路線データ
路線名 | 宇部線 |
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路線区間 | 新山口〜宇部 |
ラインカラー | 赤紫 |
路線距離 | 33.2km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 18駅 |
信号場数 | 1箇所 |
最高速度 | 85km/h |
電化区間 | 全線:直流1,500V |
単線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 自動閉塞式(特殊) |
保安装置 | ATS-SW |
運転指令所 | 中国総合指令所広島指令所 |
第一種鉄道事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
概要
新山口駅(山口県山口市)から宇部新川駅(宇部市)を経由して宇部駅までを結ぶ西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線の一つで、幹線。かつては貨物支線が複数あり、民営化後も日本貨物鉄道(JR貨物)が支線居能駅(山陽小野田市)〜宇部港駅(宇部市・廃止)間の第一種鉄道事業者、宇部岬駅(宇部市)〜宇部駅間の第二種鉄道事業者として貨物列車を運行していた。
新山口駅〜宇部駅間は山沿いを走る山陽本線もあり、どちらも直流電化されている。しかし宇部市中心部を経由する為海側を迂回しており、直線距離は山陽本線の方が短い。また宇部線は全線単線で地盤も悪く、対して山陽本線は複線の為所要時間は山陽本線や路線バスの方が速い。
交通系ICカード乗車券は使用出来ない。新山口駅・宇部駅は「ICOCA」エリアに含まれているが、あくまで山陽本線に対してのものであり、宇部線経由の場合は切符を購入する必要がある。なお切符の場合は山陽本線と宇部線の選択乗車が可能である。
(一応)空港アクセス路線
草江駅の徒歩圏内に山口宇部空港がある。但し空港ターミナルとは直結しておらず、草江駅自体が無人駅であり宇部線の本数も少ない為、アクセス路線としては殆ど機能していない。
とはいえ草江駅前には空港への案内図が設置されており、空港側もホームページや看板等で駅へのアクセスを案内している為、全く周知されていない訳ではない。
なお山口宇部空港へ公共交通機関を使用したアクセス方法は、新山口駅・宇部新川駅発着の路線バスまたは完全予約制の下関駅発着のシャトルタクシーを利用するのが一般的である。
因みに宇部新川駅発着のバスは草江駅も経由する為、同駅の影の薄さが際立っている。
BRT化計画
沿線はモータリゼーションが進み車社会となっている為、電化され電車が走る宇部線といえど利用者の減少が深刻化している。
その為JR西日本と沿線自治体は宇部線及び小野田線のBRT化による利用促進を計画していたが、宇部市の試算で導入費用だけでも莫大な金額となり採算を取る事が極めて困難である事が判明し、結局頓挫してしまった。
沿革
1914年(大正3年)1月9日に宇部軽便鉄道(後に宇部鉄道に改称)によって宇部駅〜宇部新川駅(初代・廃止)が開業した事が始まり。
その後1929年(昭和4年)5月16日に宇部電気鉄道(後に宇部鉄道と合併)により貨物支線と現在の小野田線区間が開業し、1943年(昭和18年)5月1日に戦時買収により国有化・鉄道省の管轄となる。この時の路線名は現在の宇部線本線が宇部東線、貨物支線と小野田線が宇部西線だった。
1948年(昭和23年)2月1日には宇部東線が宇部線、宇部西線が小野田線にそれぞれ改称されている。
1952年(昭和27年)4月20日に居能駅〜宇部駅(現・2代目宇部新川駅)間が新線に付け替えられ全線開通。同時に小野田線貨物支線を宇部線に編入した。
その後1987年(昭和62年)4月1日に日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化され、全線の第一種鉄道事業者としてJR西日本が、貨物支線の第一種鉄道事業者及び本線宇部岬駅〜宇部駅間の第二種鉄道事業者としてJR貨物がそれぞれ継承した。
しかし1999年(平成11年)7月1日に宇部港駅発着の貨物列車が廃止され貨物支線は休止線となり、2006年(平成18年)5月1日に廃止。美祢線との間に運行されていた石灰石輸送列車も2009年(平成21年)10月18日に廃止され、2014年(平成26年)4月1日付でJR貨物の宇部線内における第二種鉄道事業が廃止された。
運行形態
現在の運行形態
基本的には全線通しでの運行だが、一部宇部岬駅・宇部新川駅発着の区間列車も設定されている。宇部新川駅発着の列車は新山口駅方面・宇部駅方面どちらにも設定されており、宇部新川駅で両者は接続する。また2往復のみ山陽本線下関駅まで直通運転を行なっているが、2005年(平成17年)10月1日ダイヤ改正まで関門トンネルを経由して九州旅客鉄道(JR九州)管内まで直通運転が行なわれていた。その為415系・421系・423系交直流両用近郊形電車が宇部線内でも運用されていた。
列車本数は日中は概ね1時間〜1時間半に1本。宇部新川駅〜居能駅間は小野田線の列車がこれに加わる。
過去の運行形態
2003年(平成15年)10月1日ダイヤ改正で山陽新幹線「のぞみ」の一部が新山口駅(同日に「小郡駅」から改称)に停車するようになった事に伴い、接続列車として運行を開始した。
運行区間は新山口駅〜宇部新川駅・宇部駅間。宇部新川駅〜宇部駅間は普通列車として運転された。
途中停車駅は当初は阿知須駅と床波駅のみだったが、2008年(平成20年)3月15日ダイヤ改正で宇部岬駅〜宇部新川駅間の各駅に停車するようになった。
2009年3月14日ダイヤ改正で廃止され、以降は定期快速列車は設定されていない。
- 停車駅(廃止時)
新山口 - 阿知須 - 床波 - (宇部岬〜宇部間の各駅)
貨物列車
宇部興産(現・UBE)専用貨物列車が宇部港駅〜美祢線美祢駅間で運行されていた。
宇部興産専用道路の開通後は年々本数が減少し1998年(平成10年)4月1日をもって廃止。濃硝酸輸送列車も翌1999年7月1日に廃止された。
この他にセントラル硝子の石灰石輸送列車が宇部岬駅〜美祢線重安駅間で運行されていたが、2009年10月18日に廃止された。
駅一覧
現存区間
廃止区間
1952年4月20日廃止
貨物支線(2006年5月1日廃止)
※1961年11月1日廃止。
使用車両
現在の使用車両
下関総合車両所運用検修センター所属の直流通勤形(105系)・近郊形(123系)電車。
宇部線・小野田線の定期列車で運用されている。
過去の使用車両
国鉄分割民営化後の車両のみ記載。
自社車両
下関地域鉄道部下関車両センター(現・下関総合車両所運用検修センター)所属。JRで最後まで運用されていた旧型国電。
小野田線本山支線用の車両だが、国鉄時代には宇部線や小野田線本線でも運用されていた。
下関総合車両所運用検修センター所属の直流近郊形電車。
山陽本線の車両だが臨時列車として宇部線に入線した。
宮原総合運転所(現・吹田総合車両所宮原支所)所属の直流近郊形電車。
2001年(平成13年)に沿線で開催された「山口きらら博」の多客輸送の為、宮原から貸し出され運用された。
JR九州所属
- 415系・421系・423系
南福岡電車区(現・南福岡車両区)所属の交直流両用近郊形電車。
JR九州直通列車で運用された。
JR貨物所属
DE10形1500番台
幡生機関区厚狭派出(廃止)所属のディーゼル機関車。
貨物列車を牽引していた。