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概要編集

都心から埼玉県の所沢、川越秩父方面、都内の拝島方面を結んでいる。

基幹路線として新宿線系統各線・池袋線系統各線があり、このほかこれらとはつながりの無い多摩川線および山口線がある。


新宿線・池袋線は沿線にトキワ荘跡・虫プロ石森プロなどがあり、特に東映アニメーションが大泉にあることから日本のアニメ産業がこの辺に集中することとなった。アニメに時々黄色い電車が出てくるのはそういう理由である。

今も沿線に漫画家が多く住むなど漫画・アニメと関係の深い路線として知られ、アニメによる振興条例を展開する東京都練馬区などと合同企画で、「銀河鉄道999ラッピングトレイン(車内に松本零士のサインがある)」を走らせたり、大泉学園駅に車掌さんの像を置いたりしている。他にも、ケロロ軍曹(マナーポスター)、マクロス(記念乗車券)、ヤマノススメ(制作協力)、妖怪ウォッチ(ラッピング電車)、暗殺教室(ラッピング電車)、ラブライブ!シリーズ(ラッピング電車・スタンプラリーなど)、ドラえもん(スタンプラリー)など、多くのアニメ作品とのコラボ事業を展開している。


関東の大手私鉄では珍しく、自社路線内に新幹線との接続駅を持たない。なお、京王電鉄も同様に自社路線内に新幹線との接続駅を持たないが、中央新幹線の神奈川県駅(仮称)が開業すると、橋本駅相模原線)が同駅との接続駅になる予定。


プロ野球球団「埼玉西武ライオンズ」のオーナー企業でもあり、狭山線山口線ならびに両線の接続駅である西武球場前駅を用い、球団の本拠地、西武ドームへの輸送も担っている。グループ会社には伊豆箱根鉄道近江鉄道が存在し、こちらも親会社同様アニメとのコラボ企画に積極的である(近江鉄道はけいおん!、伊豆箱根はラブライブ)。


2023年から紙式の遅延証明書を廃止した。同様の方式は近畿日本鉄道JR西日本などで先例があったが、関東の大手私鉄での導入はこれが初めて。



路線編集

直通路線は定期列車のみ記載。

新宿線系統編集

路線記号路線名区間駅数営業キロ直通路線
SS新宿線西武新宿本川越2947.5拝島線/多摩湖線
拝島線小平拝島814.3新宿線
ST多摩湖線国分寺~多摩湖79.2新宿線/拝島線
SK国分寺線国分寺~東村山57.8
西武園線東村山~西武園22.4

池袋線系統編集

路線記号路線名区間駅数営業キロ直通路線
SI池袋線池袋吾野3157.8西武有楽町線/狭山線/西武秩父線・秩父鉄道東京メトロ有楽町線/副都心線東急東横線横浜高速鉄道みなとみらい線
西武有楽町線練馬小竹向原32.6池袋線/狭山線/西武秩父線・東京メトロ有楽町線/副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線
豊島線練馬~豊島園21.0池袋線
狭山線西所沢西武球場前34.2池袋線・東京メトロ有楽町線/副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線
西武秩父線吾野~西武秩父619.0池袋線・秩父鉄道・東京メトロ副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線

※西武秩父線と西武有楽町線は社名の「西武」を入れた名称が正式な路線名。直通先の秩父鉄道線や東京メトロ有楽町線との差別化を図るためのものである。


その他編集

路線記号路線名区間駅数営業キロ
SW多摩川線是政武蔵境68.0
SY山口線多摩湖~西武球場前32.8

廃止路線・譲渡路線編集

  • 大宮線(川越久保町~大宮):並行して川越線が開通したため1940年に休止、翌年廃止。
  • 安比奈線(南大塚~安比奈):貨物路線。1963年に休止された後も安比奈車両基地新設計画のため長らく路線が存続していたが、需要予測の下方修正や南入曽車両基地の拡張などにより計画破棄となり2017年廃止。
  • 新宿軌道線(新宿駅前~荻窪):「西武」の名称と旧社章の発祥。1935年以降運行が外部委託されるようになり、1951年に東京都交通局に譲渡され都電杉並線(14系統)となる。並行して営団荻窪線(現:東京メトロ丸ノ内線)が開通した影響により1963年廃止。
  • 水根貨物線(氷川~水根):貨物路線。奥多摩湖(小河内ダム)の観光開発を目的として、その建設用物資運搬路線であった東京都水道局小河内線(1957年休止)を1963年に授受。国鉄青梅線を介して拝島線と直通させる計画を立てるも頓挫、一度も列車を運行させないまま1967年に奥多摩工業へ譲渡された。

この他、上記の山口線もナローゲージの「おとぎ電車」から新交通への転換を機に、書類上は1984年にいったん廃止した上で再度路線免許を取得の上再開業するという形が取られている。


車両編集

車両増備や輸送力増強を前提とした「質より量」の車両増備を続け、20m車の導入は1957年、10両編成の運行開始は1963年と非常に早かった。その一方、他社が空気ばね台車を採用していた1960年代以降もイコライザー付き台車を流用した新車を登場させるなど、見た目と機器類のアンバランスさが特徴のひとつでもあった。

