概要
西武鉄道の路線で池袋線などと違い、西武を入れた「西武有楽町線」が正式名称(西武秩父線と同様)。西武池袋線の練馬駅と東京メトロ有楽町・副都心線の小竹向原駅とを結ぶ。池袋線の列車は所沢方面から当線を経由して池袋、新木場、渋谷、横浜方面へ乗り入れている。なお、西武では唯一の全線複線で、地下区間と地下駅のある路線である。
もともとは東京メトロ(当時は営団地下鉄)有楽町線の分岐線として計画され、護国寺駅で有楽町本線より分岐し、西武池袋線中村橋駅とを結ぶ路線を予定していたが、小竹向原駅からの分岐に変更され、かつその運営事業者も西武鉄道となり、西武有楽町線を名乗ることになった。
1983年に小竹向原と新桜台間が開業。このときは他の西武鉄道のどの路線ともつながっておらず、ほぼ営団有楽町線の支線的扱いの路線で、列車本数、乗客数ともに今とは段違いに少なく、使用車両も営団車両での運行で、当時の終点の新桜台駅も営団仕様に近い駅となっていた。
これは当初練馬までの開業予定が工事が長期化したため、先行で開業させたものであった。現在で言えば千代田線の北綾瀬支線みたいな存在であったが、あくまで西武鉄道の路線であったため運賃も小竹向原で区切られているのがネック。これが北綾瀬駅のように他に鉄道路線がなければ需要もあっただろうが、地図を見て分かる通り、西武池袋線と営団有楽町線に挟まれ、それらの駅が徒歩圏内に複数存在しており、新桜台から池袋に出る場合はそれら両線を利用した方が運賃も安くついた。
1994年にようやく練馬まで延伸し、開業12年目にして初めて西武車両が入線するが当時は練馬駅が工事中で、西武・営団ともに練馬までの乗り入れだった。本格的に池袋線と乗り入れるようになったのは1998年のことになる。2008年には副都心線が開通、直通運転が始まり、2013年に同線を介して東急東横線やみなとみらい線の車両が乗り入れるようになった。
ちなみに直通相手の西武池袋線や東京メトロ有楽町線などで人身事故等の輸送障害が発生すると、本路線は全線で運休する。ダイヤ乱れ回復のために路線の一部を運休させる例はあるが、全区間が運休するのは全国的に見ても稀である。
運行形態
池袋線系統のうち直通で使用される車両は10両・8両問わず全て使用されている。
全列車が直通列車であり、練馬から小竹向原間で完結する列車は存在しない。池袋線には全ての列車が、地下鉄線には平日朝に1本だけ存在する池袋線からの小竹向原行きを除いて全列車が直通する。
種別
S-TRAIN
停車駅:練馬(平日下りのみ)
地下鉄直通の座席指定列車。
練馬に停車するのは平日の下り列車のみであり、平日上りと土休日の列車は通過扱い。また、小竹向原にはいずれの列車も乗務員交代のため運転停車するが、こちらも運行上は通過扱いであり客扱いは行わない。
(Fライナー)快速急行
停車駅:小竹向原、練馬
料金不要での池袋線系統最速達種別。
運行開始時点では西武有楽町線内は各駅停車だったが、2020年のダイヤ改正より新桜台を通過している。
上り列車は小竹向原で地下鉄線の種別に変更される。快速急行は一部を除き副都心線直通がほとんど。
快速・準急・各停
停車駅:各駅
いずれも西武有楽町線内は各駅に停車する。
快速と準急については池袋線内はそれぞれ通過運転を行う他、快速急行同様上り列車は小竹向原で種別変更される。
停車駅一覧
◎:停車、レ:通過、※:通過(乗務員交代のための運転停車)、▽:平日の下り列車が停車(降車のみ取り扱い)
駅番号 | 駅名 | 快速急行 | S-TRAIN | 乗り換え路線など |
---|---|---|---|---|
↑東京メトロ有楽町線新木場方面、副都心線元町・中華街(東急・横浜高速)方面へ直通 | ||||
SI37 | 小竹向原 | ◎ | ※ | 東京メトロ有楽町線・副都心線(重複区間)和光市・東武東上線方面 |
SI38 | 新桜台 | レ | レ | |
SI06 | 練馬 | ◎ | ▽ | 池袋線池袋方面、豊島線、都営大江戸線 |
↓西武池袋線飯能方面へ直通(夏期を中心に一部が狭山線西武球場前まで、S-TRAINの一部は西武秩父線西武秩父まで直通) |
使用車両
現行車両
過去の車両
有楽町線、並びに西武有楽町線初代車両。小竹向原~新桜台間部分開業時から使用されていた。2022年4月までに全車がメトロ線内から引退、本路線からも撤退した。
関連タグ
西武鉄道 西武池袋線 西武狭山線 西武秩父線
Fライナー S-TRAIN
東京地下鉄 東京メトロ 東京メトロ有楽町線 副都心線
東急電鉄 東急東横線
横浜高速鉄道 みなとみらい線