概要
かつてはドイツの自動車メーカーの一つで、現在はステランティス【旧PSAグループ(プジョー・シトロエン)】の一部門である。
主にヨーロッパを中心に展開しているが、イギリスではボクスホールのブランド名で販売が行われている(詳細は後述)。
略歴
自動車の生産を開始したのは1899年と、非常に長い歴史を持つ。
1929年にGM傘下となり、GMの欧州部門のような立ち位置にあった。GMの経営破綻により、2017年にグループPSA傘下になり現在に至る。
GMとの繋がりで日本のいすゞと提携したこともあり、同社の初代ジェミニはオペルのカデットとプラットフォームを共有していた。
日本におけるオペル
最初に輸入が開始されたのは1929年と古く、長く日本に根付いた輸入車メーカーだった。
東西ドイツ統一後は1993年にヤナセが輸入元となり、主に大衆車の販売で成功を収めた。
特に1995年発売のヴィータ(本国ではコルサ)は、輸入車が高嶺の花だった時代にあって国産車と大差ない低価格で大ヒットとなった。
DTM(ドイツツーリングカー選手権)でのカリブラ、JTCCでのベクトラの活躍もあり、モータースポーツファンにも存在感を示した。
しかし、品質が日本車より低く故障が付き物だった事(補足すると、故障は当時の輸入車全般の付き物であり、オペルだけが特別悪かったというわけではない)、他のドイツ車ブランドと比べてプレミアム感が薄い事、また正規代理店の地位を巡るお家騒動から、次第に競争力を失っていく。1990年代にラインナップを改訂し、他のドイツ車同様に高級路線への転換を狙うも失敗。
親会社GMの衰退も追い打ちをかけ、2000年代以降は急速に凋落。
そして2006年、GMはオペルの日本撤退を表明し、日本市場から姿を消した。
しかし、PSA傘下となってからは日本でのリベンジを狙っており、2021年に日本での販売を再開すると公表していたが、その後COVID-19と半導体不足を理由に見送られている。
ボクスホール
イギリスの自動車メーカーの一つ。かつてオペル同様GM傘下だったが、こちらもPSA傘下を経て、現在はステランティス傘下になっている。
19世紀中期に機械メーカーとして創業。1903年から自動車製造に参入し、初期は高性能スポーツカーを製造していたが、第一次世界大戦後はGM傘下入りし実用的な量産車メーカーとなった。
GM傘下の時期になっても自社開発のオリジナルモデルも存続していたが、第二次世界大戦後はオペル車との車種共通化が進められるようになり、70年代後半を最後に完全な自社開発を取りやめた。以降は実質上オペルのイギリス向けブランドとして現在に至っている。
かつては日本含むイギリス国外へ輸出されていたこともあったが、前述の通りに車種がオペルと同化してからはイギリスのみでの販売になっている。
過去にはGM繋がりでいすゞやスズキと連携し、両社のSUVや商用車をリバッジした物を販売していたこともある。
本来の英語読みでは「ヴォクソール」(Vauxhall)である(ただし一部では「ボクソール」や「ボックスホール」などとも表記されることもある)が、日本国内においては「ボクスホール」という表記で当時の輸入販売元であったヤナセが公式に採用していた。
主な車種
- カデット
- レコルト(レコード)
- コルサ(日本では「ヴィータ」と名乗っていた)
- アストラ
- アギーラ
- アスコナ
- ザフィーラ
- シグナム
- コンボ
- クロスランドX⇢クロスランド
- マンタ
- フロンテラ
- モントレー(いすゞビッグホーンのオペルバージョン)
- カリブラ
- ベクトラ
- セネター
- オメガ
- グランドランドX⇢グランドランド
- ロックス-E⇢ロックスエレクトリック
- インシグニア
- モッカ
- ヴィヴァーロ
- モヴァノ
- GT
- スピードスター