概要
路線名 | 江差線(電化区間は2016年3月26日より道南いさりび鉄道線) |
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路線愛称 | 津軽海峡線(五稜郭〜木古内) |
路線距離 | 79.9㎞ |
軌間 | 1067 mm |
電化区間 | 五稜郭〜木古内 |
非電化区間 | 木古内〜江差 |
電圧(電化区間) | 交流20000V(但し木古内駅手前は交流25000V) |
最高速度 | 100km/h(電化区間)/65km/h(非電化区間) |
五稜郭駅(北海道函館市)と江差駅(檜山郡江差町)を結んでいたJR北海道の路線。
起点の五稜郭駅を経由する列車は、寝台特急「トワイライトエクスプレス」を除き全て函館本線函館駅まで乗り入れていた為、運行系統上は函館駅〜木古内駅〜江差駅だった。
北海道新幹線開業前は、木古内駅(上磯郡木古内町)で接続する海峡線・JR東日本津軽線(青森駅~中小国駅)と併せて本州と北海道を結ぶ津軽海峡線の一部を構成していた。
電化区間(函館〜五稜郭〜木古内)
国鉄時代は木古内駅で接続していた松前線と共に道南地方の非電化ローカル線の一つに過ぎず、1980年(昭和55年)に急行「えさし」「松前」が廃止されて以降は青函トンネル開通まで優等列車が存在しなかった。
また国鉄末期には江差線・松前線共に廃止が議論された。後述する江差線末端区間は松前線よりも利用者が少なかったものの、後に電化されるこの区間の1時間あたりの利用者数が特定地方交通線の廃止除外基準に達していた為、民営化後の1988年(昭和63年)2月1日に松前線のみ廃止された。
当時は路線単位で廃止を決めていた為、この区間が松前線に属していたら廃止されていたのは江差線だったと言われている。
こうしてどうにか廃止を免れた江差線は、松前線廃止の翌月3月13日に津軽海峡線の一部を構成する区間が交流電化され、国鉄時代に廃止された優等列車や貨物列車が復活して大動脈へと変貌した。
電化区間はその後末端区間廃止後も役割を全うし続けたが、2016年(平成28年)3月21日の運行を持って青函トンネルを経由する定期旅客列車の運行を終了。3月26日に北海道新幹線が開通し、並行在来線として道南いさりび鉄道に転換され「江差線」の名は消滅したが、現在でも貨物列車の重要な路線である。
非電化区間(木古内〜江差)
前述の通り廃止された松前線よりも利用者が少ない区間だった。
津軽海峡線開通後も優等列車は設定されず、普通列車が1日6往復運行されていた。
しかし国鉄時代からの赤字は解消されず、2014年(平成26年)5月12日に廃止された。
運行形態
ここでは江差線のローカル運用について記載する。
津軽海峡線列車については当該項目を参照。
青函トンネルを経由する広域輸送は全て電車(特急)又は客車(寝台特急・急行・快速)で運用され、ローカル運用の普通列車は移管後も含めて気動車で運用されている。
函館駅〜上磯駅間が1時間に1本程度運行され、その先の木古内駅までは3時間以上間が空く事もあった。この点は現在の道南いさりび鉄道のダイヤにも受け継がれている。
木古内駅〜江差駅間は1日6往復のみで函館・木古内発着の列車が設定されていた。
駅一覧
存続区間
道南いさりび鉄道を参照。
廃止区間
駅名 | 乗り換え路線 | 線路(※) | 所在地 | 備考 |
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木古内駅 | 同上 | ◇ | 北海道上磯郡木古内町 | |
渡島鶴岡駅 | | | 北海道上磯郡木古内町 | 一部の普通列車が通過していた | |
吉堀駅 | | | 北海道上磯郡木古内町 | 一部の普通列車が通過していた | |
神明駅 | | | 北海道檜山郡上ノ国町 | 開業から廃止まで、江差駅管理の無人駅であった。一部の普通列車が通過していた。 | |
湯ノ岱駅 | ◇ | 北海道檜山郡上ノ国町 | 木古内駅から来た列車は当駅が最後の交換駅となっていた。当駅から終着の江差駅までは1閉塞となっていた。 | |
宮越駅 | | | 北海道檜山郡上ノ国町 | ||
桂岡駅 | | | 北海道檜山郡上ノ国町 | ||
中須田駅 | | | 北海道檜山郡上ノ国町 | 1948年(昭和23年)-1955年(昭和30年)3月4日は仮乗降場。 | |
上ノ国駅 | | | 北海道檜山郡上ノ国町 | 1988年(昭和63年)2月1日のJR松前線の廃止後、北海道最西端の駅となっていたが、当駅廃止に伴いその座を鷲ノ巣駅に譲った。 | |
江差駅 | | | 北海道檜山郡江差町 | 江差線の木古内駅から当駅までが廃線になるまでは当駅が終点だった。かつて道内最西端の有人駅であったが、廃止に伴いその座を八雲駅に譲った。 |
(※)江差線内は全線単線…◇・∨:列車交換可能、|:列車交換不可、∥:複線(函館本線内)
使用車両
国鉄民営化後の江差線ローカル運用の車両のみ記載。
津軽海峡線の車両は当該項目を参照。
函館機関区→函館運輸所所属。
キハ22・キハ24は民営化後の早い時期に引退し、キハ40がローカル運用を長らく担当した。
キハ40形1700番台は道南いさりび鉄道転換時に同社へ譲渡された。