20m車導入後も長らく乗降扉は片側3ドアという独自の構造を採用していたことでも知られる。


支線を多数保有していることから、関東の大手私鉄では珍しく21世紀以降も2両編成の増備が進められた。これらは主に8両編成の併結用として使用される。

20000系以降の通勤車両は5桁に統一され、30000系以降は千の位が両数表記にされた。

6000系以降の通勤車は、百の位が号車番号となっている。


表で例えると


形式両数号車編成番号編成番号

となっている。

東武との違いは百と千の位が反対になっている事である。


現有車両編集

特急車両


通勤車両


サステナ車両編集


過去車両編集


特徴編集

首都圏直通路線でも近郊電車型の停車パターン(千鳥配置型停車パターン)を採用する、専門車両メーカー並みの規模の車両工場(西武所沢車両工場 - 現在は廃止)を自前でもち、多数の鉄道車両を製作していたなど、大手私鉄の中ではやや特異な経営戦略をとっていた。

多数の貨物列車を運行しており、私鉄で唯一国鉄標準機と同等出力(2550kw)の大型電気機関車を保有していたことでも有名。創業家による直接経営が終焉してからはこのような特徴は薄れつつあるものの、今でもその特異性を垣間見る機会は多い。


創業家一族から最後に逮捕者の出る火遊び(土地取引による本業外収益やセゾングループ)があまりに有名だったことや、他社線直通に古い車両を使ったり、西武新宿駅移転を諦めたり、新型車がニセモノ(いわゆる機器流用。後述)だったりしたことなどから、沿線住民以外や鉄オタからは「鉄道業に熱心ではない会社」と位置づけられがちであるが、実はダイヤと運行姿勢の変態。特に登場時1067mm軌間では最強の怪力を誇った101系の導入から快進撃が始まる。


  • もともと軽便鉄道で線形がよくないにもかかわらず大出力主電動機に物を言わせて105km/hでぶっ飛ばす
  • 西武新宿駅のアクロバット運用。ターミナルのホーム・配線が2面3線という状況で、発列車本数最大40本/h「常時逝っとけダイヤ(レッドアロー以外の列車はまず到着と同じ種別で出て行かない、しかも3扉4扉お構いなし)とも。
  • 中央快速線との競合は、以前は勝負をほとんど投げていたがJRがあんまりに不甲斐ないので拝島線直通増発傾向に転じる。ちなみに拝島線の一部は未だに単線であるが、拝島からの所要時間は中央快速線で山手線乗り換え駅より西武新宿線・拝島線直通急行で東京メトロ東西線の方が速い。
  • 田無駅チキンレース。西武新宿駅行の急行が乗り継ぎの各停到着からどれだけドア開時間を稼げるかが乗務員の腕の見せ所。
  • 以前は、都立高校が「交通事情による休校」を決める際の基準として「西武が動いているか」が判断材料として使われていたという。
  • 機器流用車両の存在。101系の走行機器類は4000系9000系へ流用(9000系はのちにVVVF改造)。101系と共に先代レッドアロー5000系の走行機器類も当代レッドアロー10000系(最終編成を除く)へ流用されている。
    • 101系と5000系は京急1000形と並ぶような走るオーパーツであったのと同時に、機器流用車両の新造は老朽化した5000系、改造に手間がかかる101系試作冷房車、扱いが厄介だった501系(3代目)、踏切事故の影響でモハ1両を抜き取られた101系125号車など様々な事情で廃車になった車両の活用にもなった。
    • 101系以前の赤い電車(従来車)では私鉄初の10両運転など輸送力増強のために戦前の旧型国電の部品だろうと使える物は何でも使っていた。初のカルダン駆動車である601系と701系は動力こそ国鉄の最新型相当の主電動機と台車を採用したものの、先頭車の台車やブレーキ装置、コンプレッサーなどは廃車から使い回し、以前の釣り掛け駆動の車両と連結して活躍していた。
  • 6000系20000系、と鋼製車時代の“黄色い電車”のイメージを払拭しようとしているように見せかけながら、パスネットなどのシンボルマークは相変わらず黄色い電車。そして30000系では部分的ながら黄色が復活。
  • 2022年度事業計画等で、残存する抵抗制御車や塗装鋼製車体車両を最終的に置き換える方針を発表。本線系統に新造車両を導入しながら支線区に他社から無塗装車体の車両「サステナ車両」を譲受すると発表しており、どの会社の車両が導入されるかファンの間で話題になっていた。
    • そして翌年、東急9000系小田急8000形の導入を発表した。…小田急8000形は鋼製車だったりするのだが。首都圏の廃車が近い車種で「20m級4扉・ステンレスorアルミ車体・VVVF制御車」という西武側の要望を満たすものがほぼなく、塗装コスト削減より抵抗制御車の淘汰を優先した結果と思われる。

