7000系
ななせんけい
東京急行電鉄(東急)が1962年から1991年まで運用していた通勤形電車。日本で初めて車体・台枠等をすべてステンレスで製造したオールステンレス車両である。製造両数は134両。1987年から一部(56両)がVVVFインバータ制御化等の改造を受け7700系として東急線で2018年まで活躍したほか、地方の中小私鉄にも譲渡された車両がある。東急の方針により2000年まで約40年近く、地方譲渡車とVVVF車を合わせて元の7000系となる車両は全て現役であった。(分かり易く言うと田園都市線の沿線風景が本当に田園であった頃から活躍していた)
なお、弘南鉄道、福島交通移籍車は『7000系』を名乗る。水間鉄道移籍車も『7000系』を名乗っていたが、リニューアルにより『1000形』に改番された(7003Fを除く)。
1990年に東急初代7000系を譲り受けた北陸鉄道石川線用の車両で、足回りは国鉄・西武・南海・営団のそれぞれの廃車発生品を一部購入して使用。7000形、7100形、7200形の3種類に分類され、2連5本が在籍。ただし7000形は非冷房車のため夏場はあまり使われない。
相模鉄道(相鉄)が1975年から運用していた通勤形電車。1986年以降の増備車では設計が変更され、「新7000系」と呼ばれる。一部編成は制御方式もGTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御に変更されており、50番台となった。
合計140両が製造された。その後の経年劣化や後継車両の登場もあり7000系は2019年10月を以て、定期運用から離脱し引退した。
新7000系も抵抗制御車は2020年1月に全廃、VVVF車の50番台も2020年11月に退いている。
なお上記の7000系のうち、4両は解体されずに検測・事業用車(700系)に改造され現在も使用されている。
名古屋鉄道(名鉄)が1961年から2009年まで運用していた特急形電車。先頭部に乗客用座席を置く展望室を設けたことが特徴で、「パノラマカー」の愛称で親しまれた。製造両数は116両。1962年の第5回鉄道友の会ブルーリボン賞受賞車。後継の「パノラマSuper」が登場するまで、長らく名鉄を代表するシンボル的な車両として扱われていた。またその形状から、小田急のロマンスカーと共に、子供向けの電車図鑑の常連であったことでも知られる。営業運転開始直後にダンプカーと衝突し、ダンプカーを大破させたことから「ダンプキラー」の異名も持っていた。
近畿日本鉄道(近鉄)が1986年に東大阪線(現けいはんな線)用に投入し現在まで運用している通勤形電車。54両が製造された。1987年に鉄道友の会ローレル賞を受賞している。近鉄で唯一の第3軌条集電方式の電車でもある。学研奈良登美ヶ丘延伸開業と前後してリニューアル工事を行い、現在は同線の7020系とは内装やVVVF装置でしか見分けがつかない。
京阪電気鉄道(京阪)が1989年から運用している通勤形電車。鴨東線開業時の増備用として7両編成4本が製造された。
京阪初の量産型VVVF制御車両でもある。車体は6000系に準じているが若干異なる。
第4編成のうち3両はVVVF試作車の意味合いを兼ねて、ひとまず「6000系」として製造され、その後7000系へ編入となった経緯がある。
南海電気鉄道(南海)が1963年から運用していた通勤形電車。90両が製造された。『塩害魔王』。南海本線において運用されており同線の主力車両のひとつであったが、老朽化のため2000年代後半より新型車両による置換が始まり、2015年に全車両が引退した。なお最後まで残った編成には旧塗装である緑のツートンカラーの塗装が施されていた。一方で高野線で運用されている、兄弟ともいえるステンレス車の6000系は2019年まで全車が現役だったほか、譲渡車まで発生している。
(上から順に元の編成、アイボリー屋根、アルミ車、気合を入れ過ぎたリニューアル、少し気合を抑えたリニューアル、一覧には無いがVVVFリニューアル車も存在)
阪急電鉄(阪急)が1980年から神戸線・宝塚線系統で運用している通勤形電車。特急から普通電車まで広く運用されている。6000系とほぼ同一仕様の車両で、違いは制御方式が回生ブレーキ付き界磁チョッパ制御になったことである。1系列としては阪急史上で最多車両数(210両)を誇る。実は当初は鋼製車両で登場し、途中からアルミ製車両に変更されているが、同一塗装なので外見からはまず見分けはつかない。なお、京都線系統には基礎設計を同じくする7300系が投入されている。また4両が能勢電鉄へ譲受され能勢電鉄7200系となった。
泉北高速鉄道(旧名:大阪府都市開発)が1996年から運用している通勤形電車。26両が製造された。従来車両より丸みを帯びたデザインになり、また車体幅が広げられている。乗り入れ先の南海も含め、初のIGBT素子によるVVVFインバータ制御車。26両在籍。2007年以降は改良型の7020系18両が投入されている。7020系との連結は可能だが、貫通路のサイズが異なるためアダプタが必要。
IGRいわて銀河鉄道が2002年の開業(東北本線の並行在来線区間の経営分離)時から運用している通勤形電車。ワンマン運転に対応している。2両編成7本(14両)が在籍。同社で新製した車両と設計ベースを同じくするJR東日本701系を譲受した車両がある。内装は新製車がセミクロスシート、JRからの譲受車がロングシートとなっている。
