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寝台を備えた特急列車


特急列車のため、運賃、寝台料金の他に、特急料金が必要となる。

北斗星」などのブルートレインや、電車特急の「サンライズ瀬戸出雲」などが該当する。


かつては特急以外の寝台列車も多く存在した。


2022年8月現在、クルーズトレインを除けば運行しているのは「サンライズ瀬戸・出雲」のみ。


おもな列車一覧編集

シーズンのみに運転される臨時列車、廃止された列車も含む。

運転個別記事があるものについてはそちらを参照されたい。

客車特急編集

関東(上野駅)発編集

2016年3月廃止。

2015年3月定期運行終了、2015年8月完全廃止。

  • エルム
    • 上野と札幌を結び、「北斗星」の補完的な役目を持った臨時寝台特急。「北斗星」と異なり個室なしの全車B寝台であったが、それでも利用率は高かった。しかし、北斗星そのものの本数減少と新幹線工事の本格化により、2006年を最後に運転されていない。
    • 「エルム」はニレ科の針葉樹の総称で、主にハルニレのことを指す。
  • はくつる
  • 上野と青森を東北本線経由で結んだ。一時は583系も使用された。2002年12月に東北新幹線八戸延伸に伴う並行在来線の経営分離と、それに伴う線路使用料の問題もあり、廃止
  • ゆうづる
  • 上野と青森を常磐線・東北本線経由で結んだ。一時は客車運用と583系運用が混在、晩年は583系での運用だった。JR発足後の1988年3月改正で、青函トンネル経由で上野~札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」誕生に伴い、客車「ゆうづる」は発展的に列車が消滅。583系「ゆうづる」も1993年12月改正で、「はくつる」に統合され完全廃止。
  • 鳥海/あけぼの
    • 上野と青森を、「鳥海」は上越線羽越本線奥羽本線経由で、「あけぼの」は東北本線(と、山形新幹線標準軌化以後は仙台駅を経て陸羽東線)・奥羽本線経由で結んだ。前者の愛称は鳥海山から。
    • 新幹線が到達していない東北日本海側の主要都市を結ぶとあって、利用客からの人気が高かった。「あけぼの」が1997年秋田新幹線開業に伴い廃止されたため、「鳥海」が「あけぼの」に改称、このスジで2014年まで運行された。
  • 出羽
    • 上野と秋田を羽越本線経由で結んだ。愛称は出羽三山に由来するが、愛称の通り「出羽国」山形(庄内)・秋田方面への到着が当時の「鳥海」より早かったため、青森発の「鳥海」と比較して主に山形・秋田方面の利用者をメインに運ぶ役目があった。1993年に「鳥海」に統合され愛称消滅。
  • 北星
    • 上野と盛岡を東北本線経由で結んでいた。元が急行だったためヘッドマークがなかったが、代わりに20系客車にパレット郵便荷物車が連結されるという異色の列車であり、鉄道ファンの話題をさらった。1982年の東北新幹線開業により廃止。
    • 「北星」とは「北極星」の意味。
  • 北陸
    • 上野と金沢を上越線・北陸本線経由で結んだ。新幹線が到達していない北陸地域への寝台列車として、同じ区間の急行「能登」とともに人気が高く、短距離でありながら個室率が高かった。平成に入っても安定した利用率を保っていたが、車両の老朽化には勝てず、2010年3月、「能登」とともに姿を消した。

関東(東京駅)発編集


関西発編集

  • 日本海
  • トワイライトエクスプレス
  • つるぎ
  • あかつき
    • 新大阪→京都と熊本・西鹿児島(現:鹿児島中央)→長崎・佐世保を結んだ。最盛期は7往復を誇るとともに、九州方面の寝台列車では最初に座席車「レガートシート」を連結した列車としても知られる。2000年に佐世保行きを廃止し「彗星」と併結運転、さらに2005年に「彗星」廃止に伴い「なは」と併結運転など、長崎行きブルートレインとして運転が続いていたが、2008年3月にとうとう命運が尽きた。
  • 彗星
    • 新大阪→京都と都城→南宮崎を結んだ。関西発九州行き列車としては最も歴史が長い愛称。最盛期は5往復運転され、583系なども使用されていたが、末期は「あかつき」との併結となり僅か客車4両の寂しい編成だった。個室組み込みなどの対策が施されるも利用は伸びず、2005年10月に廃止された。
  • なは
    • 京都(新大阪)と西鹿児島を結んだ。沖縄の本土返還を願って与えられた由緒正しき愛称の列車。当初は昼行だったが1975年に583系の夜行特急、1984年に24系25形客車によるブルートレインで運行。「あかつき」とともに「レガートシート」を連結していた列車でもある。2004年に九州新幹線開業で熊本までに短縮、さらに2005年には京都まで再延長されたが「あかつき」との併結となり、2008年3月に「あかつき」とともに廃止された。
  • 明星
    • 京都・新大阪と博多・西鹿児島を結び、最大7往復が運転された「ヨンサントオ」登場組の寝台特急。583系の使用や座席・寝台の混成など、何かと変化に富んだ列車だった。1975年を境に減少の一途をたどり、晩年は「あかつき」併結の1往復のみだった。1990年3月、臨時急行「霧島」に格下げされ、愛称消滅。
  • 安芸
    • 新大阪と下関を結んだ。もとは呉線の急行であり、急行時代の運転区間がそのまま継承されたため、歴代のブルートレインで唯一、呉線を経由した列車であり、また呉線最後の優等列車として知られている。しかし、登場時点ですでに山陽新幹線が博多まで開業していたこと、当時の国鉄の大幅値上げ、メインとなる呉線での利用時間の悪さなどから利用はさっぱり伸びず1978年に廃止。僅か3年の運転で終わった。愛称は広島地方の旧国名「安芸」から。

