もしかして:空港急行
概要
京浜急行電鉄独特の列車種別として2010年5月16日のダイヤ改正で、それまで運転されていた「急行」を改称する形で誕生した。
旅客案内上「✈急行」という表記もされる。英語表記は、「✈Exp.」「✈Express」「Airport Expess」「Express」(乗り入れの他社車両)…など。種別の色は「急行」と同じ青。
列車種別名の通り、羽田空港(東京国際空港)方面へのアクセス特化をアピール。主に品川方面ー羽田空港間と、逗子・葉山ー羽田空港間、2つの運行系統が設定された。さらに品川方面の列車は、他社線への直通運転で列車種別が途中変更するものもある。
停車駅は各方面からの乗換利便性向上などを考慮して選定されている。
品川方面〜羽田空港間の系統
北総線印旛日本医大駅や印西牧の原駅方面と羽田空港間を中心に運転。
京成成田空港駅や芝山鉄道芝山千代田駅まで運転されるものもある。北総線直通は品川から先は各駅に停車するものが多い。京成線に直通する電車は都営浅草線内は各駅に止まるものが多いが、浅草線内でエアポート快特になるものもある。
なお、羽田空港行の列車は都営線内では急行として案内される。
成田空港に向かう列車は数こそ少ないが存在し、この運用は都営浅草線から先はエアポート快特やアクセス特急(成田スカイアクセス線経由)になるものが多い。京成本線経由の列車は快速特急や通勤特急として運転。
2012年10月21日のダイヤ改正で日中の列車が快特に格上げされたため、以降は朝と夕方以降の運転がメイン。
停車駅(京急線内)
京急空港線は各駅に停車するので省略。
京急本線内のみ停車駅を記載。
●は全列車停車、レは通過駅。
✈急行 | 特急 | 快特 | ✈快特 | 乗り換え | |
---|---|---|---|---|---|
泉岳寺駅 | ● | ● | ● | ● | エアポート急行接近時の案内放送は「急行」 |
品川駅 | ● | ● | ● | ● | JR東日本線・東海道新幹線乗換駅 |
青物横丁駅 | ● | ● | レ | レ | |
立会川駅 | ● | レ | レ | レ | |
平和島駅 | ● | ● | レ | レ | 普通車との接続を行う |
京急蒲田駅 | ● | ● | ● | レ | 横浜方面乗り換え |
運行実績のある車両
主に地下鉄直通車両の8両編成が使用される。
京急車
都営車
京成車
北総車・その他
横浜方面〜羽田空港間の系統
羽田空港から空港線と本線を経由し、逗子線逗子・葉山までを結ぶ。
乗り換え路線との接続が重視された結果、1999年まで運行されていた「急行」から停車駅が変更され、黄金町駅や子安駅などが通過になった一方、JR路線と接続する京急東神奈川駅や杉田駅が新たな停車駅となった(詳しくは後述)。
運行当初は8両固定編成を使用した20分間隔で、東日本大震災の影響で一時4両化もされたが、2012年に6・8両&京急車主体の運用が組まれこれが標準パターンとなった。
その後、2022年に北総線直通快特が特急に格下げされたのに伴いこちらが20分間隔に戻された。
停車駅
空港線内、逗子線内は各駅に停車する。
本線内のみ記載。
●は全列車停車、レは通過駅。
✈急行 | 特急 | 快特 | ✈快特 | 京急ウィング号 | 乗り換え・備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
京急蒲田駅 | ● | ● | ● | レ | レ | 品川方面エアポート急行は乗り換え |
京急川崎駅 | ● | ● | ● | レ | 京急大師線及びJR東海道線・京浜東北線・南武線(川崎駅)乗換駅 | |
京急鶴見駅 | ● | レ | レ | レ | JR京浜東北線鶴見駅乗換駅。 | |
神奈川新町駅 | ● | ● | レ | レ | ||
京急東神奈川駅 | ● | レ | レ | レ | JR京浜東北線東神奈川駅乗換駅 | |
横浜駅 | ● | ● | ● | レ | JR線、東急東横線、相鉄線、横浜市営地下鉄、みなとみらい線乗換駅 | |
日ノ出町駅 | ● | レ | レ | レ | 直接接続していないがJR・横浜市営地下鉄の桜木町駅に近い。 | |
井土ヶ谷駅 | ● | レ | レ | レ | ||
弘明寺駅 | ● | レ | レ | レ | ||
上大岡駅 | ● | ● | ● | ● | 横浜市営地下鉄乗換駅 | |
杉田駅 | ● | レ | レ | レ | JR新杉田駅に接続 | |
能見台駅 | ● | レ | レ | レ | ||
金沢文庫駅 | ● | ● | ● | ● | ||
金沢八景駅 | ● | ● | ● | ● | 追浜駅・横須賀中央駅・三崎口駅方面とシーサイドライン乗換駅 |
運行実績のある車両
京急車
都営車
前身の「急行」との停車駅比較
「エアポート急行」誕生よりも前に存在した「急行」は、1999年7月31日のダイヤ改正で品川方面〜羽田空港間の系統のみの設定となっていたため、それ以前のダイヤでの比較。
「エアポート急行」の停車駅化に合わせ、8両編成分のホーム拡張を行った駅も多い。
引き続き停車駅
逗子線内各駅。
金沢八景駅、金沢文庫駅、上大岡駅、日ノ出町駅、横浜駅、神奈川新町駅、
京急鶴見駅、京急川崎駅、京急蒲田駅、蒲田以北の急行停車駅、
空港線内各駅。
急行停車からエアポート急行通過になった駅
急行臨時停車からエアポート急行通過になった駅
急行臨時停車からエアポート急行停車になった駅
能見台駅、弘明寺駅、井土ヶ谷駅。
急行通過からエアポート急行停車になった駅
杉田駅、京急東神奈川駅。
終焉
こうして空港アクセスの種別として誕生したエアポート急行であるが、実際は京急蒲田以南の準速達列車としての側面も強く、数は少ないが空港を一切経由しない(例えば、金沢文庫〜逗子・葉山間のみの運転の列車。「エアポート」の定義に全く合わない)列車も設定されていた。
また、羽田空港発の列車も同種別として運転されるため、京急曰く外国人利用者が種別表示の飛行機マークだけを見て羽田空港行の列車だと思い誤乗してしまうというケースが発生していたとのこと。
2023年11月25日のダイヤ改正にて、「エアポート急行」の名称が「急行」へ変更されることが決まり、エアポート急行は設定終了。これに先立って、羽田空港の行先幕に飛行機マークがつくようになった。
改正後の急行は金沢文庫〜逗子・葉山間運転のみの列車だけでなく、品川からそのまま横浜方面へ行く列車も新設されている。
なお、駅の自動放送や一部の他社車両などは急行の表示・案内に対応していないため、しばらくはエアポート急行時代の案内で代用している。
関連項目
京浜急行電鉄 列車種別 京急本線 京急逗子線 京急空港線 急行