由来
発祥地(?)はニコニコ動画とChakuwiki。管理局の白い悪魔にちなんで命名されたものとされる。(その管理局の白い悪魔は連邦の白い悪魔にちなんで名付けられたと思われるが、京急ではげんこつ電車こと北総7000形をガンダムと言っていたりする)“白”は当然白をベースにした車体塗色が由来だが、“悪魔”に関しては2つの節がある。
その1
当車両のVVVFインバータ制御装置がありえないレベルの騒音を(特に地下区間で)出すことから。なお、加速・減速時の音は近鉄の1026系・5800系などに近い独特の音である。
もっとも騒音に関していえば風評被害に近く、登場時の技術の限界を半歩乗り越えた運用を強いられた5000形・5200形からすれば改善されているし、運用前提故に高回転高減速比の他の地下鉄よりも相対的によいくらいなのである。電装品も6300形と共通化が図られ無体な設計なのかと言われればそうでもない(ただし、6300形は20m車(5300形は18m車)なので当然出力荷重比は5300形の方が高い)。
なぜこのような騒音になったかは、つまりだいたい京急のせいで説明がつく。
その2
乗入れ先の京急本線の快特運用にあわせた、当時の地下鉄系車両とは思えない性能を持っていたことから。
5300形は営業最高速度110km/h・起動加速度3.3km/h/sと、東京の地下鉄では標準的な数字。だが郊外路線に比べて駅間が短い地下鉄は、通常定格速度域は40km/h程度であるのに対して、5300形は40km/h→65km/hあたりの中間加速域でもトルクが細らず、短時間で110km/hに到達するという特徴がある。これは優等列車主体を見据えた京急側の性能要求であった…
のだが、京急の最高速度が120km/hに上がったこともありこれでも性能不足で、京急の運転士は「自社車に比べて加速進段やブレーキの応答が遅い」と言っている。
そして実験的に「京急600形(3代目)」のパワーを装着した最終兵器「5327編成」を送り出す。余裕の120km/h性能を達成・実現したものの、悪魔的な騒音が地獄のシンフォニーと化しただけで、結局一度も120km/h運用に用いられたことが無い。
列車の運行スケジュールでは社局別にしっかり担当が分けられているため、性能が同じだからといって1編成しかない5327編成を京急・京成車の代わりに使うということはできず、同様に110km/h基準で組み込まれている都営車受け持ち分のダイヤを120km/hで走破しても仕方が無かった。
引退
そんな5300形も2018年春以降、5500形により置き換えられることが決まった。5500形は製造当初から120km/h性能となった。