概要
本稿ではデチ15形についても解説する。
デワ40形及びチ60形の置き換え用として1988年12月に1000形(初代)の廃車発生部品を使用して2編成(デチ15・16、デチ17・18)の4両が製造された。デチ15・16にはデハ1097・1098、デチ17・18にはデハ1017・1018、デハ1001・1002の部品が使用された。本形式の登場により電動貨車のデワ40形2両(デワ41~デワ44)チ60形2両(チ61・62)が廃車となった。
構造
重量物運搬のため魚腹形台枠を採用し、前面非貫通3枚窓の運転台、6人分の座席、窓枚、手動式ドア枚を持つ有蓋室がデチ15・17の浦賀寄りとデチ16・18の品川寄りに設けられた。長尺物運搬のため荷台を広くとる必要があったことから有蓋室はデト11形より短くなった、またパンタグラフ列車無線アンテナを搭載するため屋根が荷台部分に1600mm延長されている。有蓋室は黄色に塗装され、赤帯が巻かれる。有蓋室以外の部分は荷台とされ、資材積み降ろし用にチ60形から転用したホイストクレーンを装備する。台枠は有蓋室と同じ黄色に塗装されている。有蓋室の妻面には荷台に出るための扉と、投光器が設けられた。最大積載量は18.0tである。
改造
制御器交換
デチ18が1998年5月20日付け、デチ16が2007年4月6日付けで制御器を交換した。
デト17・デト18形への改造
2003年3月にレールの運搬を専用の機械で行うことが増えたため、稼働率の低下したデチ17・18を救援車に改造しデト17形デト17・18に形式変更した。ホイストクレーンの撤去、デト11と同様のあおり戸を設け救援資材の入った箱を搭載した。2006年3月にデチ15・16にも同様の改造が行われデト17形デト15・16となった。
界磁チョッパ制御への改造
2010年6月にデト17・18、2011年3月にデト15・16に、運転取扱、使用機器の統一、省令改正対応のための機器更新が行われた。前照灯形状の変更、運行番号表示器の設置、運転台・有蓋室に冷暖房が搭載されたほか、運転台はワンハンドルマスコンとなった。
関連項目
デト11形:本形式と同じく京浜急行電鉄に所属する電動貨車