車両概説
1993年3月のダイヤ改正による有楽町線の輸送力増強に伴い、第1次車10両編成2本が川崎重工業で製造・落成した。翌年12月、西武有楽町線との直通運転開始、小竹向原~新線池袋間開通による車両運用数増加に伴い、第2次車10両編成4本が日本車輌で製造・落成した。
登場から長らく有楽町線と相互直通運転を行う各線で7000系や乗り入れ各社の車両とともに運用されたが、副都心線開業に伴うホームドア設置により、ドアピッチが異なる07系は全6編成が東西線へ転属した。これは05系の一部編成と車両規格が一致していたことや、同線に残る老朽化した5000系の置き換えが予定されていたことなどから、東西線への転属が実現した。後に東西線にもホームドアが設置されるが、幅の広いタイプを設置している。また、東西線のカラーリングを纏った状態で、予備車として第1編成が千代田線での営業運転を行った。前述の転属を前提とした短期間のみの走行であったため、小田急線への乗り入れ対応は行われず、JR東日本常磐線(常磐緩行線)への乗り入れのみを行った。
千代田線06系との違い
ほぼ同時期に製造された、同社の千代田線06系と共通設計となっているが、カラーリングや保安装置などを除き、以下の点が異なる。
VVVF制御装置の違い
千代田線06系は日比谷線03系・東西線05系と同じ制御装置が使用されているが、07系は南北線9000系と同じものになっている。なお、1次車(三菱)と2次車(日立)ではメーカーが異なる。
運転台のモニター装置のソフトの違い
06系、07系ともに日立製ATI(メトロ車両の大多数を占める三菱製のものに対し、こちらは日立製と装置自体が異なる物であったが、公式では「TIS」と表記されていた。特に、東武鉄道の車両においてATIは採用例が多い)を使用している。有楽町線時代の07系は、千代田線06系と同様の画面構成とされており、主に力行や制動など運転に関する指令の電送や、床下機器をモニタリングする装置として使用されていたが、東西線に転属した編成は、行先・放送・空調などの設定や、在来車種と同様に種別表示などが行われるようになり、三菱製TISと折衷したような画面に更新された。自動放送装置は登場時は別に設定機があり、自動放送のみこちらから操作していたが、東西線移籍の際にモニターから操作するようになっている。設定機自体は残っているので実質ハリボテ。
運転台のランプ増設
07系では06系の発報信号のスイッチがある箇所にランプ類のユニットがある。内容は有楽町線時代は西武のATS類の表示、現在は路線名(「地下鉄」「JR」「東葉」)を表示。
乗務員室扉側の運転台仕切り窓の遮光幕の有無
登場時は06系も含め無かったが、のちに東武側の要望で設置された。現在では主に東葉高速線内で使用。信号を見やすくするためだとか。
東西線転属後
現在は05系及び15000系と共通運用で東西線及び直通各線を走行している。2014年まで存在した東葉快速でも使用されていた。移籍時に05系第19~24編成に合わせた改造を施したので、東葉高速線・JR線内では自動放送も車内LED表示器も対応しない。また、前面と側面のLED表示器は西船橋で種別が変わる(上述の東葉快速を除く)が、東陽町での種別の変更(05系第25編成以降と15000系は上述の西船橋も含め、種別が自動で変わるようになっている。東陽町では、すべての種別が各駅停車に変更される)は行わない。
改修工事
2018年から2022年までに改修工事を実施。行先表示器のフルカラーLED化、ドア上部の案内表示器の液晶モニタ(LCD)化、前照灯LED化、フリースペースの設置、座席袖仕切りの変更などが行われた。また、VVVF装置は16000系4次車と同じ機器に更新された。
なお、2021年に更新された第2編成からスカート形状の変更及びデジタル無線使用開始に伴いアンテナ形状の変更も行われている。(のちに修繕された第1編成はもちろん、先にB修を済ませていた第3・4編成でも施行。)
運用路線
現在の運用路線
過去の運用路線
- 有楽町線:和光市〜新木場
- 有楽町新線:小竹向原〜新線池袋
- 西武有楽町線:練馬〜小竹向原
- 西武池袋線:練馬〜飯能
- 西武狭山線:西所沢〜西武球場前
- 臨時列車のみ。
- 東武東上線:和光市〜森林公園
- 川越市〜森林公園間は定期運用はなく、試運転及びダイヤ乱れや代走時のみ走行。
- 千代田線:綾瀬〜代々木上原
- JR東日本常磐緩行線:綾瀬〜取手