概要
NDCシリーズとは、新潟鐵工所が製造した、鉄道用の軽快気動車(ディーゼルカー)のシリーズ名である。
ローカル線向けに製造され、全国のJR地方路線や第三セクター線で導入された。
新潟鐵工所の鉄道車両部門は新潟トランシスに移管され現在はこの名称は使用されていないが、鉄道ファンに同一規格の車両を示す言葉として使われている。
特徴
1980年代後半の国鉄の分割民営化の際に誕生した非電化路線の第三セクターに多く導入され、富士重工業のLE-Car・LE-DCシリーズと共に主力車両となった。
富士重工業の車両は、車体の一部やエンジンにもバスの部品を多用したいわゆるレールバスだったが、こちらはバスの部品も使いつつ通常の鉄道車両に近い車体をしていた。
新潟トランシスに事業移管後は、富士重工業も同社に事業移管されたこともあり、LE-DCの技術を取り込んだ両者の特徴を持つ車両も登場している。
車両
大きく分けて三世代に区別される。
各世代ともベースは同じながら、ライトの位置、トイレの有無、車両の長さなどが鉄道会社によって異なるため、バリエーションが豊富である。
第一世代
車体長14.8m~18m、車体幅2.7m、軸距1800mmが標準仕様。
由利高原鉄道YR-1000形→YR-1500形 | 南阿蘇鉄道MT-2000形→MT-2000A形 | 会津鉄道AT-100形・AT-150形・AT-200形 |
若桜鉄道WT2500形→WT3000形 | 錦川鉄道NT2000形 | JR北海道キハ130形 |
JR東海キハ11形 | 秋田内陸縦貫鉄道AN-8800形 | 山形鉄道YR-880形 |
北海道ちほく高原鉄道CR70形・CR75形 | 松浦鉄道MR-100形・MR-200形・MR-300形 | 鹿島鉄道KR-500形 |
くま川鉄道KT-100形・KT-200形 | 高千穂鉄道TR-100形・TR-200形 | 三陸鉄道36-300形・36-400形 |
JR西日本 キハ120形 | 秋田内陸縦貫鉄道AN-8900形 | |
第二世代
車体長16m~20.8m、車体幅2.7m~2.8m、軸距1900mmが標準仕様。
後期はボルスタレス台車を装備するようになった。
JR九州キハ125形 | 三陸鉄道36-500形 | 島原鉄道キハ2500形・キハ2550形 |
水島臨海鉄道MRT300形 | 茨城交通キハ3710形・キハ37100形 | 津軽鉄道津軽21形 |
井原鉄道IRT355形 | 松浦鉄道MR-400形・MR-500形 | 由利高原鉄道YR-2000形 |
第三世代
車体長18m、車体幅2.8m、軸距2100mmが標準仕様。
運転台に車両管理用モニター(TICS)を装備し、旅客用ドアの位置も左右で揃えられたのが特徴。
近年でも製造されており、バリアフリー対応車両もある。
天竜浜名湖鉄道TH2100形 | 若桜鉄道WT3300形 | 肥薩おれんじ鉄道HSOR-100形 |
錦川鉄道NT3000形 | 平成筑豊鉄道400形・500形 | 樽見鉄道ハイモ330-700形 |
三陸鉄道36-600形→36-R形 | 三陸鉄道36-Z形 | 三陸鉄道36-700形 |
会津鉄道AT-500形・AT-600形 | 会津鉄道AT-700形 | のと鉄道NT200形 |
のと鉄道NT300形 | いすみ鉄道いすみ300型 | いすみ鉄道いすみ350型(キハ20) |
わたらせ渓谷鐵道WKT-500形・510形・520形・550形 | 鹿島臨海鉄道8000形 | 明知鉄道アケチ100形 |
信楽高原鐵道SKR400形・SKR500形 | 北近畿タンゴ鉄道KTR300形 | |
模型など
トミーテックよりNゲージが製品化されており、第一世代、第二世代の車両は鉄道コレクション、第三世代の車両はTOMIXブランドから発売されている。