国鉄キハ20系気動車のうち、寒地(北海道・東北)向けに設計された両運転台車。北海道では急行列車にも運用された。
車端部へ乗降扉がよっているのと、小型の一段上昇窓が特徴。このため側面は他のキハ20系列と異なった印象を受ける。
車内もデッキにドアと仕切り壁を付けていて寒冷対策を施している。
また、東北の民鉄事業者に譲渡例や貸出例が多数見られる。
譲渡・貸出事業者
譲受事業者 | 両数 | 譲渡先での車番 | 備考 |
津軽鉄道 | 3両 | キハ22027~キハ22029 | 2007年に全車廃車。一両のみ解体業者により搬出。残り2両は嘉瀬駅と津軽五所川原駅へそれぞれ車籍を抹消の上留置 |
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弘南鉄道 | 3両 | キハ2210・キハ2220・キハ2230 | 弘南鉄道黒石線で活躍。弘南鉄道黒石線廃止に伴い廃形式となる。2両は道の駅いなかだてに保存される |
下北交通 | 3両 | キハ85 1~3 | 大畑線で活躍。現在は同線廃止と共に廃形式となった。現在は動態保存車が一両 |
阿武隈急行 | 5両 | 元番そのまま | 貸出扱い。1988年JR東日本に返還 |
秋田内陸縦貫鉄道 | 9両 | 元番そのまま | 貸出扱い。1988年JR東日本に返還 |
ちなみにひたちなか海浜鉄道(旧・茨城交通)にもキハ22が在籍しているが、これは羽幌炭鉱鉄道が自社発注した車輌で、国鉄の車輌とは前面に旋回窓が設置されていたなどの差異があり、羽幌炭鉱鉄道廃線後茨城交通に譲渡されたものである。現在のこる保存車では復元色と称してぶどう色2号近似に白帯とされているが、これは茨城交通時代の晩年に塗られたものであり、登場当時の地色はJR貨物レッドもしくはマルーン近似とも言われるが、往年の記録が少なく詳細は不明である。
また、留萌鉄道も「キハ2000」という形式で同型の車輌を自社発注していた。これはトイレが設置されていないなどの差異があり(これも廃線後茨城交通→ひたちなか海浜鉄道で運用されている)。