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阪和線

はんわせん

JR西日本の路線のひとつ。
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概要

大阪府和歌山県を結ぶ鉄道路線。現在全線をJR西日本が保有・運営している。
路線カラーはオレンジ、路線記号はR。ただしJR西日本の路線カラーの常として、この路線にも現在オレンジ色の列車は1本も走っていない(但し国鉄時代、旧型国電を使用していた当時はオレンジ色の普通列車が走っていた)。

天王寺駅和歌山駅間(61.3km)の本線と、鳳駅東羽衣駅間の支線(1.7km、通称「羽衣線」)があり、本線は大阪環状線関西空港線紀勢本線(きのくに線)との直通列車も多く設定されている。一方、羽衣線は223系または225系4両編成が終日往復し続けるダイヤとなっている(2018年3月ダイヤ改正より)。


南海本線南海電気鉄道)への対抗として建設された経緯から、完成以来ほぼ全線に渡って競合関係にある。そのため多数の優等列車を設定するなどしてスピード勝負を繰り広げてきたが、その後の発展は大阪市堺市を中心とした短距離の通勤・通学移動が牽引しているという、ある種のジレンマを抱えた路線でもある。
東海道山陽本線でイメージリーダー的存在となっている新快速が、阪和線では定着せずに終わったという過去はその一例で、「高速列車を作ってはニーズに合わず、廃止や停車駅増加で有名無実化」という事を定期的に繰り返してきた。
現存する多数の快速列車も、減速方向で分化させていった結果という趣が強く、スピードアップは21世紀に入ったあたりからほぼ放棄した状態となっている。近年は有料の特急列車すら例外ではなくなってきた。

代わって元国鉄ならではのネットワークを活かした、広域の直通運転でサービスに差を付ける取り組みを強化しているが、これもスルッとKANSAIの横の繋がりによる他社連絡切符等で対抗されており、(こちらが後発なので因果応報と言えば因果応報なのだが)決して安定した環境にはない。
複雑な運転形態と列車の飽和によって、トラブルが発生した際にはその復旧が特に困難な路線となってしまってもおり、「ドジ路線」「また阪和線か!という不名誉な合言葉さえ存在している。
こうした背景から、運行車両も個性的なものとなっているが、それ自体が複雑化の一因となってきた側面も強い。その詳細も先方記事を参照のこと。

現在運行されている列車

  • 特急「くろしお」(環状線~きのくに線直通)
  • 特急「はるか」(環状線~空港線直通)
  • 快速(無印):主に線内完結かつ、全線を快速運転するもの。
  • 区間快速鳳駅以南に各駅停車するもの。天王寺駅~日根野駅間の運転が多い。
  • 関空快速(環状線~空港線直通)+紀州路快速(環状線~和歌山駅・一部きのくに線直通):日根野駅以北では基本的に両列車を連結して運行する。紀州路快速の大半は熊取駅以南各駅停車だが、逆にきのくに線内も快速運転するものが存在する。
  • 直通快速:関空・紀州路快速のうち、環状線内を各駅停車するもの。上りのみ存在し、下りは通常の関空・紀州路快速として帰ってくる。紀州路快速とは逆に熊取以南は快速運転するものが多い。
  • 普通:各駅停車。


過去運転されていた列車

  • B快速:熊取駅以南に各駅停車する快速列車のうち、大阪駅を発着しないもの。名称としても本数としてもかなりレア。定期的に復活する場合がある。2018年現在は紀州路快速への設定置き換えにより休止中の種別。
  • 新快速:かつて存在した種別。戦前の超特急などをモデルにして誕生したが、短期間で消滅。
  • 関空特快ウイング:関空快速の速達版で、当時他の快速が停車した東岸和田と熊取を通過した。他に環状線内でも停車駅差があった他、指定席の設定もあった(こちらは同時期の関空快速にも存在、設備はそのまま)。紀州路快速の設定に伴う関空快速のパターンダイヤ化に合わせて消滅。
  • はんわライナー:阪和線内を運転する通勤ライナーであり、ウイングとは逆に快速停車駅の内天王寺に近い堺市・三国ヶ丘を通過した他、日根野・紀伊・六十谷にも停車しなかった。上りは鳳も通過。くろしおの和歌山止めの増発や自由席券の割引サービスの充実化、快速の増発や運用車輌(381系国鉄色)の老朽化もあり消滅。


