日本国有鉄道キハ20形
国鉄(日本国有鉄道)が設計・新製したキハ20系気動車のベース形式。暖地向け両運転台車である。戦前の気動車取り替えのために大量に製造された。
1957年より製造され、車体軽量化技術の進歩により、国電並みの2800mm車体へと断面を大型化。初期製造分はキハ10系から継続して使われた乗り心地に難のあるDT19台車、上段固定の通称「バス窓」など旧態を引きずっていたが、1958年製造分の201~からは当時新型のDT22形台車、上下可動式の二段窓など若干の近代化が図られた。島原鉄道ではほぼ同型の自社発注車も存在した。
しかし、老朽化と共に数を減らし、JRでは広島車を最後に1992年に全廃。状態の良い車両は非電化の鹿島臨海鉄道・水島臨海鉄道・島原鉄道に売却され、やがて他の形式同様少しづつ数を減らし、現在稼働するのは若干の車体補修と冷房化を施したひたちなか海浜鉄道のキハ205(水島臨海鉄道経由で転籍)のみであるが、1965年製造と車齢が半世紀を超えた老朽車のため、余命いくばくもない。
いすみ鉄道キハ20形
2015年、いすみ鉄道に「キハ20 1303」が新製配置された。同鉄道は国鉄型気動車キハ52およびキハ28を所有し走らせているが、土休日のみであり、しかも製造から50年程度経過し老朽化が激しいためいつまでも安定して走る保証はない。このためキハ20を新製投入した。
厳密には国鉄型ではないが、製造が新潟トランシスであること、附番が完全に国鉄型のそれであることから、この項に加えた。なお、1303という中途半端な製造番号は、同社の形式区分上キハ20は300番台(クロスシート、トイレ付)の3両目ということで303となるが、国鉄キハ20には303が存在していたため、重複を避けるために1000を加えたとのこと。
…というのも、厳密には「いすみ300形」の3号車で、先にいすみ301、302号が同様のセミクロスシート、トイレ付で配備されている。また、いすみ鉄道にはキハ20 1303号に似たいすみ鉄道色のいすみ351、352号がいる。こちらはロングシート車。