概要
京阪電気鉄道で使われている通勤形車両で、2200系・2600系0番台を始めとする2000系列や、5ドア車5000系の置き換え用として2012年に登場した。
先に登場していた3000系と同じく、「風流の今様」をコンセプトを元にデザインされている。
その外観は10000系をベースに、先述した3000系と似た丸みを帯びたもので、京阪線系統の既存のロングシート車と同様の車体色(上が濃緑色、下が黄緑色、帯は白色)をまとっている。塗装変更ではなく製造時からこの塗装であるのは初となる。
車内は片持ちロングシートを本格採用し、大型袖仕切りが設置され、3000系同様に液晶式の車内表示機が全扉上に取り付けられている。照明器具は3000系とは異なり、10000系2次車と同様にカバーがない。
2010年代以降に登場した私鉄の通勤形車両としては珍しく、他系列からの編入や組成変更が度々発生しており、趣味者を嬉しくも悩ませている頭痛の種である。
総導入両数は2022年の時点で113両と京阪最多を誇り、今後も2026年度までに67両が追加増備されることが発表されている。
番台別
0番台(4両編成・連結対応)
宇治線でワンマン運転を開始するにあたり投入、2012年にデビューした最初のグループ。
4両編成2本を併結(下記編成表のMc3車・Mc4車を繋ぐ方法)して8両を組むことができるが、定期運用は今のところ設定されていない。
20番台(7両編成)
2014年デビュー。京阪本線系統向けのグループ。
3000系のプレミアムカー挿入に際し、余剰中間車が発生。余剰車3750形はクロスシートの車内のまま2023年より順次13000系に編入され、20番台の13850形として13750形と交換された。これは車齢差を極力抑える方針によるものであり、外された13750形は以降の30番台の中間車として活用。
ちなみにこの13850形は半端車という呼称が公式に使用されている。
- 6000系のリニューアル工事の際、8両編成が不足したため、中間車の組み替えで2編成を8両・4両1本ずつに一時的に組成変更した実績もあった。
30番台(4両編成・単独運用限定)
2021年デビューの6両固定編成に由来するグループ。それまで2600系の廃車発生品だったパンタグラフ(集電装置)が、下枠交差型から新品のシングルアーム式に改められている。
沿線人口の減少に伴い4両編成を増やす方向になり、2024年より順次、当初の6両編成から4両編成に組成変更することに。余った中間車は改造のうえ、(20番台の分を含め)追加で新造した30番台(13037編成以降)の先頭車に挟まれる形で改番・組成へ。
諸元
編成 | 基本組成は4両編成又は7両編成 |
---|---|
営業最高速度 | 110km/h |
設計最高速度 | 120km/h |
起動加速度 | 2.8km/h/s |
減速度 | 4.0km/h/s(常用最大)・4.3km/h/s(非常) |
全長 | 先頭車18,900mm、中間車18,700mm |
全幅 | 2,792mm |
全高 | 先頭車4,195mm・中間車4,116mm |
車体材質 | アルミニウム合金 |
軌間 | 1,435mm |
電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
主電動機 | 三相かご形交流誘導電動機(出力200kw) |
駆動装置 | TD継手平行カルダン駆動 |
歯車比 | 85:14=6.07 |
制御装置 | 東洋電機製造IGBT素子VVVFインバータ制御 |
台車 | ダイレクトマウント式空気ばね台車(電動車は軸梁式、付随車はモノリンク式) |
制動方式 | 全電気指令式電磁直通ブレーキ(回生ブレーキ付き) |
保安装置 | 京阪形ATS、K-ATS |
製造メーカー | 川崎重工業兵庫工場(→川崎車両) |
編成表
(形式やMT構成などの出典は、交友社発行「鉄道ファン」2023年8月号付属の車両配置表より引用)
2023年4月時点
0番台
←私市・宇治 枚方市・中書島→
形式 | 13000 | 13500 | 13650 | 13050 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
MT構成 | Mc1 | T0 | T1 | Mc4 | |
第1編成 | 13001 | 13501 | 13651 | 13051 | Mc4車は連結対応(以下同じ) |
第3編成 | 13003 | 13503 | 13653 | 13053 | |
第5編成 | 13005 | 13505 | 13655 | 13055 | |
第7編成 | 13007 | 13507 | 13657 | 13057 | |
MT構成 | Mc3 | T0 | T1 | Mc2 | |
第2編成 | 13002 | 13502 | 13652 | 13052 | Mc3車は連結対応(以下同じ) |
第4編成 | 13004 | 13504 | 13654 | 13054 | |
第6編成 | 13006 | 13506 | 13656 | 13056 |
20番台
←三条・出町柳 淀屋橋・中之島→
形式 | 13000 | 13500 | 13700 | 13150 | 13550 | 13750 | 13050 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
(3000系編入) | (13850) | |||||||
MT構成 | Mc1 | T0 | T2 | M1 | T3 | T4 | Mc2 | |
第21編成 | 13021 | 13521 | 13721 | 13171 | 13571 | 13871 | 13071 | 3751→13871 |
第22編成 | 13022 | 13522 | 13722 | 13172 | 13572 | 13772 | 13072 | |
第23編成 | 13023 | 13523 | 13723 | 13173 | 13573 | 13873 | 13073 | 3753→13873 |
第24編成 | 13024 | 13524 | 13724 | 13174 | 13574 | 13874 | 13074 | 3754→13874 |
第25編成 | 13025 | 13525 | 13725 | 13175 | 13575 | 13875 | 13075 | 3755→13875 |
第26編成 | 13026 | 13526 | 13726 | 13176 | 13576 | 13876 | 13076 | 3756→13876 |
第27編成 | 13027 | 13527 | 13727 | 13177 | 13577 | 13877 | 13077 | 3752→13877 |
半端車:T13771、T13773〜T13777
30番台
←三条・出町柳 淀屋橋・中之島→
形式 | 13000 | 13500 | 13700 | 13150 | 13550 | 13050 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MT構成 | Mc1 | T0 | T2 | M1 | T3 | Mc2 | |
第31編成 | 13031 | 13531 | 13731 | 13181 | 13581 | 13081 | |
第32編成 | 13032 | 13532 | 13732 | 13182 | 13582 | 13082 | |
第33編成 | 13033 | 13533 | 13733 | 13183 | 13583 | 13083 | |
第34編成 | 13034 | 13534 | 13734 | 13184 | 13584 | 13084 | |
第35編成 | 13035 | 13535 | 13735 | 13185 | 13585 | 13085 | |
第36編成 | 13036 | 13536 | 13736 | 13186 | 13586 | 13086 |
2025年4月地点
???
(編集準備中)
こぼれ話
- 宇治線・交野線での4両編成での運用を経てから本線へデビューしたため、登場から暫くの間は沿線利用者からは支線用の車両だと思われていた。
- 2023年2月より、13000系13024編成を使用し新たに開発された車両状態監視システムの搭載・運用試験を1年間かけて実施。
- 宇治線の沿線が舞台である京都アニメーション製作のアニメ作品「響け!ユーフォニアム」の作中に度々登場している。