概要
豪雪地帯の除雪列車用にDD13をベースにして製造されたロータリー式除雪用ディーゼル機関車で、汽車製造→川崎重工で1960年から79年までに43両が製造された。0番台と300番台に分かれているが、両車の違いは減速機の歯車の種類と車輪の構造である。
構造
運転台を片側に寄せたエンドキャブ式の箱型車体を持ち、運転台側へ除雪用ロータリーヘッドを連結する。ヘッドの動力源は走行用エンジンと共用しており、2基搭載するエンジンの出力全てをロータリーヘッドの駆動に回すこともできる。
その場合は走行用に補助機関車の連結を必要とし、重連総括制御回路を装備する。
除雪ヘッドは切り離し可能で、オフシーズンにはヘッドを外して構内入換や小運転にも使用できるが、推進運転時の視界が極端に悪いため、構内入換での使用は札幌圏を除いてすぐに行われなくなった。
エンジンはDD13に搭載されているDMF31系に小変更を加えたものを2基搭載する。
運用
単機での除雪作業も可能だが、2基搭載するエンジンの出力全てをロータリーヘッドの駆動に回し、走行は補助機関車の動力に頼っていた。
補助機関車は重連総括制御に対応するDD13 500・600番台が使用されたが、配置区によってはこれらの配置がない所もあった。そういったところでは登場当初はC57・C58といった蒸気機関車を使用し、蒸気機関車の廃止が進むとDD51が補助機関車に使われるようになった。ただしDD51とDD14は回路の違いなどから互いに制御することができず、両車に機関士が乗り込んで汽笛を合図に運転された。また奥羽本線板谷峠区間ではED78がDD14の補助機関車として使われた(EF71はモーター回路構成の関係から、積雪時空転が激しく動力車としてED78に劣る性能となってしまうため)。
国鉄時代は幹線の主要な駅に転車台の設置があったために折り返し運転時の方向転換に困る事例は少なかったが、転車台の撤去が進んだJR移行後は複線区間での除雪作業はDD14を反向重連(非運転台側同士を向き合わせて連結させる。俗称犬つなぎ)にすることで行うようになった。
JR移行後は降雪量の減少や高い除雪能力を持ちながら、運転に際して国家資格である動力車操縦者免許の必要がない(会社が規程する操縦訓練のみで運転できる)モーターカーの配備が進んだことにより、DD14の出番は減少。
JR北海道・東日本・西日本の3社に引き継がれたものの、JR北海道は1996年に、JR西日本は2002年にそれぞれDD14を全廃している。
最後まで残ったJR東日本は管内での雪質が水分を多く含むベタ雪のためにモーターカーより高い除雪能力を持つDD14を好んで使用していたが、国鉄継承の除雪機関車より高い性能を持つENR-1000形の登場後は廃車が進行。最後まで残っていた327・332号機が2015年に運用を外れ、現役の車両は消えた。
譲渡車
台湾高速鉄道開業に際し、燕巣総合車両工場の入換機及び建築限界測定車(0系改造)の牽引車としてDD14 331号機とDD16 20号機が標準軌への改軌及び連結器の交換などを行って台湾に渡った。