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対義語は「営業用車」。荷物車郵便車は営業用車として区分される。

分類

事業用客車

ここでの「客車」は「乗用の車両」という意味であり、電車気動車も含まれる。

職用車

牽引車・職員輸送車・電源車・保健車・教習車などの事業用車両のうち他の車種に分類できないものをまとめた呼称。

該当車両には役人くにん、かつて鉄道は国営で公務員が乗務していたため)の「ヤ」の記号が付く。クモヤ14324系客車のカヤ24など。

試験車

車両開発のための試作車と、線路架線などの設備保守のための検測車に大別される。前者は「300X」や「TRY-Z」など、後者は「ドクターイエロー」や「East-i」など。

記号は同じく「ヤ」。

救援車

事故災害発生時に復旧用の資材を積んで現場に派遣される車両。

記号は救援(きゅうん)の「エ」。クモエ21、スエ30など。

かつてはクレーンなどの機材も搭載していたが、道路の発達によって外部から重機を送り込むことが常態化したため、現在では可動式の倉庫程度の役割しか無くなっている。

そのためJR各社に現存する救援車は、余剰となった荷物車などを代用したものしか残っておらず、記号についても荷物車の「ニ」などがそのまま使用されている。マニ50など。

私鉄でも救援車を保有している会社があり、京浜急行デト17形相模鉄道モヤ700、阪神電鉄110形、阪急電鉄4050形などが当てはまる。

これらについてはクレーンなどを残すものもある。記号については各社毎の体系による。

配給車

工場間での資材移動や地方の職場への備品補充など、鉄道会社内で使用する物品の移動に用いられる車両。

記号は配る(くば)の「ル」

これも道路や物流の発達で運行の必要性が減ってゆき、145系クモル145の引退をもって専用の車両は消滅した。

暖房車

暖房を持たない車両に暖房を供給する車両。

記号は温もり(くもり)の「ヌ」

機関車への蒸気暖房装置の設置、更には客車単体で機能する暖房の普及により必要とする車両が無くなり、昭和半ばには消滅した。

余談だが、「蒸気」暖房ということで古い蒸気機関車を改造した暖房車も多くあり、場合によっては現役の機関車で代用することもあった。仙山線で交流電気機関車の試験運用を行っていた際に連結されたC58などは、電気機関車が故障した際にそのまま救援機となり運行を続けたという。

事業用貨車

車掌車

貨物列車に連結される、車掌が乗務するための車両。トイレ休憩スペースなど、本格的な居住空間を設けた車両も造られたが、伝統的に貨車の一種とされ続けた。

記号は車掌(しゃしう)の「ヨ」ヨ8000など。

貨物列車にもワンマン運転的な発想が広がっており、現存する車両は本来とは異なる用途で用いられていることが多い。

緩急車

ブレーキをかけるための設備を積んだ車両。

記号はレーキの「フ」(原則濁点は付けない)。

現在は運転台から列車全体にブレーキをかけられる貫通ブレーキが発達しており、専用の車両は無くなった。

ただし記号は残存しており、主に営業用客車において車掌室を備えた車両という意味合いで継続使用されている。12系客車スハフ12など。

除雪車

線路上の除雪を行う車両。

記号は(ゆ)の「キ」

現在は機関車や保線用モーターカーなどに着脱式の除雪装置を付けて行うことが多く、専用の車両は激減している。

検重車(衡重車)

貨物駅などに設置されているが正しいかどうかを計り、誤差が出ていたらそれを修正するための車両。現存する車両はない。

記号は検重(んじゅう)の「ケ」

操重車

クレーン車のこと。脱線復旧やなどの建設工事に用いられた。現存する車両はない。

記号は操重(うじゅう)の「ソ」

控車

工事などの際に作業員の休憩所とするための車両と、何らかの目的で車両間に挟みこんで連結するアダプタ的な車両に大別される。

鉄道連絡船による車両航送が行われていた頃、連絡船に重量の重い機関車を乗り入れさせることによって可動橋と船体接続部に急激な傾斜を発生させるのを避けるため、間に空の貨車を何両か繋いでいた事例は典型的な後者の例である。

記号は控(かえ)の「ヒ」

控車自体が持つ特別な機能はほぼ無く、極論適当な車両でいくらでも代用できてしまうことから、そもそも「ヒ」の使用例が少ない。

配給車

貨車による配給車も存在したが、戦後の国鉄の場合、形式名や車番は一般の貨車と同じであった。

車体に白い帯を巻き、所属する工場や管轄する管理局の頭文字を大きく描くことで区別していた。

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