概要
西武鉄道の子会社で、西武グループに属する。これは創設者の堤康次郎の出身が滋賀県である事が大きい。1944年に西武グループの箱根土地(後の国土計画)傘下となり、2016年に西武鉄道の完全子会社となる。運行している鉄道車両も西武鉄道で使われていた車両を改造したもの。また、バスの車両に白地に青・赤・緑の三色の帯を配したライオンズカラーを採用している。
鉄道路線としてはJR西日本琵琶湖線と競合しているが、運行間隔・運賃・所要時間の面で同路線に圧倒的に負けており、近江八幡駅・彦根駅・米原駅にてJR線との接続・乗り換え路線としての役割に専念している。他私鉄と接しているのは信楽高原鐵道ぐらい。
いっぽう琵琶湖の湖上では、西武グループで言う箱根のように、隣り合う私鉄である京阪グループである琵琶湖汽船と近江鉄道グループのオーミマリンが競合関係となっている。
通称「ガチャコン」。1990年代まで吊り掛け駆動車がゴロゴロしており、吊り掛け駆動の電車と状態のよろしくない線路が合わさって「がちゃこん、がちゃこん」といった音で走ったからだと言われている。また、最近ではロングレールではない25mレールのジョイント音がそのような音であるということも言われている。
実は近畿日本鉄道より先に近鉄を名乗っていたが、現在はほとんど使われていない。「おうてつ」ではなく「きんてつ」と読む。また、近畿日本鉄道は昔は「近日」という略称を使用していた。なお、社名は創業から一度も変更しておらず、現存する鉄道会社としては同一社名を最も長く使用している事になる(明治期に創業した鉄道会社で社名を一度も変更していない会社は近江鉄道のほかには東武鉄道と島原鉄道の2社のみ)。
関西私鉄共通のSFシステムであるスルッとKANSAIには加盟していない。というよりも自動改札機が無いため、自動改札機やそれに対応した券売機の導入に多額の設備投資が必要で、そのための資金が確保できない。
1994年から赤字が続いていることから、鉄道廃止が取りだたされた事がある。仮に廃止しバス路線転換にすると沿線自治体側の負担が増えてしまう事から、沿線自治体側が鉄道施設を保有し近江鉄道側が運行のみに専念する「上下分離方式」として、全線存続させる事を2020年に決めた。
使用車両
特技は魔改造と車籍流用。戦前はそんなことは当たり前であったが、この会社、平成になっても続けていて、書類上、800系の1806号車は1898年(明治31年)製の客車の改造扱い。ちなみに明治31年は近江鉄道の開業した年なので、創業時から車籍を使いまわしていたらしい。
地方私鉄の割にやたら高い技術力を持っており、車両の整備だけでなく改造まで自力で行うほか、かつては電車を自社製造していたほどである。
ただし「コスト減のために導入したレールバスがそこまでコスト削減にならなかった上にトラブル頻発、たった10年でお払い箱」「改造したはいいが建築限界を支障したため営業運転開始を延期」「中古車を購入したはいいが変電所が耐えられないので改造工事を延期」というドジなこともしでかしている。
「魔改造」の最たる例とまで言われた空気ばね台車と吊り掛け駆動の奇跡のコラボレーション車両220形は、老朽化のため2015年3月13日をもって定期列車が運行終了。同年5月には「220形メモリアル列車」が運転され、220形の旅客営業が終了した。
(注:空気ばね台車と吊り掛け駆動、ついでに電気指令式ブレーキの組み合わせは1系や131系、500系でも採用されており、220形だけの特徴というわけではない。)
それ以外では西武鉄道の車両が大半を占めており、今後は西武2000系が譲受される予定となっている。
現役車両
2両編成
- 800系:元西武401系
- 820系:元西武401系
- 900形:元西武新101系
- 100形:元西武新101系・301系
- 300形:元西武3000系:2020年8月営業運転開始
- チ10:レール輸送用長物車、2両固定編成
単車(1両)
- 220形(現在は営業運転は終了、モハ226のみ事業用車として活躍している。)
- ED14(車籍は有しているものの、実質静態保存状態。)
- ED31(ED14と同じく車籍は有しているものの、実質静態保存状態。)
- ホキ10バラスト散布用
その他雑多な有蓋貨車が存在。
過去の車両
2両編成
単車(1両)
保有鉄道路線
路線には愛称とラインカラーが付けられている。
- 米原~多賀大社前間が「彦根・多賀大社線」ラインカラーは赤
- 高宮~八日市間が「湖東近江路線」(「おうみろせん」ではなく「おうみじせん」)ラインカラーは青
- 八日市~近江八幡間が「万葉あかね線」ラインカラーは緑
- 八日市~貴生川間が「水口・蒲生野線」ラインカラーは黄
キャラクター
がちゃこん
狐の男の子のキャラクター。
イベントなどでよく登場する。
豊郷あかね
鉄道むすめシリーズのうちの一人。
八日市駅勤務で、ビア電の乗務もするという設定。
当該記事参照。
日野せりか
鉄道むすめシリーズのうちの一人。
八日市駅勤務。
当該記事参照。
八日市ゆかり
ステーションメモリーズ!のキャラクター。
2021年2月3日、公認キャラクターに認定された。
その他
他駅との間違い
京セラドーム大阪でライブなどのイベントが行われた際、大阪に土地勘が無い人が近江鉄道に誤乗して「京セラ前駅」まで行ってしまうことがあるという(ウソのような話ではあるが、本当にいるらしい)。そのため主要駅では「京セラドーム大阪の最寄り駅は京セラ前ではありません」との注意書きが掲示されている。
実際に読売テレビの特別放送「Doしてこうなった!?」(関西ローカル番組)で本当にそのような間違いをする人がいるのかどうか確かめてみたところ、同ドームにおける嵐のイベント開催日に、1人の若い女性と1組の親子が誤って「京セラ前駅」にやってきてしまった(しかも同じ電車で)。この2組はともに関西に土地勘が無く、経路検索アプリなどで「京セラ」と入力したところ「京セラ前駅」が候補で挙がったので「京セラドーム大阪の前」にある駅だと思い込みそのまま来てしまったという。
関連項目
けいおん!:聖地、旧豊郷小学校の最寄りの路線であることから、聖地巡礼にも使われているほか、けいおんにちなんだキャンペーンも実施された。