概要
明確な定義はないが、「中小私鉄の中でも大手私鉄に匹敵する鉄道会社」を「準大手私鉄」と呼び慣わしてきた経緯がある。曖昧な存在ではなく、国土交通省でも「準大手民鉄」の呼び名でキチンと分類、定義づけされている(参照)。
準大手私鉄に分類される事業者
- 新京成電鉄:京成グループの一員で、京成電鉄の完全子会社。相模鉄道が大手私鉄に昇格してからは、東日本で唯一の準大手私鉄である。2025年(令和7年)4月1日、京成電鉄に吸収合併されて法人格消滅する予定。
- 泉北高速鉄道:1965年(昭和40年)12月24日に大阪府などが出資する第三セクター鉄道会社「大阪府都市開発」として設立。2014年(平成26年)7月1日に南海電気鉄道の連結子会社となり南海グループの傘下に入り、鉄道事業で使用していた「泉北高速鉄道」の名称が正式に社名となった。2025年(令和7年)4月1日、南海電気鉄道に吸収合併されて法人格消滅する予定。
- 北大阪急行電鉄:阪急電鉄や大阪府などの出資で設立された第三セクター鉄道会社。阪急電鉄の子会社で、阪急阪神ホールディングスの連結子会社でもあり、阪急阪神東宝グループの所属企業の一つ。
- 神戸高速鉄道:阪急阪神ホールディングスの連結子会社であり、阪急阪神東宝グループの所属企業の一つ(こちらは阪神電気鉄道系)。神戸市も出資する第三セクター鉄道でもある。準大手私鉄では唯一日本民営鉄道協会(民鉄協)に加盟していない。
- 山陽電気鉄道(メイン画像):神戸高速鉄道開業以降、阪急と阪神の双方が株を出資していたが、1998年に阪急が阪神に売却してからは阪神が筆頭株主になった。2006年に阪神が阪急と経営統合したが、阪急阪神ホールディングスには参加しておらず、準大手私鉄で唯一大手私鉄のグループ会社ではない。
かつて準大手私鉄だった事業者
準大手クラスの鉄道事業者
- 名古屋市交通局、札幌市交通局、福岡市交通局、横浜市交通局:公営事業であるため私鉄ではない。東京都交通局は大手クラス。
- つくばエクスプレス(首都圏新都市鉄道):鉄道事業の売り上げは一部の大手私鉄を上回り日本有数の規模だが、第三セクターである。ただし、副業を手広く手掛けていないので、会社としての売り上げはそれほど大きくない。
- 静岡鉄道:日本民営鉄道協会員でありながら、中小私鉄として扱われている。事業売り上げ規模は大手私鉄に準じる規模だが、その99%は「鉄道以外」。
- 遠州鉄道:こちらも上記の静岡鉄道と同じ静岡県内を拠点とする鉄道事業者。営業規模では中小私鉄のトップであるが、こちらも自動車販売が主力で鉄道事業の割合は1%未満。