーのGMであるが、かつてはディーゼル機関車の製造部門(EMD=Electro-Motive Division)も持っていた。
このEMDはもともと、エレクトロ・モーティブ社(EMC=Electro-Motive Company)をGMの一部門として買収したものだったのだが、
2005年にGMから独立して「エレクトロ・モーティブ・ディーゼル(Electro-Motive Diesel)」という新会社になった。