自動車の牽引車
正式には牽引自動車と呼ぶ。牽引する方をトラクター或いはトレーラーヘッド・ヘッドと呼び、牽引される方をトレーラーと呼ぶ。
日本では牽引自動車の運転にはけん引免許が必要。なお見た目が牽引自動車でも切り離すと自走できない自動車の運転に牽引免許は必要ない。
鉄道の牽引車
何らかの理由で本線を自走できない車両を牽引するために使用する車両。
国鉄時代は車両の検査周期の管理を編成単位ではなく車両単位で行っていたため、中間車だけ或いは制御付随車だけで工場に入場させることも珍しくなく、それらの入出場用に牽引車が全国各地に配備されていた。
また保安装置の関係で工場に自力で入出場できない車両の牽引に使われることも多かった。
営業用車でなく、部内事業用途に使用される改造車が出自ということから見た目は度外視されるため、珍奇な外観の車両が多い。かつては一線級を外れた72系をはじめとする旧型国電を種車とすることが多かったが、1970年代半ばからは新造もしくは部品流用でも101系以降の新性能電車をベースとすることが多くなった。現在残るのはすべて新性能タイプであるが、車齢および環境の変化から余命いくばくもない。
JR発足前後から車両検査周期の管理を編成単位で行うようになったために牽引車の出番は大きく減少し、車両基地や工場内での入換作業がメインになっている。
マヤ34の出番が多かった頃はマヤの牽引に機関車ではなく牽引車を使うことが多々あり、また、車両基地から始発駅までの短区間での客車回送で機関車代用とされることもあった。キヤ143形などは、ラッセルヘッドを外した場合この牽引車に区分されるが、実態は構造が機関車に近く初期のDD13よりもスペックが高く、乗務員免許の都合で恣意的に機関車でなく事業用車に分類したと思われる。