特急の別相性についてはくろしおの記事も参照。

駅一覧

本線
※普通列車は省略、特急列車停車駅は備考欄に掲載。
※:●=停車、○=一部を除き停車、ㇾ=通過、↑=矢印の方向にのみ通過。

駅番号駅名区間快速関空快速紀州路快速直通快速快速接続路線備考
JR-R20天王寺
  1. 大阪環状線/大和路線
  2. 大阪市営地下鉄御堂筋線/谷町線
  3. 近鉄南大阪線(大阪阿部野橋駅)
  4. 阪堺電気軌道上町線
全てのはるか、くろしおが停車
JR-R21美章園
JR-R22南田辺
JR-R23鶴ケ丘
JR-R24長居大阪市営地下鉄御堂筋線
JR-R25我孫子町
JR-R26杉本町
JR-R27浅香
JR-R28堺市
JR-R29三国ケ丘南海高野線
JR-R30百舌鳥
JR-R31上野芝
JR-R32津久野
JR-R33羽衣線かつて一部のくろしおが停車
JR-R34富木
JR-R35北信太
JR-R36信太山
JR-R37和泉府中一部のはるか、くろしおが停車
JR-R38久米田
JR-R39下松
JR-R40東岸和田
JR-R41東貝塚
JR-R42和泉橋本
JR-R43東佐野
JR-R44熊取
JR-R45日根野関西空港線一部のはるか、くろしおが停車
JR-R46長滝
JR-R47新家
JR-R48和泉砂川一部のくろしおが停車
JR-R49和泉鳥取
JR-R50山中渓ここまで大阪府
JR-R51紀伊ここから和歌山県
JR-R52六十谷
JR-R53紀伊中ノ島
JR-R54和歌山
  1. 紀勢本線/和歌山線
  2. 和歌山電鐵貴志川線
全てのくろしおが停車

羽衣線
駅名接続路線
本線
東羽衣南海本線(羽衣駅)

沿革

元々は1929年から1930年にかけて阪和電気鉄道という私鉄が建設した路線であった。天王寺駅の阪和線ホームが環状線や関西本線大和路線)から離れた所で行き止まりになっているのはこの名残りである。現在も天王寺駅の阪和線ホーム内には戦前時代の様子を偲ばせる遺構を舗装直しなどで塞いだような跡がいくつか残されており、地下通路などの存在も確認されている。
先述の通り、南海への対抗からかなりの高速路線として開業しており、既存のどの特急よりも速い「超特急」や現在の「くろしお」のルーツとなる「黑潮號」の運行はもはや伝説の域となっている。
天王寺~美章園間の高架は開業当時からのもので、既に天王寺駅周辺に多数敷かれていた省線・他社線を一気に乗り越えることを前提に敷設され、極めて初期からの高架線路として希少なものである。
しかし、運営のコストもまた桁外れなものであり、阪和間での競争自体、当時の都市規模からすれば供給過剰もいいところであった事から経営は芳しくないものであった。
特に南海本線が旧来からの市街地をこまめに走り抜ける路線だったのに対し、まだ原野状態の阪和線沿線は人口が希薄であり、そのため上野芝向ヶ丘・霞ヶ丘、佐野泉ヶ丘(泉北ニュータウンのそれとは無関係)などの住宅地を開発することでなんとか乗客を増やしていった。
10年かけてなんとか黒字経営に持って行ったとされるものの、それまでの負債などで首が回らないことに変わりがなく、社長の自殺などを経て1940年には南海に吸収合併されて同社の「山手線」となってしまう。

その後も太平洋戦争の勃発によって国単位での経済状態の悪化が続き、交通網の統制を強めたい国の思惑もあって、1944年南海からの分離・国有化が行われる。
敗戦によって戦時体制が終了すると、阪和線の帰属を巡って阪和電鉄の旧経営陣および南海との間で三つ巴の争いが繰り広げられたが、国が手放す事はついに無く、「国鉄阪和線」として運営を継続した。

一方で、料金不要の特急・急行列車が1950年代後半まで(その後は他線に合わせて快速系に再編)、阪和電鉄からの継承車両が 1960年代後半まで(同世代の国鉄純正車よりは早い処分であったが、この手の車両としてはかなりの長寿)走行するなど、私鉄色も随所に残存した。
純正車が投入されて以降も、度々塗装を独自色にするなど国鉄全体の流れから逸脱する場面が見られた。元々中央からの独立志向が強いと言われた関西圏であったが、その中でも特に異質な存在として地位を確立したようである。なお、この中の1色がオレンジ色であった。

