概要
DD11(でぃーでぃーじゅういち)とは、日本国有鉄道(旧国鉄・JNR)が開発した入換用ディーゼル機関車である。
気動車用ディーゼルエンジン・液体変速機を採用した国鉄初の液体式ディーゼル機関車である。
バリエーション
- 1次車(DD11 1 - 3)
1954年製造(製造番号2731 - 2733)。
- 2次車(4 - 9)
1957年製造(製造番号2759・2760・2766 - 2769)。
運用
1次型は当初戦後復活が計画されていた白棚線(当時休止中)で使用することを目的としてキハ10000形試作車グループと同時進行で設計製造された。160PS×2というスペックは国鉄制式機関車としては本線用としては愚か、入換用としても余りに非力な水準であったが、戦時中に不要不急線として1度撤去。戦後復活が検討された際も地方小私鉄並み輸送需要と予想された白棚線の実態に合わせて計画されたものであった。ところが、採算面の問題から同線が鉄道としての復活を断念。国鉄自動車専用道として整備されることとなったため、既に3両が製造されていた本形式はキハ10000形と共に別の用途を探す必要に迫られた。
とはいえ、2両重連でC12形蒸気機関車1両程度の出力しか出せない本形式は、通常の駅構内入換用としても非力に過ぎて実用上問題があった。このため、当初は在日米軍基地や海上自衛隊基地などに隣接した機関区・気動車区に配置。弾薬庫や燃料関連施設などの蒸気機関車使用が困難な火気厳禁区域での入換に用いられたという。初期に配属されたのは国府津機関区久里浜支区(横須賀軍港・、室蘭機関区(千歳飛行場)・広島第1機関区(岩国飛行場)・吉塚機関区竹下支区→竹下気動車区(板付飛行場)・早岐機関区(佐世保軍港)等である。
1978年までに全車が除籍・廃車され、一部は専用線に譲渡された。
ちなみに、第2号機は労組の募金活動により、ベトナム国鉄に寄贈され、2002年まで使用された。現在はハノイの機関区で放置されているため、有志達が整備保存を目指して活動している。