創業家・堤一族編集

西武グループの創設者が、滋賀県出身の実業家堤康次郎である。康次郎は地元・滋賀県での近江鉄道の経営や、伊豆・箱根・軽井沢の開発なども行った。また政界にも進出しており、戦前・戦後を通し長きに渡って衆議院議員を務め、戦後には短い間ながら衆議院議長も務めている。会社では顧客を大事にした他、社員も大切にして徹底的に仕事を任せており、部下からは「自分たちの全てを安心して任せられる指揮官」として『大将』と呼ばれていた。

一方でその経営手法は強引そのものと言われ、毀誉褒貶も激しい人物である。これはあくまで噂であることに留意する必要があるが、関東大震災が起きた際、康次郎は一家が全滅した焼跡に「堤康次郎所有地」と書いた棒杭を立て、訴えが無ければそのまま焼跡を自分の土地にし、あれば法廷に持ち込んでお抱えの弁護士で「所有権を証明する物的証拠を出せ」と争ったという逸話がある。とにかく、その手法たるや「とてもまともな実業家の姿といえないことは確か」とまで言われたほどだった。

更に康次郎の特徴として有名なのは稀代の女好きであったところだろう。正妻とされた人物だけでも4人おり、婚姻関係を結んでいない愛人の類は何十人もいたという。中には姉妹全てが康次郎の愛人となった例もあるとか、部下の妻だとか、倒産して買収した企業の社長の娘とか、果ては華族の娘まで枚挙に暇がない始末であった。実際息子たちの母親がそれぞれ違うという有様で、後継者・義明の子もまた愛人であったとされている。

どこのエロゲの登場人物かと今なら評されてしまうほどで、死後、康次郎の側近だった人物は「自分も興味があって西武についての本を読んでいるが、どれも正確なことは書いていない。特に大将の女関係は分かっていない。うちの大将は稀代の英雄だったが、反面業のかたまりのような人だった」と言わしめるほどだった。なお、康次郎の葬式には康次郎そっくりの子どもの手を引いた女性が行列を作ったという。

なお、鉄道会社が主要駅や沿線で商業施設や娯楽施設を経営し、沿線を宅地として開発していくビジネスモデルは、近畿地方で阪急電鉄小林一三が始めた手法を取り入れたもので、東武鉄道などでも展開される。


さて、康次郎の長男(であったとされる)清は、その妻と康次郎が関係を持ったことに激怒した結果父と袂を分かち、次男である清二はセゾングループを継承、西武鉄道は三男の堤義明が継承した。

バブル期には義明の総資産は実に3兆円にも上り、当時世界一の資産家と言われた。そして義明はヘリコプターで西武沿線や会社を回った。ヘリから見れるように、当時の西武バスは屋根上に車両番号を表示していたとか(異説あり。長崎バスジャック事件が発生した際、同様の事件が起こった際に警察ヘリがバスを判別できるように入れたとも)。

西武グループの開発した墓地には国王の霊廟かと言わんばかりの父・康次郎の巨大な墓地を建造し、グループの社員に交代で24時間勤務の守をさせたとされる。もはや単なるワンマン経営者の域を超え、どこかの国家の独裁者のような驚愕のエピソードを有した。

グループの保有するライオンズでも絶対的オーナーとして君臨し、チームのオーダーにまで口を出したという。一方でスター選手とされていた選手にはダダ甘だったらしく、特に清原和博あたりが数多くの遊びを覚えた。

その結果いしいひさいち漫画でいじくり倒される事もあったが、対をなすセ・リーグチームオーナーの様に大人気なく抗議したことはなかった。

清原への過剰な甘やかしは後に彼の人生を破滅へと追いやることになるのだが…皮肉にも彼自身も不正取引などが原因で逮捕され、絶対王政ともいえるべき状態から一気に転落した。


義明の逮捕により西武グループは崩壊の危機を迎え、上場廃止などの苦難の道を経て、外資系ファンドの力添えでようやく再上場を果たした。この過程で西武百貨店やセゾングループとの縁は完全に切れてしまい、今や同じ沿線で商売を行うだけ程度の仲になっている。LOFTも、ファミリーマートも、無印良品も、J-WAVEも(ついでにJ-POPも?)西武王国の夢の跡なのだ。


しかし、創業家という絶対的安定株主を失ったことで今度は外資系特有のサバサバしすぎた経営方針に振り回されるハメになる。特にライオンズの売却や沿線内観光の要たる秩父線をはじめとした幾つかの路線の廃止などの提言がなされたというニュースは、世間に衝撃を与えた。


車内広告編集

沿線の自社のレジャー広告の他に漫画の影響で漫画関連の広告がある。

週刊誌は週刊現代の割合が高い他、講談社や沿線近辺に本社のあるKADOKAWAグループの割合が高め。


鉄道むすめ編集

トミーテックが展開する鉄道むすめでは、3人がこれまで鉄道むすめキャラクターとして登場している。ただし、神井みしゃのみ、西武鉄道の社員ではない。

井草しいな 神井みしゃ川越いぶき
車掌。ただし、池袋線・新宿線どちらかは明示されていない。特急アテンダント。初登場当時はTOMONY勤務かつ高校生だった。工務部建設事務所所属。東武鉄道東上線車掌・川越あさか妹。
井草しいなさん神井みしゃ川越いぶき


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外部リンク編集

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