九州内編集

  • 桜島
    • 博多と西鹿児島を結んだ臨時寝台特急。もともとは東京と西鹿児島を結んでいた急行列車の愛称。急行「かいもん」の増発便として1985年に運転開始。急行の臨時便でありながら特急を名乗る列車であり、また増発便ではない独立した愛称の臨時寝台特急としては初めての存在である。1990年に廃止。

電車特急編集

2016年3月以降、唯一の定期寝台特急

  • サンライズゆめ
    • 1998年に、急行「銀河」の臨時便のダイヤを広島まで延長する形で運転が開始された臨時特急。285系の予備編成1本を使い、時期によって停車駅や始終点駅が異なっていたのが特徴。しかし、2008年を最後に運転されていない。
  • 月光
    • 「ヨンサントオ」の1年前に新大阪~博多間でスタートした世界発の電車使用の寝台特急。デビュー間もない581系/583系が使用され、「月光型」の名を定着させた名列車。新大阪から新幹線に接続して九州にアクセスする役割を持ち、新幹線が博多まで開業する1975年まで運転された。
  • 金星
    • 「月光」の好評を受け、「ヨンサントオ」改正で登場した列車。名古屋と博多を結び、「月光」廃止後も運転は続き、1982年に廃止。廃止後も臨時列車としてしばらく愛称が残っていた「影の立役者」的列車である。
  • きりしま
    • 京都~西鹿児島間を結んだ。登場当時は日本で最も運転区間の長い電車特急であった。1975年に「明星」に吸収され消滅したが、1990年に「明星」のダイヤで、客車使用の臨時寝台急行「霧島」として復活。1995年JR九州にL特急「きりしま」がデビューするまで運転された。

その他編集

これらは、分類上寝台特急ではないが、寝台車を連結しており、かつ特急であるため、便宜上この項目で解説する。

  • 利尻
    • 札幌と稚内を結んだ。もとは準急~急行であり、気動車+寝台車の北海道独自のスタイルを最初に編み出した列車である。2006年に臨時列車化されたのちも「はなたび利尻」として運転されていたが、2008年4月にJR北海道が正式に廃止を発表した。
  • オホーツク(9・10号)
    • 札幌と網走を結ぶ「オホーツク」の夜行便で、気動車編成に14系寝台車を1両組み込んだ編成で運転された。航空機・高速道路の発達および利用する値段の高さにより利用者が減り、2006年に臨時列車化、2008年3月に廃止された。
  • おおぞら(13・14号)
    • 札幌と釧路を結ぶ「おおぞら」の夜行便。キハ183系と14系寝台車2両で運転された。2001年7月に「おおぞら」の昼行便がすべて「スーパーおおぞら」に変更されたため、夜行便は「まりも」と改称、愛称が消滅した。
  • まりも
    • 札幌と釧路を結んだ。「利尻」と同じくもともとは急行であり、「おおぞら」の夜行便独立にあたり愛称が復活したものであった。しかし、利用客はあまり伸びず、2007年に臨時列車化、北海道内最後の夜行列車として命脈を保ってきたが、2008年8月に廃止。これをもって道内夜行の歴史は幕を閉じた。
    • その後、2012年夏に団体列車として客車列車の「急行まりも」が2日間だけ運転された。

関連イラスト編集

青き街を往く

寝台特急の代表格、「ブルートレイン」(全廃)。


ちょっくらお出かけ

電車の寝台特急、285系。


関連タグ編集

ブルートレイン トワイライトエクスプレス サンライズエクスプレス 鉄道

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