概要
1994年9月4日に関西国際空港アクセス列車「はるか」専用車両として、同年春より川崎重工業・近畿車輛で製造された。
同年度グッドデザイン賞、第5回ブルネル賞近距離列車部門最優秀賞を受賞している。
車体は普通鋼を基本とし、塗装は大空に輝く雲をイメージさせるシャイニングホワイトをベースに、肩部には無限に広がる宇宙をイメージしたコスモグレー、袖部には成層圏をイメージさせるストラトブルーが使用されている。
先頭車前面はS字型の形状になっており、非常時用の貫通扉が備えられている。
付随車の屋根部には大きく「JR」のロゴが表記されている。(ロゴ色は青)
前照灯は前面腰部に2基、尾灯は連結器の左右にLED式のものを1基ずつ装備。
また関空寄りの先頭車であるクハ281には、かつて京都シティエアターミナル(K-CAT)用の荷物室が供えられており、当初は京都方に連結されていた。
保安強化の関係でK-CAT廃止後にはクロ280と入れ替わる形で組み替えられ、荷物室は使用停止。その後はしばらくそのままで運用されていたが、2016年に走行中に荷物室ドアが脱落する事故が発生したため、全編成で埋め込み工事が実施された。
お召し列車としての運用があるため、窓は防弾ガラスが使用されている。
車内は運用開始当初から全席禁煙とし、一部の車両に喫煙コーナーを設置。
喫煙コーナーは灰皿を2個埋め込んだカウンターテーブルを窓際に設置、天井には換気扇があった。
2007年3月より全面禁煙化となり灰皿が撤去され、以後はフリースペースとされている。
運用
全列車が「はるか」に使用される。
京都~関西空港の運用が主であるが、朝ラッシュ時には米原or草津発の関西空港行、夕ラッシュ時には関空発米原行が運転される。
最初は需要動向の不透明さからか一部列車が新大阪発着であったが、実際には新大阪~京都を毎日運行する臨時として運行されており、実質的に全列車が京都駅発着であった。
1996年3月に1往復を増発、京都発着の臨時も定期列車に格上げされた。
1995年には1往復が草津発着として運行された。
2010年3月改正で全列車が西九条駅を通過するようになり、日中6往復が毎日運転の臨時列車となった。
しかし利用状況が改善せず、2011年3月改正でこの6往復は繁忙期のみの臨時列車となった。
近年はインバウンドによる利用が好調なこともあり、2016年3月改正でこの6往復を再び定期列車化した。そして朝の関空行き4本、夕方の京都方面行き10本が高槻駅に停車するようになった。
2019年6月には、訪日外国人の増加に対応するために、「はるか」を全列車9両編成にするために増結用の新型車271系18両(3両編成6本)を新製し2020年の春にデビューさせることを発表した。
2024年以降に新型車両(形式未定、なにわ筋線乗入対応)に置き換わることが発表されていたが、2021年9月4日現在の版では計画に関する記述が削除されている(参照:JR西日本の保有車両一覧)ため、置き換え時期は現時点で未定となっている。
ハローキティとのコラボレーション
2019年1月29日、サンリオのキャラクター・ハローキティとのコラボレーションによるラッピング編成「ハローキティ はるか」の運行を開始した。「和のおもてなし」がテーマで、和装のハローキティが海外からの観光客を迎える。デザインは蝶や草花で彩られた"Butterfly"、ハート形の花とともに折り鶴で彩られた"Ori-Tsuru"、かんざしや櫛など日本の伝統的な髪飾りを基本にさわやかなカラーリングの"Kanzashi"の3種類。2020年春までに全編成がハローキティラッピングとなった(271系も含む)が、2023年にオリジナル塗装に戻された編成も登場している。
補足
関西圏内のお召列車に使われた実績があり、草津線や北近畿タンゴ鉄道にも入線している。
他にもツアー列車として伯備線内でも使用された実績もある。
Pixivでタグ検索する場合、“はるか”で検索すると女性キャラクターの名前として引っ掛かりやすいので281系で検索することをお勧めする。
関連イラスト
これを連想した人もいる・・・はず。