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概要編集

沼ノ端駅(北海道苫小牧市)〜白石駅(札幌市白石区)間の本線(56.6km)と、南千歳駅新千歳空港駅間(全区間千歳市内)の支線(2.6km)から構成される。

全線が電化(交流20,000V・50Hz)されており、本線は全区間で複線となっている。

また全線がKitacaの対象エリアである。


運転系統としては沼ノ端駅・白石駅を起点・終点とする列車は存在せず、全列車が白石駅より札幌駅(函館本線)に、沼ノ端駅より苫小牧駅(室蘭本線)にそれぞれ乗り入れる。

道庁所在地で国内有数の政令指定都市でもある札幌都市圏の通勤通学のほか、新千歳空港とのアクセス、道内の大都市の苫小牧市室蘭市函館市帯広市釧路市方面の特急列車本州と北海道を結ぶ貨物列車(JR貨物)の運行ルートにもなっている重要路線である。


沿革編集

元々は「北海道鉄道」(※)という私鉄の「札幌線」として建設され、1926年大正15年)8月21日に開通した。この時点では沼ノ端駅〜東札幌駅苗穂駅間(62.6km)の路線だった。


1931年昭和6年)7月25日に東札幌駅〜苗穂駅間が電化(直流1,500V)され、定山渓鉄道の気動車が苗穂駅への片乗り入れを開始。1934年(昭和9年)10月1日に室蘭本線の苫小牧駅〜沼ノ端駅間に、1940年(昭和15年)10月26日に函館本線の苗穂駅〜札幌駅間にそれぞれ旅客列車の乗り入れを開始した。


第二次世界大戦中の1943年(昭和18年)8月1日富内線と共に鉄道省に買収され、国有化された。


1957年(昭和32年)8月12日には定山渓鉄道が自社新製気動車による札幌駅への乗り入れを開始したが、同年10月1日には定山渓鉄道が旅客列車による苗穂駅への乗り入れを廃止したため、東札幌駅〜苗穂駅間の電化設備(直流1,500V)も撤去され、非電化に戻った。1969年(昭和44年)11月1日に定山渓鉄道が廃止され、同鉄道の札幌駅乗り入れも終了した。


1961年(昭和36年)10月1日に実施された「サンロクトオ」のダイヤ改正に伴い、函館駅〜旭川駅間の特急「おおぞら」が室蘭本線・千歳線経由で運行を開始して以降、主要列車は徐々に函館本線経由から室蘭本線・千歳線経由にシフトして行く。1965年(昭和40年)9月22日千歳駅恵庭駅間、1966年(昭和41年)9月7日に恵庭駅〜北広島駅間、1968年(昭和43年)8月23日植苗駅美々駅間、同年11月25日に美々駅〜千歳駅間、1969年(昭和44年)9月25日に沼ノ端駅〜植苗駅間がそれぞれ複線化された。


1973年(昭和48年)9月9日、北広島駅〜苗穂駅間が新線に付け替えられ、同区間は新札幌駅白石駅を経由する19.6kmの全線複線区間となった。これに伴い、白石駅〜苗穂駅間(3.6km)は函館本線との重複区間となり、苗穂駅〜白石駅間が複々線化された。翌日(9月10日)付で旧線の北広島駅〜月寒駅間(16.1km)と東札幌駅〜苗穂駅間(3.1km)は廃止。残る月寒駅〜東札幌駅間 (2.7km)は白石駅での接続に変更され、函館本線の貨物支線に編入されたが、これも1976年(昭和51年)10月1日に廃止された。


1980年(昭和55年)10月1日には全線(沼ノ端駅〜苗穂駅間)が電化(交流20,000V・50Hz)されると共に美々駅〜千歳駅間に千歳空港駅が新設され、千歳空港へのアクセス輸送を担うようになった。1981年(昭和56年)10月1日に石勝線が開通すると、千歳空港駅が同線との接続駅となり、道東方面の特急列車の走行ルートの役割も担うようになった。1992年平成4年)7月1日に南千歳駅〜新千歳空港駅間(2.6km)の支線が開通し、従来の千歳空港駅は南千歳駅に改称された。


