スペック・諸元
営業最高速度 | 110km/h |
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設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 2.5km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用最大)・4.5km/h/s(非常) |
全長 | 18,700mm |
全幅 | 2,720mm |
全高 | 4,185mm |
車体材質 | 普通鋼 |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
主電動機 | 直流複巻電動機(出力155kw) |
駆動装置 | 中空軸たわみ板継手平行カルダン駆動 |
歯車比 | 79:14=5.64 |
制御装置 | 界磁位相制御方式 |
制動方式 | 回生ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ |
保安装置 | 京阪形ATS、K-ATS |
製造メーカー | 京阪電気鉄道寝屋川車両工場(0番台)・川崎重工業(30番台) |
概要
1978年(昭和53年)に登場した京阪電気鉄道の通勤形電車。
…の2種類が存在する。
1959年に登場したスーパーカーの愛称で親しまれた京阪2000系が、冷房化や架線電圧の直流600V→1500V昇圧化への対応が困難であったため、1983年の昇圧に向けて再利用可能な部品のみを整備。車体・台車・一部機器を流用しながら、複電圧仕様の回生ブレーキ付き制御装置への換装、冷房化など改造を施して、2600系0番台として全103両が落成した。代替新造は京阪電鉄寝屋川車両工場で実施された。
また、非冷房車・1800系の代替として、基本的に0番台と同一の設計ながら車体や台車も含めて新規に造られた30番台が、1980年から1981年にかけて川崎重工で28両が製造された。
0番台は書類上は「新造」ではあるが、実質的には2000系の昇圧対応/冷房改造車とも言える車両である。種車となった2000系がもとから様々なタイプの台車を採用し、2600系でもその台車の多くがそのまま流用されたことから、車体の形状の違い(※「余談」を参照)を含めて「同一形態の車両がほぼ皆無」というくらいバラエティに富んでいた。また、老朽化した台車を別の廃車発生品の台車に振り替えることも行われていた。最終的には30番代を含めて17種類の台車が2600系には使用されている。ある意味「台車の京阪」を象徴するような形式である。
編成
0番台
(※改造完了時点での組成)
組成 | 形式 | 編成数 | 備考 |
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2両固定編成 | Mc2600-Tc2800 | 4列車(2625〜28編成) | |
3両固定編成 | Mc2600-M2700-Tc2800 | 5列車(2601〜04、29編成) | 2629編成は2200系併結用(※「余談」を参照) |
分割不可の4両固定編成 | Mc2600-T2900-M2700-Tc2800 | 6列車(2605〜10編成) | |
2両ユニット×2の4両固定編成 | Mc2600-T2900+M2700-Tc2800 | 14列車(2611〜24編成) |
30番台
2631〜34編成が、Mc2600-T2900-M2700-T2900+M2700-M2700-Tc2800の7両固定編成で組成された。4両+3両のユニットに分割可能。
運用
- 原則、京阪特急を除く普通〜快速急行全ての運用に充当。
- 支線向けの短い4・5両編成から本線用の長い7・8両編成まで自由に組成可能であり、頻繁に編成組み替えが行われているため、必ずしも上記のような組成を組んでいた訳ではない。
- 30番台は0番台との混結ができ、ユニットを2つに分解して0番台と繋いだ5・6両運用の実績がある。
0番台の終焉
京阪電車では当時最多の在籍数を誇った本系列であったが、0番台は運用削減に伴う車両余剰により2001年から廃車が始まり、また10000系・13000系の投入により廃車が本格化。営業用として最後まで残存していた11両は、2021年9月25日からは淀車庫で休車状態になっていたが、2023年11月6日終電を以て廃車。これにより0番台は全車姿を消した(他に寝屋川車両基地内の教材車として1両が保管されている)。
現況
30番台については2200系・2400系のような大幅改修工事は施工されていないが、2000系列の中では一番車齢が浅いグループであるため、4列車28両全車両が現存している。
余談
- 中間車の2922・2923・2924号車は、元々京阪2200系の2253・2252・2251号車として1964〜65年に新製された。2200系の7両編成化に伴う編成組み替えで余剰車となり、1972年に2000系の2158・2157・2156号車へ改番して編入、その後2600系化に際し他の0番台と同様に代替新造の手続きがとられた。
- 2629編成の3両(2629-2729-2829)は、京阪2200系で唯一4両固定編成で残されていた2210編成の増結用車両として落成する事になり、原則2210編成と常時7両を組んでいた。1988年の改修工事に際し2629号車は運転台を撤去、また2829号車も2200系準拠の顔つきに改められ、完全な7両固定編成になった。
- 京阪2000系は1次車の24両と2次車以降の車両で車体の窓割が異なっており、また2600系0番台への改造は古い車両順に行われた訳ではないため、改造後の番号はバラバラ。2605・07・10・11・15・18・20・23・24・26・27編成の両先頭車、及び2612・2813号車が2000系1次車由来の車体を使用している。
- 2807号車は1994〜95年の8ヶ月間、定期検査スケジュールの関係で京阪1900系1925編成の中間車として組み込まれた実績がある。