アンドレス・イニエスタ
あんどれすいにえすた
FCバルセロナの誇る下部組織寮、「ラ・マシア」出身選手の中でも最高傑作と謳われる世界最高峰のMF。FIFAワールドカップ、UEFA欧州選手権、チャンピオンズリーグの三つの国際大会において、その全ての決勝に出場しマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた唯一の人物。
圧倒的テクニックにより若き頃から頭角を表し、U-15チームではキャプテンを務めナイキ・プレミア・カップでは最優秀選手賞を受賞した。
この際当時のバルセロナトップチームの中心選手であり、後にイニエスタをバルセロナの監督として率いる事になるジョゼップ・グアルディオラからトロフィーを手渡され、15歳の彼に「今まで見た中で最高の選手」と賛辞を書いた写真を贈られたという。
また、グアルディオラはこの際既に若手の有望株として頭角を表し、後にイニエスタと世界最高の中盤を組む事になるシャビ・エルナンデスに対し、「じきにお前は俺を引退に追い込むだろうが、あの坊や(イニエスタ)が俺たちふたりを引退に追い込むかもしれないぞ」と語ったとされる。
その後グアルディオラの称賛はなんのリップサービスもない正当な評価であった事が証明される。クラブ、代表の両方で最大級の活躍を披露し、当代随一、歴代でも屈指の攻撃的MFとして名を馳せた。
バルセロナでは「ティキ・タカ」の中心人物としてシャビ・エルナンデス、セルヒオ・ブスケツらと共に黄金の中盤を構成。9度のラ・リーガ優勝、4度のチャンピオンズリーグ優勝に加えて、2度の3冠にも輝いている。
スペイン代表では2010年のワールドカップ決勝にて、オランダ相手に延長後半に決勝点を記録しスペインの優勝に大きく貢献。ワールドカップの歴史にその名を刻んだ。
同時期にリオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウドという巨頭がいた事でバロンドールで1位を受賞する事はなかったが、バロンドール賞を運営する『フランス・フットボール』は、公式にイニエスタにバロンドールを授与できなかったことを謝罪した。
2018年5月、そんな超ワールドクラスが、Jリーグのヴィッセル神戸へ加入する事が明らかになった。年俸は30億と言われており、同リーグ史上圧倒的最高額である。
2019年には異次元クラスのプレーでJリーグを席巻し、ベストイレブン入り。J1優勝・準優勝の横浜F・マリノスとFC東京以外の選手では唯一のベストイレブン入りであった。また、天皇杯では鹿島アントラーズを破って優勝。神戸に初のタイトルをもたらした。
2021年にも再びベストイレブン入り。このまま異次元プレーをさらに多く見ることになるかと思いきや、2023年になると出場機会が激減。本人は神戸で現役引退することを望んでいたが、まだまだ試合に出たいという意思もあり、シーズン中盤での退団が決定。
なおイニエスタの憧れの選手は元デンマーク代表のミカエル・ラウドルップであり、彼がプレーしていた事から以前からヴィッセル神戸を知っていたという。
現在は5人の子供を持つパパであり、家族も日本のことが好き。子供は日本語ペラペラだとか。
同じスペイン出身のストライカーであるフェルナンド・トーレスはサガン鳥栖で2019年に現役引退しており、引退試合はイニエスタ所属の神戸戦。その試合ではイニエスタも得点を決めて1-6で鳥栖をボッコボコにした。