国鉄・JR東日本・JR東海・JR西日本 123系電車
国鉄が1986年に投入した近郊形電車。1988年にはJR東海とJR西日本で増備された。ローカル線や短距離区間運転での単行運用を目的として、当時余剰となっていた事業用車両(クモニ143・クモユニ147・クモヤ145などの荷物車・郵便車・牽引車など)から改造された両運転台式車両のクモハ123形1形式のみが存在する。
基本的にオールロングシートで、トイレは設置されていない。元が事業用部品の輸送を念頭に置いた車両であること、および改造コスト低減のため奇妙な窓配置や扉配置となっている車両が多い。
2007年に身延線で運用されていたJR東海所属車両が、2013年にJR東日本(主に中央本線・辰野駅~塩尻駅間)の「ミニエコー」が引退し、現在はJR西日本(主に宇部線・小野田線)において「末期色」塗色で運用されている。
番台区分
クモハ123-1
1986年に中央本線辰野-塩尻間ローカル用に改造された車両。「ミニエコー」の愛称が付けられている。種車はクモニ143。JR東日本に継承され、当時としては奇抜な塗装が話題となったが、1995年にAU712インバータークーラを搭載した際に再度塗装変更している。
2013年にE127系100番台に置き換えられ廃車となった。
クモハ123-2~4
1987年に可部線向けに改造。種車はクモニ143。JR西日本が継承。上段が折れ曲がり式の閉開窓となっている。改造時にAU75クーラーを搭載した。1993年に前面貫通扉を、2013年にはトイレが設置され、2014年以降広島ローカルの濃黄色単色へと改められている。
クモハ123-5・6
1987年に阪和線羽衣支線向けに改造。種車はクモニ143。JR西日本が継承。当初から前面貫通扉が設置され、改造当初からAU75クーラーを搭載しているものの、コストダウンを徹底したため客用扉が旧荷物扉と同じ位置に設置されている奇妙な外観である。次第に輸送量的に持て余されるようになってきたため、1995年に運用限界に達したクモハ84を置き換えるため宇野線に転属。これもまた持て余されるようになり2002年にクモハ42の代替として可部線・小野田線用に転属。2~4と共通運用されることになったため扉位置が外側に近づくように改造された(それでも奇妙な配置であることは変わらない。)これもまた、2015年以降、広島ローカルの濃黄色単色へと改められている。
クモハ123-41~45
1987年に身延線向けにクモユニ147より改造。JR東海が継承。当初は身延線のオリジナル塗装であったが、後に東海標準色に改められている。1989年よりC-AU711クーラーを搭載し番号に+5000が追加された。
クモハ123-45という冗談めいたようなナンバーの車両が存在したが、冷房改造時に同時に貫通化され番号に+5100が追加、クモハ123-5145というインフレナンバーとなってしまった。2006~7年に番台全廃となっている。
クモハ123-601・602
JR東海移行後、1988年に身延線向けにクモヤ145-600番台より改造。どことなく愛知環状鉄道100形に似た3扉へ改造され、もともとあった貫通路には連結運転用の幌が設置された。これも当初は身延線オリジナル塗装として登場→冷房設置と東海標準色化の経歴をたどり番号に+5000が追加されている。2007年に番台全廃となっている。
関連項目
関連タグ
魔改造 クモハ123 ワンマン
A列車で行こう9:Windows用ゲームソフト。クモハ123-1(ミニエコー)が収録されている。ゲームの仕様上、集電装置が省略されている。