概要
西武3000系電車は1983年に池袋線の各駅停車用として登場した界磁チョッパ制御・片側3扉の通勤型車両である。新宿線の各駅停車では整列乗車の乱れよりも乗降時間の短縮がメリットで上回るとして4扉の2000系が投入されたが、一方で池袋線の各駅停車では池袋駅での整列乗車を優先した結果3扉車の投入が継続され、8両編成×9本が製造された。ここから池袋線は一部の優等列車を除き、1990年まで101系と3000系に統一されることとなる。
主要機器は2000系、車体は新101系とほぼ同等で、西武で初めて側面方向幕を搭載した。登場時の塗装は101系と同じく標準色の西武イエローに窓周りがウォームグレーといういでたちであったが、1996年度より701系列の引退に伴って塗装省力化のため101系ともども黄色単色に変更されている。また、2004年から前面にスカートを装着するようになった。
2000系や101系などの他形式と併結することはなく8連単独での運用とされ、登場時から晩年まで各駅停車での運用を基本としていた。また、平成になってからは新造投入された2000系と入れ替わる形で一部が新宿線に転属している。晩年は2編成が中間車2両を廃車にして6連に組み替えられ、国分寺線で運用された。2014年12月に引退。3000系の引退によって、支線系統のワンマン用新101系を除いた西武鉄道の主要路線から3ドア車が消滅した。
ラッピング電車一覧
銀河鉄道999
3011編成。大泉学園駅に999の作者の松本零士先生が住んでることもあったため実現。先頭車は片側がメーテル、もう片側が車掌さん。
埼玉西武ライオンズ
新宿線所属の3015編成を使用。西武ライオンズのPR車両で、外装のみをライオンズブルーに改めていた。
富士大学
高田馬場にある富士大学のPR車両。新宿線所属の3015編成と3017編成を使用。
近江鉄道への移籍
2014年12月と2015年2月の2回に分けて、それぞれ6両ずつ(3007・3009編成)計12両が近江鉄道に譲渡されたが、譲渡後すぐの段階では高宮駅の旧貨物ヤードに放置されたままとなっていた。2020年になりようやく改造整備を開始、先頭車の運転台を中間車に移植・2両編成に組成したうえで「近江鉄道300形」として2020年より営業運転入りしている。
なお、近江鉄道では過去に譲渡された西武401系411編成が、西武で廃車後10年以上彦根車庫で放置され、13年目にようやく近江鉄道800系811編成として落成したという前歴があるので、単なる放置と見なすことはできない。