解説
ディーゼル機関で発電しモーターを駆動させる方式は電気式ディーゼル機関車とよばれ、モーター駆動であっても分類上はこちらに含まれる。
主に、電気機関車が入れない非電化(架線の無い)路線で活躍している。
在来線以外に新幹線用も救援目的(後に計測車牽引用途に変更)の911型ディーゼル機関車と工事車や補修車の牽引用の912型ディーゼル機関車がある。(911型は既に全車廃車。2号機のみ静態保存されている)
海外では電気機関車の利点を利用でき大出力機関の対応も楽な電気式が主流だったが、日本国内では地盤が弱い関係上、自重・軸重の面で不利な電気式よりも、自重・機関規模に対して起動時(=発車時)の引き出し力の大きい液体式が主流を占めていた。
しかし、国鉄/JRにおいてはDE50以降、液体式ディーゼル機関車の経験がなく、大型の変速機やトルクコンバーターのノウハウも失われていた一方、VVVFインバータ制御などの進歩によって電気式の優位が増し、DF200(本線用)やHD300(入替用)など、新規開発の機関車は電気式が主流となっている(HD300は「ハイブリッド機関車」と称しているが、厳密に言えばDF200、HD300とも「電気式ディーゼル機関車」である)。
一方で専用線などの中・小型機では、船舶などにも使われる汎用ディーゼル機関を流用した低コストの液体式機関車が登場するなど、新たな潮流も生まれている(京葉臨海鉄道のKD60型と、そのバリエーションなどが代表格)
アメリカ・カナダなどの非電化幹線が多い国では電気式ディーゼル機関車が主流で、またアメリカ型の場合永年出力の割に重いまま推移し(1980年代まで入れ替え兼用であるロード・スイッチャーの多くは大きくとも1機関3000馬力程度で-2機関6000馬力という本線機関車は勿論ある-、多重連が最初から前提である。蒸気機関車でも1級鉄道では1台で5000~6000馬力を持ち2人乗務で足りたので、人件費という点ではディーゼルとさほど差異がなかった)、軸数が多い機関車も存在するが本国では軸重軽減のためではなく死重まで積んで粘着重量を得る手段としているのも特徴である(4動軸が120tのとき、同系列6軸形が180tなど)。無線操縦による中間補機も存在する(列車長が非常に長いためブレーキ制御車という役目も担う)
他方、欧州での電気式ディーゼル機関車は幹線が主流な上、電化率も高いのでそこまで多くない。
何故なら欧州の場合、大型機関車が電気式ディーゼル機関車の主力であるもの、大型機関車が活躍する区間は殆どが電化されている為(非電化が多い英国を除く)、活躍頻度はそれほど多くない為である(欧州では電気機関車が主流なのでディーゼル機関車自体が多くない)。
又、電気機関車と電気式ディーゼル機関車との併用も多く見られる。
関連イラスト
日本のディーゼル機関車は、この形(センターキャブ:運転台を車両の中央部に置くタイプ)が主流。
ディーゼル機関車の世界的な典型的形態。
日本の主なディーゼル機関車
鉄道省時代 / DC10 / DC11 / DD10 / DB10 /
国鉄時代 / DD11 / DD12 / DD13 / DD14 / DD15 / DD16 / DD50 / DD51 / DD53 / DD54 / DE10 / DE11 / DE15 / DE50 / DF40 / DF50 / 911
民営化後 / DF200 / HD300 / DD200 / DB500 / DBR600
私鉄 / DB1 / DB51 / DD20 / DD100