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キヤ143形

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きやいちよんさんがた

キヤ143形とは、JR西日本が開発・導入した事業用車、除雪車(ラッセル車)である。

概要

既存の除雪車(ラッセル車)の置き換え用として、JR西日本2014年に投入した(2014年に2両が新製され、以降も増備中)。従来の除雪車はディーゼル機関車が主流だったが、本形式はメンテナンス軽減のためディーゼルカーとした。両先頭部に装備している除雪用ラッセル翼を運転室の操作で切り換えることにより単線の除雪と複線の除雪の両方に対応でき、大幅な軽量化を図りながらも従来と同等の除雪能力を持っている。

また救援を受けることが困難な除雪中の脱線に備えて床下にアウトリガーを装備しており、車外に専用有線コントローラーを接続して車両の持ち上げ、枕木方向への微調整をして脱線した状態からレール上へと自力で復帰できるようになっている。

除雪用として使用しない場合は、除雪用ラッセル翼を取り外し、衝撃吸収装置を取り付けて牽引車両として使用することができるようにしてある。牽引車としての使用時は35‰勾配で150t牽引()が可能。初期型のDD13DD16よりスペックが上の車両を気動車扱いするのは、かなり恣意的なものを感じるが…。(機関車と気動車では必要とされる免許が異なってくるため。)

上記の特徴ゆえに速度より牽引・推進力を重視しており、速度は重視していない。そのため運転最高速度は75km/h(設計最大速度:80km/h)と低めになっており、液体変速機も変速3段直結1段と変速段が多くなっている。またラッセル車と同様に、除雪の邪魔にならぬよう台車の懸架装置は軸バネだけとなっており枕バネは装備していない。

エピソード

  • 2017年に導入されたSLやまぐち号用客車の35系4000番台の牽引も可能となっており、本運転開始前の試運転で実際に牽引している。
  • DD16よりも出力が高いうえに軸重も重く簡易線規格の路線には入線できないなど、機関車よりも運用に制約がある。
  • 2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸開業に際し、北陸本線の一部区間がIRいしかわ鉄道ハピラインふくいに移管されることになったが、除雪車としてキヤ143形が各1両ずつ譲渡される。

補足

キハ189系だと1編成(3両)、115系電車だと大体3~4両相当。

同型車・類型車

  • キヤ291形JR北海道に投入された同型のラッセル車。
  • ENR-1000:JR東日本に投入されたが、除雪用モーターカー(保線機械)としての扱いで車籍登録されず。こちらはロータリー除雪車としての使用も可能である。

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