※国鉄の蒸気機関車に「5300形」などの例があるが、旅客用電車車両では東京都交通局のみ。
概要
都営地下鉄浅草線用として1991年より新製・投入された通勤形電車。非冷房のままで営業運転に入っていた5000形電車(6次車の5200番台を除く)の置き換え用として、8両編成27本が製作された。
同線のほか、相互直通運転を行っている京成・京急・北総各線で幅広く運用されていた。
編成
車両の番号は5000形の連続番号方式をやめ、「5301-1」などといったハイフン付となっており、この方式は三田線6300形や日暮里・舎人ライナー300・320・330形、さらには乗り入れ先の京成電鉄3000・3050形、3100・3150形や北総鉄道7500形、9200形、乗り入れ先ではないものの新京成電鉄8800形(6両化後)にも受け継がれている。
Mc | T | M | T | T | M | T | Mc |
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5301-1 | 5301-2 | 5301-3 | 5301-4 | 5301-5 | 5301-6 | 5301-7 | 5301-8 |
走行機器等
浅草線初のVVVFインバータ制御方式を採用。素子はGTOのまま、最後まで更新されなかった。
台車は近畿車輛製を使用し、WN平行カルダン方式となっている(次代の5500形ではTD平行カルダンに変更された)。なお5318〜21・27編成は車体も近畿車輛製である。
自動放送装置を持つが、5500形とは異なり浅草線内にしか対応していなかった。
余談
- 一部で奉られている異名は「交通局の白い悪魔」。由来等については当該項目を参照されたい。
- 製造・増備途中で設計変更が行われている。5次車からは前面下部の排障器を拡大、7次車の5327編成については最初から120km/h運転が可能なようにモーターの出力増強を行った。
- しかし、路線条件に合致していた筈だった5327Fが最後まで残ると思いきや、あっさり引退していった。
引退
2006年の5200形引退後は本形式とE5000形電気機関車の2形式が浅草線の形式となったが、浅草線に新型車両を2015年度末より順次導入する計画が持ち上がった。
その後紆余曲折あり計画が二転三転した結果、3年遅れの2018年から新形式5500形が投入されていき、入れ替わる形で本形式が廃車されていった。
2023年2月に最後まで残存していた5320編成が運用離脱し、本形列の定期運用は終了した。
引退を早めた要因として、塗装工程を廃止したかった事、他の直通路線と異なり高速運転が多かった事、最終編成を除き最高時速110km/hがスピードアップのネックと運用制限が掛かった事が挙げられる。