車両番号1を与えられた機関車。当該鉄道(会社)の最初の機関車であるケースが多い。
「1号機関車」はそのため極めて多数存在するが、Pixivでは日本の官設鉄道(→国鉄)1号機関車を描いたイラストで占められているため、本項目では主に同車について説明する。
1号機関車(国鉄150形蒸気機関車)
日本の鉄道開業に先立ち、1871年にイギリスのバルカン・ファウンドリー社で新製された。製造番号614。
開業時にイギリスから輸入された10両の蒸気機関車のうち最初に日本に到着したことから番号1が与えられた。1872年10月14日(明治5年9月12日)の新橋駅(のち汐留駅、現在廃止)~横浜駅(現桜木町駅)間の開業後同区間でしばらく使用された後、神戸地区へ転じ、さらに現在の武豊線で鉄道建設資材輸送に用いられた。国鉄時代最終期には大阪地区で入換用に運用されていたとされる。1909年(明治42年)、当時の鉄道院が車両形式称号規程を定めた際、150形と形式が定められた。
1911年(明治44年)、島原鉄道開業に際し譲渡される。同社でも番号1が与えられ、客貨問わず運用された。
1930年(昭和5年)、国鉄600形656号機との交換で鉄道省へ返還され、整備の後1936年(昭和11年)から交通博物館にて保存展示された。現在は2007年(平成19年)に開業した鉄道博物館で保存展示されている。なお、1957年(昭和32年)に鉄道記念物、1997年(平成9年)に国の重要文化財に指定されている。
現役最後の地となった島原鉄道から鉄道省へ返還されるに際し、当時の同社社長植木元太郎は開業時から苦楽をともにした同車に「惜別感無量」のプレートをつけて送り出した。同プレートは現在も機関車側面に付けられている。
1形蒸気機関車
1909年に制定された鉄道院車両形式称号規程による1形蒸気機関車。
1904年、イギリス・W・G・バグナル社製。形式称号規程制定の際、当時の鉄道院所属機関車に大きさの順に番号が振られたため、最小(全長約4.6m、運転整備重量約10t)だった本機が1形を付与されることになった。
新橋工場構内の入換機関車として使用された後篠山鉄道へ譲渡され同社の1号機関車となる。最後は1950年代まで神戸製鋼所構内で使用されていたという。