第1~4編成は2002年の経営移管の際にJR東日本から譲渡されたグループであり青森車両センターに所属していた701系1000番台のうち1038~1041までの4本が選ばれた。いずれも1996年に盛岡以北に残存していた50系置き換え用に製造された後期車である。外装は経営移管後の2003年に変更されたが内装はJR所属時代から変更されず、座席モケットは現在の盛岡所属701系と同様のパープル色、トイレは車椅子非対応の洋式であるなど、おおむね盛岡車両センター所属の701系の使用に準じている。
第5~7編成は同社で新造したグループであり、構造は客室内運転席背後の窓がはめ殺しの大型固定窓、トイレが車椅子対応の洋式、半自動ドアボタンが大型となっているなど701系1500番台をベースとしている。座席は種者と異なり千鳥配置のクロスシートとなり、座席配置は1500番台よりも田沢湖線用の5000番台に近いものになっている。
車両の構造は異なるものの運用上は両車とも何ら区別されることはなく、IGRいわて銀河鉄道全線と青い森鉄道目時~八戸間、平日朝の1往復のみの東北本線盛岡~北上間で共通運用が組まれている。
四国旅客鉄道(JR四国)が1990年から運用している近郊形電車。JR世代のの近郊形車両として初めてVVVF 制御を採用した。36両が在籍。両運転台式でワンマン運転に対応し、予讃線の電化区間のローカル列車に運用されている。3ドア車で両端は片開き、中央は両開きである。モーター車の7000形は両運転台構造、トレーラー車の7100形は片運転台構造で、編成の組成自由度が高い。7100形はを6000系、7200系と連結可能だが、6000系と連結すると「1M3T」(モーター車が4両中1両)となってしまう。また単行運転時に車内の乗客収容力を上げるため、車体長が一般的な在来線車両の全長(20m)よりも僅かに長い(20.8m)、クロスとロングを組み合わせた独自のシート配置を施し座席定員を増やすなど工夫がこらされている。
7100形はほかの車両に増結する場合、運転台のない側を相手の運転台側に連結するため、主に鉄道愛好家から変態連結と呼ばれる。
智頭急行が1994年の開業時から特急「スーパーはくと」に運用している振り子式特急形気動車。最高運転速度130km/hを誇る高速気動車であり、それまでの高速バス、更には航空機から利用客を奪還した実績を持つ。
ゆりかもめ(旧名:東京臨海新交通)が臨海線向けに製造したAGT(Automated Guideway Transit。新交通システムとも)車両。7000系は6両編成18本を製造。1999年以降は制御装置をVVVFインバータに変更した7200系に移行。なお、7200系を含めて広義の7000系とすることも。7000系は後継車7300系に置き換えられて2016年に全廃された。当初はクロスシート配置であったが利用客の増加に伴い増備車はセミクロスシート化されていた。
北神急行電鉄が保有していた唯一の車両。1987年の北神線の開業に先行して、神戸市交通局2000形に準じた車両として30両が製造された。前照灯など一部が2000形と異なっている他、制御方式もデビュー当初からVVVF制御である。2016年から2018年にかけてVVVFインバータ装置の更新(7000-A系化)や行先表示機のフルカラーLED化が行われた。
2020年6月に神戸市が北神急行の鉄道事業を譲受した事に伴い、神戸市交通局(神戸市営地下鉄)の保有となったが、ホームドア導入に合わせて西神・山手線、北神線の車両を全て6000形に総取り換え。2023年までに7000系は全編成が退いた。
秩父鉄道が1000系の置き換え用として新たに東急8500系電車を譲受。3両編成2本のみで、7002編成の先頭車は中間車から改造されたもの。東急側の事情もあり以降の増備はもと東急8090系の7500系と7800系へと移行された。
一畑電鉄時代を含めるとデハニ50形以来86年振りとなる一畑電車の新造車。2ドアの両運転台車で、JR四国7000系の車体とJR西日本225系の走行機器をベースに、近畿車輛が車体と台車の製造を、JR西日本グループの後藤工業が艤装以降を担当。4両製造。
座席配置の内装や車体長等の特徴も上記のJR四国7000系のそれを引き継いでいる。
伊豆箱根鉄道駿豆線の一部座席指定快速用として1991年登場。3両編成2本が在籍。211系や213系をベースとした軽量ステンレス製で、オールクロスシート。中間車のみ2ドアで製造されている。
当初計画されていたJR東海への乗り入れを視野に入れた設計であり、地方私鉄の車両としては珍しく最高速度120km/h走行が可能な性能となっている。
製造は東急車輛製造が担当したが、実際は委託製造という形で新潟鐵工所(後の新潟トランシス)が製造している。気動車が主力製品である同社が近郊型電車を製造するのは非常に珍しく、他には北越急行と上信電鉄しか納入例がない(但し製造銘板は東急車輌として付いている)。
広島高速交通が2019年から導入を開始した1号線向けの新交通システム用車両。既存の6000系および1000系を置き換えるために導入を開始した。三菱重工エンジニアリングが製造を担当しアルミ車体に東洋電機製のIGBT-VVVFを備える。近年の社会情勢に際して、全車両に車椅子に加えベビーカーにも対応したフリースペースや安全対策の為の監視カメラが設置されている。
2020年に営業開始し、2025年3月末までに全24編成を投入。既存車をすべて置き換える予定である。
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