常磐線石岡駅と鉾田駅を結ぶ鹿島鉄道線を関東鉄道から引き継いで運営していたが、2001年8月に航空燃料輸送が廃止され経営難に。親会社の関東鉄道や沿線自治体から5年間支援を得られたことで一度は廃線の危機を避けられたが、つくばエクスプレスの開通によるバス部門や関東鉄道常総線の利用者減を理由に「2007年以降関東鉄道は鹿島鉄道の支援を行うことは出来ない」と通告。2007年4月1日を以って鉄道線は廃止された。
存続していれば2010年に開港が決まっていた茨城空港に最も近くなるはずだった鉄道であった。そもそも先述の航空燃料輸送も輸送先は現在茨城空港と滑走路を共用している航空自衛隊百里飛行場(百里基地)向けであった。茨城空港はアクセスの悪さなどから開港後は深刻な大赤字となっただけに、空港へのアクセスと燃料輸送を担う能力があった鹿島鉄道をみすみす放棄してしまったことが悔やまれる。
なお現在会社そのものは社名もそのまま賃貸業として存続している。
鉾田側終点の鉾田駅は鹿島臨海鉄道新鉾田駅よりも約1kmほど西にあり、接続駅と呼べないほど離れていた。
車両
廃線まで電化されず、全ての列車が気動車で運行されていた。
- KR500形
主力だった車両。新潟鐵工所で1989年と1992年に製造された。長さ16mクラスの軽快気動車で501・502・503・505の4両が在籍していた。なお504が欠番なのは事故廃車などではなく忌み番号として投入時から欠番扱いとしているためである。登場時から冷房装備。
- キハ714形
1両のみ在籍。1953年新潟鐵工所製の夕張鉄道キハ251形を出自とし、北海道初の液体式変速機を搭載した気動車であった。1976年に夕張鉄道が廃線となり、その時に鹿島へやって来た。入線時は転換クロスシート装備だったが1977年にロングシート化、1994年に冷房化がなされた。しかし旅客用扉が車体中央に寄っていることからワンマン化改造を行っていなかった。
- キハ430形
メインイラストの車両。キハ431とキハ432の2両が在籍。2両とも1957年に東急車輛で製造された加越能鉄道加越線向けに投入されたキハ120形を出自とする。1954年に同じ東急車輛で製造された東武鉄道キハ2000形のほぼ同形車で顔つきは前面非貫通2枚窓のいわゆる湘南顔。16m級2ドアの小型車なのもキハ2000と共通だが、車内はキハ2000形のセミクロスシートに対しこちらはオールロングシートである。車体が小さいために冷房装置を搭載できず夏の間は運用を外れていた。
- キハ600形
元国鉄キハ07形気動車の改造車だが、度重なる大改造により原型を留めているのは一部に限られている。廃線前は一般旅客営業に運用される車両としては日本最古かつ戦前製唯一の現役気動車で現在も1両が保存されている。
- DD902形
1968年に日本車輌で製造。国鉄DD13形ディーゼル機関車に類似しているが、台車が独自の軸バネ式のNL8B、運転台下の燃料タンク・空気溜などが異なる。
廃線を待たずに日本製鋼室蘭製作所へ譲渡されている。
テレビ番組などへの登場
- コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-新春スペシャル(2009年)
旧鉾田駅周辺がドラマ中に登場する架空の鉄道会社新千葉鉄道として使用された。
- 奇跡体験!アンビリバボー「知られざる英雄 時速110kmの怪物に挑む」(2007年)
アメリカで起きたCSX8888号暴走事故の再現映像の撮影が鹿島鉄道石岡駅と関東鉄道水海道車両基地で行われた。