1987年には国鉄の民営化に伴い、全線をJR西日本が承継する。
JR西日本は環状線への連絡線の新設と特急「くろしお」のハイグレード化を始め、1989年より東海道本線に抜けて京都駅まで延長運転する「スーパーくろしお」を新設した。

反面、それ以外の列車への対応は他線に比べて遅れ気味で、民営化以後導入された普通・快速用新製車は205系1000番台4両5編成に留まった。その後空港線が開業する1994年まで大きな変化が無いまま推移した。それも同年に新設したのは関空快速(と特急「はるか」)のみであり、和歌山方面の輸送改善は紀州路快速の運行が始まる1999年までずれ込む事になる。
特急列車としてはその間の1996年に、「スーパーくろしお」の更なる上位互換的な存在として「オーシャンアロー」を新設している。余談だが、阪和電鉄が遺した速達記録を更新したのはこの年だったりする。
1999年の紀州路快速運転に伴って、東海道線(JRびわこ線・京都線・神戸線)に投入されていた221系の余剰が発生したこともあり、奈良電車区(当時)の221系が増加。この過程で阪和線の快速にも221系が投入されることとなり、後の223系大量増備とダイヤの大幅変更に伴う撤退までこの運用が続くことになる。
その他、いわゆる通勤ライナーである「はんわライナー」や観光用の客車列車「きのくにシーサイド」といった列車を走らせた事もあったが、前者はくろしおや快速の増発の過程で廃止、後者は元々老朽化した客車を再改造して使用したものの更なる老朽化が著しく数年で列車が廃車となり、廃止された。貨物列車の運行も無くなり、それ用に杉本町駅から分岐していた貨物線(扱いは大和路線の支線)が長期間の休止を経て廃線となっている。

2008年以降は従来関空・紀州路快速に集中的に用いていた223系を大量増備して、それ以外の系統にも積極的に投入するようになる。また、南海への対抗のために行っていた大和路線JR難波駅への乗り入れを中止するなど、運行体系の単純化にも取り組み始める。
この傾向はモデルチェンジした225系でさらに加速し、2011年には区間快速の増発と紀州路快速の熊取以南各駅停車化によって、鳳以南における日中の普通列車を廃止。体質改善の遅れていた普通列車を、快速系車両で強引に置き換え始めた。同時に快速系の減速傾向が顕著になる

2012年には「くろしお」の車両取替を開始。従来カーブの高速通過用に取り付けていた「振り子装置」を省略した車両が投入されているが、最高速度や走行性能の向上及び低重心化によるカーブの通過速度の確保(但し対381系比で概ね10km/h減)により、所要時間の増加はきのくに線を含めた全区間通しで見ても5~10分程度の誤差に収まっており、新車となったことで概ね好評を得ている。その一方でオーシャンアロー車両の所要時間が年々遅くなっており、天王寺駅~新宮駅間のそれぞれの最速列車の所要時間がオーシャンアロー車=3時間47分、非振り子車=3時間48分と僅か1分差に過ぎず、将来の振り子式車両全廃を匂わすダイヤ編成となっている。
同時に「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」の愛称を使用中止。車両自体はしばらく残存するが、観光路線・ハイグレード路線からの脱却も鮮明にする。

そして 2016年、普通列車用として225系を直接投入し、残存する旧型車を全廃する方針を決定。2018年3月のダイヤ改正をもって全ての4扉車の営業運転を終了。既にダイヤ改正直前には4扉車の運用は一日1運用まで減少していた。完了の暁には快速・普通系が223系と225系の2形式に揃えられ(早朝深夜の113系を除く)、両者は混用も可能である事からトラブルからの回復がかなり早まるものと期待されている。運行面でも予備車の大幅削減が可能となり、103系・205系時代と比べて20両以上配置車両が削減される。なお、205系については順次奈良線大和路線系統へ転用されることになった。

関連イラスト

関空快速・紀州路快速
225系・二代目関空快速



関連タグ

JR西日本 紀勢本線 関西空港線 大阪環状線 関西本線大和路線
阪和電気鉄道 南海電気鉄道 日本国有鉄道

281系はるか(列車名)
283系 287系 289系くろしお
223系(0・2500番台) 225系(5000・5100番台):関空快速紀州路快速
113系 103系 205系

「お父さん感謝大漁号」・・・1987年6月21日(父の日)に当線で運行された珍列車、詳細は165系を参照

また阪和線か!

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