概要
【補足】前面に脱出用の「非常扉」を設置している車種は、特に記載なき限り便宜上「前面非貫通と同じ」とみなす。
- 先頭車の運転台側に中間車か別車両の運転台のない側が向き合って連結される
- (日常的に行わない路線において)前面に貫通路のある先頭車の運転台側に貫通路がない(または非常口を備えた)先頭車の運転台側が向き合って連結される
…という、編成美を無視した不自然な連結方法。もしくはその連結部分を指す。
旅客列車に用いられることが多い。貨物列車、客車列車の場合、大抵は機関車と貨車(客車)の連結面は変態連結とは呼ばない。乗務員室(運転台)の分、客室(貨物室)の空間が圧迫されるため、輸送効率の面でデメリットがある。
片方の車両に貫通路(乗客や乗務員が安全に通れるようにする幌付きの通路)がない前面非貫通形や、連結しあう車両同士で互換性がない貫通路・貫通扉の場合、反対側の車両の貫通扉を閉鎖する措置が取られる。乗客や荷物が連結面に落下して列車事故を起こすのを防ぐため。
国鉄・JR各社においては1両単位での柔軟な組成が可能な気動車に良く見られ、この場合は車両の定期検査の際も1両単位で行われていた。が、近年では気動車であっても固定編成もしくは両運転台車として新造されるケースが増え、「変態連結」は減少傾向にある。
変わった事例として、381系を使用したJR西日本の電車特急「くろしお」「やくも」が存在する。この列車は3両の付属編成の中間車側を、基本編成の先頭車(非貫通)に増結するという、定期運用の列車でも風変わりな形態を常用している。なお「くろしお」は2015年11月から使用車両が289系(683系の改造車)に置き換えられ、「変態連結」は解消された。
阪急電鉄の3300系や、南海電気鉄道の6300系、京阪電気鉄道の2600系のように、「変態連結」により編成中間に挟まれた先頭車の運転台を撤去し、元の車体を留めながら中間車に変更された事例も存在する(運転台撤去車 - Wikipedia)。
電車・気動車において車掌の乗務位置を柔軟にする目的で行われる事例もある。たとえば身延線の115系や一般型気動車では、無人駅の多い線区において不正乗車防止の為に実施している車内での改札や集札業務をより確実に遂行することを目的として、任意の乗務員室からドア扱いが行えるよう鍵差し込み式の車掌スイッチを設備し、駅の出口最寄りの乗務員室あるいは改札中の車両の乗務員室からドア扱いを実施、集札や車内改札に取り組む事ができるようになっている。
営業運転以外では始発の鉄道施設から目的地まで本線を回送する列車のほか、操車場や車両基地および工場の構内で、車両の入換、検査や改造などを行う都合で「変態連結」が生じることがある。例えば廃車回送され解体を待つ廃車体は解体スケジュールに合わせて繋げたほうが合理的である。博物館などに展示する車両の回送する場合、単純に言えば1つの列車にできるだけ多くの車両を繋げて一度に輸送するほうがコストを圧縮できるため、変態連結を通り越して全く異なる車種が混在することも多い。
pixivへ投稿されたイラストの作例
「変態連結」タグを付けた作品は2023年4月24日時点で15枚あり、JR東海やJR四国の特急型気動車が大半を占めている。国鉄型気動車の例もある。
電車にも変態連結事例はあるがイラストとしては殆どない。最近まで名古屋市交通局3000形が存在したが廃車が進んだ今は描かれる可能性も低いだろう。
関連タグ
変態連結が登場する作品
電車でGOシリーズ:現実世界のダイヤグラムを再現しているため、道中に変態連結している列車もしっかり登場する。
A列車で行こう8:719系を奇数両編成にすると変態連結になる。
A列車で行こう9:2~4両編成の7000系や奇数両のキハ58系、3両編成のキハ185系など、一部の列車の「変態連結」が再現されている。