概要
機関車+客車で構成されている列車で、機関車を最後尾に連結した状態で運転をする方式のこと。機関車牽引列車が駅で折り返す際の機回しを省略する目的で用いられる手法である。JIS(日本産業規格)では、「列車の最前部以外に連結された動力車によって操縦する運転。」と定められている。
- 寝台列車「カシオペア」「北斗星」のように、上野駅への頭端式ホームに列車を入線させる際機回しができないため、前方の監視及び信号現示の確認のため運転資格者を最端部の客車に添乗させるのが一般的。
- 機関車牽引方式のトロッコ列車「ノロッコ号」「奥出雲おろち号」や、嵯峨野観光鉄道、大井川鐵道井川線の列車のように、客車側にも運転台がついておりそこから機関車を遠隔制御する「プッシュプル方式」も推進運転の一種。この方式はドイツ語から「ペンデルツーク」とも呼ばれる。
主な事例
先述で述べた、JR東日本の上野駅~尾久車両センター間での推進運転。
JR貨物では苅田港線においてヨ38000を用いた推進運転が行われていた。
また、台湾の阿里山森林鐵路では客車に運転台を持たず、登坂時は常に機関車に人を載せて推進運転を行う。