概要
JR貨物がDE10形やDE11形の老朽置換をすべく開発したディーゼル機関車。
2017年に試作機となる901号機が製造され、2018年より本格稼働。2019年からは量産が始まった。先に配属された入換業務専用のHD300形と異なり、本形式は汎用業務の後継機として製造され順次配属されている。
駆動方式はDF200形同様に電気式を採用している。保守にてこずる連接構造の三軸台車を廃しており、ローカル線での運用と粘着力確保を両立するため車両重量はDE10形より1割ほど軽い約59t、軸重はDE10形やDE11形より若干大きい約14.7tとなっており、出力規模はDE10形とおおよそ同規模(主機関:約1200馬力、動輪周出力:約600kW)になるようにしつつ、最高速度は営業列車の運行を妨げないように110km/hにまで向上している。
大まかな見た目など
DE10形やHD300形とおなじくセミセンターキャブスタイルであり、運転台配置も進行方向に対して横を向いており、主幹制御器も左マスコン右ブレーキ(本線用機関車では右マスコン左ブレーキ)の配置も踏襲している。
車両端部はHD300形同様誘導員用デッキの手すりに前照灯・尾灯・連結用照明があり、1端側(ボンネットの長いほう)に主機関と主発電機、主機関用放熱機器が格納されており、2端側に主変換機、補助電源装置が格納されている。
台車はヨーダンパー付ボルスタレス台車を採用しており、主電動機は本線用機関車と同様にかご型三相誘導電動機を採用している。
番台区分
900番台
JR貨物保有の試作車両。2018年登場の1両。所属は新鶴見機関区→愛知機関区。
0番台
JR貨物保有の量産型。2021年現在13両が愛知機関区に所属。
600番台
水島臨海鉄道所属。2021年5月に登場。
700番台
2021年6月に登場したJR九州仕様。老朽化しつつある同社のDE10の置き換えを企図した車両で、同社の全区間を走行可能とするために全体幅や手すりの形状が変更されている。カラーリングはそれまでの本系列と異なり、同社のDE10を踏襲した黒に金色の手すりが採用されている。
800番台
京葉臨海鉄道所属。2021年6月に登場。
KD55形・KD60形とは異なりJR貨物機と同じカラーとなった。「RED MARINE」の愛称がある。
余談
JR貨物所属機は全機愛知機関区に集中配置されている。一応北は盛岡貨物ターミナル駅から南は北九州貨物ターミナル駅まで全国各地に常駐しているが、検査時はその都度定期貨物列車に連結、無動力回送で愛知機関区に戻っている。
ライトユニットが車体から独立した特異な構造のためか、2023年時点でも鉄道模型での製品化実績がなかったが、2024年4月29日にNゲージのメーカーTOMIXでの5月発売が発表された。