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トワイライトエクスプレス(初代)編集

JR西日本1989年から2015年まで大阪駅札幌駅駅間(日本海縦貫線経由)で運行していた臨時寝台特急。臨時列車扱いであるが、観光シーズンには団体列車扱いも含めほぼ毎日運転となる場合もあった。2015年の廃止まで日本国内最長距離を走る旅客列車であった。


停車駅は、大阪-新大阪-京都-敦賀-福井-金沢-高岡-富山-直江津-長岡-新津-洞爺-東室蘭-登別-苫小牧-南千歳-札幌。上り(大阪行き)は22時間45分、下り(札幌行き)は22時間掛けて運行される。上りと下りで所要時間が45分異なるが、これは函館本線で通るルートの関係によるもの。


余談だが、トワイライトエクスプレスが通る駅の数は、大阪⇒札幌の場合335駅、札幌⇒大阪の場合は341駅(東海道本線湖西線北陸本線信越本線羽越本線奥羽本線津軽海峡線江差線、函館本線、室蘭本線千歳線のルートで走行した場合)。上下で通る駅数が違うのは、上述したように函館本線で通るルートの関係によるもの。


車両は国鉄24系客車の専用改造車が3編成用意され、A寝台個室(2人用スイート、1人用ロイヤル)、レストランカー(食堂車)、サロンカー等を連結。またB寝台まで含め個室率が高く、B寝台も4人利用だと個室として使用できる簡易個室「Bコンパート」である。その他、一人用個室も補助ベッドにより2人以上での利用が可能で、カップルや夫婦などの2人利用の利用を促していたことがうかがえる。本州内(大阪駅~青森信号場)では専用塗装のEF81形0番台が牽引担当。なお、車体塗装は深緑色ベースにがあしらわれ、いわゆる「ブルートレイン」には含まれない場合が多い。

牽引機は本州内がJR西日本のEF81青函トンネル内がJR北海道ED79北海道内が同DD51であった。EF81は客車と同じ塗装の専用機が充てられたが、例外的に一般機が使用されることもあった。逆に専用塗装機が日本海に充当される事もあった。

専用編成は3本作られたが、電源車は予備として1両多く作られた。このトワイライト塗装の電源車は東京駅へ向かう寝台急行「銀河」に連結される事もあった。


当列車はJR西日本の看板列車であったことから大幅な遅延があった場合でも途中駅で運転打ち切りをせず運転をしていた、2015年 2月13日に札幌駅を発車したトワイライトエクスプレスは青森付近で暴風雪、敦賀付近でレール工事などが積み重なり、25時間の遅れで大阪駅に到着した。


ラストラン日の2015年3月12日分のチケットが全国の駅で一斉発売されたのだが、一瞬で完売するという事態に。始発の大阪駅切符売り場に早朝から行列ができていたのだが、大阪駅で購入できたのは1名のみだった。


各車両編集

号車番号は臨時列車時代のものであり、団体臨時列車時代は異なる場合がある。


1号車:スロネフ25形500番台(A寝台個室「スイート」・「ロイヤル」)

車端部分に1室のみ設置される展望室タイプの2人用個室「スイート」と、4室の1人用個室「ロイヤル」からなる。「ロイヤル」は「北斗星」にも同名の個室が存在するが、椅子の背もたれが電動式になっているなどの差異がある。過去にA寝台ロイヤルはオークションで90万円ほどで売られたことがある。


2号車:スロネ25形500番台(A寝台個室「スイート」・「ロイヤル」)

1室の「スイート」と4室の「ロイヤル」からなる。「スイート」は1号車とは異なり車両中央部に配置されており、展望スペースがない代わりに応接スペースにサロンカーのものと同じ大型の窓がある。


3号車:スシ24形0番台(食堂車「ダイナープレヤデス」)


食堂車。「北斗星」の食堂車「グランシャリオ」と同じく電車(485系のサシ481形・489系のサシ489形)からの改造車であり、屋根が低いなど外見が他の客車と大きく異なる。


名称は牡牛座おうし座)のプレアデス星団が由来で、「瑞風」の食堂車にもそのまま引き継がれている。


4号車:オハ25形550番台(サロンカー「サロンデュノール」)


ロビーカー(ラウンジカー)。車両中央部に天地方向に拡大された眺望窓(2号車の「スイート」と同一のもの)を日本海側に5組備えている。


名称はフランス語で「北のサロン」を意味する。「瑞風」のラウンジカーには、この名称を走行線区に合わせて変更した「サロン・ドゥ・ルゥエスト」(フランス語で「西のサロン」の意味)という名称が付けられている。





特別なトワイライトエクスプレス編集

2015年の運行終了後も旅行会社などから団体列車運用の要望が多かったことから、JR西日本は客車の検査期限が切れるまでの間に特別に編成を組み替え、ツアー旅行限定で運行することを決定した。

この編成は「特別なトワイライトエクスプレス」と称され、客室はすべてA寝台のロイヤルとスイートのみ、それに食堂車とサロンカーを連結した編成で運行される。B寝台車も連結されているが、これは業務用の扱い。


2015年5月から西日本管内でツアー運行が開始され、さらに7月には大分デスティネーションキャンペーンが行われることを記念して九州への乗り入れも実施された。また9月にも九州往復運行が行われている。

2016年3月をもって運行終了。


牽引機はEF81は勿論のこと、EF65PF(1124号機がこれに合わせトワイライトエクスプレス色に変更された)やDD51、九州ではDE10が使用された。


尚、運行ルートは滋賀県以西に限定され、本来のトワイライトエクスプレスとは全く異なっていたが、これは北陸新幹線延伸開業による並行在来線分離により北陸本線が通過できなくなった事と、後述の「トワイライトエクスプレス瑞風」の試験運用の意味合いがあった為とされている。


トワイライトエクスプレス瑞風編集

名称は2017年6月より運行開始したクルーズトレイントワイライトエクスプレス瑞風」に受け継がれることになった。

車体色が緑色なのも同じだが、色合いは異なる。

運行ルートは「特別なトワイライトエクスプレス」をほぼ踏襲しており、大阪駅~下関駅山陽本線山陰本線経由で結んでいる。


静態保存編集

2016年開館した京都鉄道博物館にトワイライトエクスプレスで使われた車両のうち機関車1両、客車3両、電源車1両の合計5両が収蔵された。

内訳はトワイライトプラザに牽引車のEF81-103、A寝台車のスロネフ25-501、食堂車のスシ24-1、サロンカーのオハ25-551、電源車のカニ24-12となっている。

単一の列車として、一つの施設に5両も保存する例は日本では前例がなく、JR西日本がいかにトワイライトエクスプレスを特別視していたかが窺える。

しかしカニ24-12については老朽化により、2023年に展示を終了した。


外部リンク編集

http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/05/page_5700.html


関連タグ編集

寝台特急 JR西日本 JR東日本 JR北海道

カシオペア(列車) 北斗星 日本海(列車) 京都鉄道博物館

トワイライトエクスプレス瑞風

シュプール:トワイライトエクスプレスをB寝台のみに再編成した「シュプールトワイライト信越」という臨時列車を1シーズンのみ運行した。

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