概要
兵庫県の西代駅と姫路駅間を結ぶ本線を中心に、兵庫県の南部を東西に走る準大手私鉄である。全線にわたってJR山陽本線(JR神戸線)と並行しており、激しい競争となっている。西代で神戸高速線と直通しており、大半の列車が神戸方面(阪急、阪神)に乗り入れ、直通特急が阪神梅田駅まで乗り入れている。2012年5月、塩塚博氏作曲の接近メロディや発車メロディが導入され、案内放送がガラリと変わった。公式の案内では「山陽電車」の名称を用いるほか、乗客やJR・阪急・阪神などの社員は「山電」と略して呼ぶこともある。
開業当初は標準軌の、路面電車と郊外電車を直通させた形の路線に過ぎなかった(神戸高速線開業前は神戸市内に山陽電鉄の併用軌道が存在した)。
当然ながら既存車両は小さく、幅2.4m×長さ15m程度のものに留まる。
これが激変したのは、戦後車両が不足した際、沿線の工員輸送で乗客も激増したことで、増備が63形電車一択となってしまったことから、それの標準軌仕様車を受け入れるために施設を大改造し、結果として国鉄車両限界に準拠、阪急より大型の車両すら通過可能な断面を有するに至ったことがそもそものきっかけである。
また神戸高速開業以前は、当然ながらこの準軌63形が石畳の併用軌道を走る光景もあった。
1936年のバス事業開始から長らくバス事業も直営だったが2004年から2011年までに順次子会社である山陽バスに移管された。
ほかにも、関連会社を通じてではあるが、神戸市と明石市でタクシーを、姫路市内でデパートを、板宿駅・山陽垂水駅・西新町駅の構内および山陽明石駅ビルのテナントとしてローソン(のフランチャイズ)を、それぞれ運営している。
路線
山陽電鉄の車両
オールアルミボディーの車両を日本でいち早く導入したのは山陽電鉄である。2000系のアルミ車3両が静態保存されている。3000系列の一部以外はアルミ車両。
- 5000系・5030系
- 3000系・3050系・3200系
- 普通列車の主力、および「S特急」にも使用。阪急三宮までの運用も存在する。3200系と3000系の一部は網干線で行われているワンマン運転に対応している。
- 3050系は当初より冷房を搭載した車両で、3056号編成以降は乗り心地向上のため空気バネ台車を装備したほかヘッドライトケースが小型化されている。
- 6000系
- 3000系初期車を置き換える目的で導入。網干線で行われているワンマン運転に対応している。また、阪神電気鉄道直通特急の運用に入る5000系列のリニューアル工事に伴い、運用本数を確保する目的で直通特急運用も担当している。
種別
- 直通特急
- 種別幕は赤。阪神梅田~山陽姫路間で運行。朝と夜は毎時5本、日中は毎時4本が走る。間隔調整のため、神戸三宮~板宿間各駅に停車する列車(B直特)があり、この列車は種別幕が黄色である。
- 特急(山陽特急)
- 種別幕は赤。東二見~山陽姫路間を早朝深夜のみ運行。かつては高速神戸発も存在したが、2016年ダイヤ改正で前述のB直特に統合された。
- 特急(阪神特急)
- S特急
- 種別幕は緑。停車駅は山陽特急より多い。東二見~山陽姫路間は各駅に停車。Sは「Service」「Smart」「Short」「Speedy」の意味が込められている。
- 普通
- 種別幕は黒。本線では基本的に直通特急:普通が1:1で運行されている。阪急三宮まで乗り入れる運用は普通のみ。網干線では朝と夜は毎時5本、日中は毎時4本が走る。駅や車内の案内放送では普通車として案内される。
かつては優等種別としての急行も存在したが、昭和50年代までに廃止。阪急や阪神から乗り入れの急行(準急なども)も存在したが、特急同様線内各駅停車である
高速神戸より阪神三宮・阪神大石の方向幕は青地に白文字、阪急三宮の方向幕は緑地に白文字となっている。
関連タグ
山陽電車 - 愛称または略称
山陽バス - バス事業を行う子会社
阪神電気鉄道 - 現在の大株主
近江鉄道 - 山陽電鉄が宇治川電気直営の電鉄部だった時代の兄弟会社
青木雄二 - 高校卒業後初めて就職した企業。学歴重視に不満を感じ、入社から5年後の1969年に退社。
カードキャプターさくら、忍たま乱太郎 - コラボレーション企画を実施したことがある。