※後の函館本線の一部となる函館駅小樽駅間を運営していた同名の鉄道会社とは無関係。


主な列車編集

エアポート」(小樽・札幌~新千歳空港)

  • 特急

北斗」(札幌~函館)

すずらん」(札幌〜東室蘭室蘭)

とかち」(札幌〜帯広)

おおぞら」(札幌~釧路)


以前は、

はまなす」(青森〜札幌間)

北斗星」・「エルム」・「カシオペア」(上野〜札幌間)

トワイライトエクスプレス」(大阪〜札幌間)

も経由していた。


駅一覧編集

  • ●:停車、レ:通過、◎:区間快速のみ停車、▼:特別快速のみ通過、▲:一部列車が停車

(函館本線)札幌~白石~新千歳空港編集

駅番号駅名エアポートすずらん特急その他乗り換え路線備考
01札幌
  1. 函館本線小樽方面(一部直通)/札沼線(一部直通)
  2. 札幌市営地下鉄南北線/東豊線(さっぽろ駅)
※函館本線区間
H02苗穂※函館本線区間
H03白石函館本線(旭川方面)千歳線起点
H04平和南側に札幌貨物ターミナル駅が隣接
H05新札幌札幌市営地下鉄東西線(新さっぽろ駅)
H06上野幌特定都市制度の札幌市内はここまで
西の里信号場冬季のみ使用停止
H07北広島
H08島松
H09恵み野
H10恵庭
H11サッポロビール庭園一部普通列車通過
H12長都
H13千歳
H14南千歳石勝線/千歳線(苫小牧方面)
AP15新千歳空港※千歳線支線

南千歳~沼ノ端~(函館本線)苫小牧編集

駅番号駅名すずらん特急その他乗り換え路線備考
H14南千歳石勝線/千歳線(札幌新千歳空港方面)上記参照
(H15)美々信号場
H16植苗一部普通列車通過
H17沼ノ端室蘭本線(岩見沢方面)千歳線終点
H18苫小牧室蘭本線東室蘭方面(一部直通)/日高本線※室蘭本線

使用車両編集

札幌運転所・苗穂運転所・苫小牧運転所所属

現行編集

一般用

特急用


過去編集

一般用

特急用


今後の予定編集

北海道日本ハムファイターズの本拠地球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」付近(西の里信号場〜北広島駅間)に、北広島市による請願駅として新駅が整備される方針。2028年夏の開業を目指す。千歳線は同球場が開場した2023年時点で既に球場利用者から札幌方面への輸送ルートとして機能しているが、球場へのアクセスについては新駅開業までは(現時点での最寄り駅である)北広島駅から直通のシャトルバスもしくは徒歩での移動を推奨している。


南千歳駅〜新千歳空港駅間は盲腸線の支線として開通したが、同区間は単線であることに加えて新千歳空港駅が島式ホーム1面2線で6両編成までしか対応していないといった制約がある。このため、「南千歳駅〜新千歳空港駅間を複線化」、「新千歳空港駅を2面4線以上で7両以上にも対応した構造のホームを新設」、「新千歳空港駅から南側へ新線を接続し、本線に組み込んで苫小牧・追分方面へスルー化」という抜本的な改良を行う構想があるが、現時点では実現の見通しは立っていない。


2024年4月1日に公表された「JR北海道グループ中期経営計画2026」では、北海道新幹線札幌延伸後に在来線の改良による高速化(軌道強化・線形改良・最高速度の向上・高架化による踏切解消など)を行い、札幌駅〜新千歳空港駅間(46.6km)の所要時間(最速)について33分(2024年3月18日時点)から25分への短縮を目指す構想が示されている。


関連項目編集

JR北海道 路線 北海道

函館本線 室蘭本線 石勝線


苗穂工場 新千歳空港


阪和線

JR西日本の路線。

第二次世界大戦中に国有化されて現在は空港アクセス輸送を担っている、などの共通点がある。

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