概要
南千歳駅(北海道千歳市)から新得駅(北海道上川郡新得町)までを結ぶ路線(営業キロ132.4km)。全線非電化だが、本線は電化可能な規格で建設されている。
追分駅〜新夕張駅〜夕張駅間は、かつての運炭路線・夕張線である。1975年12月24日に定期運用としては国鉄で最後となる蒸気機関車牽引列車(貨物列車、D51形牽引)が走った路線でもある。後述の区間の開業に伴い石勝線へと路線名が変わり、追分駅〜新夕張駅間が本線、新夕張駅〜夕張駅間が支線(通称・夕張支線)となった。その後、夕張支線は2019年4月1日に廃止された。
南千歳駅~追分駅間・新夕張駅~新得駅間は1981年10月1日に開業した区間で、根室本線の短絡線として建設された。特急列車は最高120km/h運転を行う。
人口密度が極端に希薄な地帯を通過することもあり、新夕張駅~新得駅間の旅客列車は特急しか運行されておらず、普通列車が0本。このため、この区間内のみを乗車する場合に限り、特急列車の普通車自由席を運賃のみで利用できる(=特急料金が不要となる)特例が開業当初から設けられている。2024年3月16日のダイヤ改正で、特急「おおぞら」・「とかち」が全車指定席での運行となり自由席が廃止されたため、以降の同特例の対象となる座席は特急列車の「普通車自由席」から「普通車指定席の空席(満席の場合は立席)」に変更されている。
ただし、2004年3月13日に楓駅が廃止されるまでは、例外的に新夕張駅〜楓駅間のみ普通列車が運行されていた。楓駅と占冠駅方面の行き来の際には、いったん新夕張駅まで乗車してから折り返す必要があったため、楓駅〜占冠駅以東間までの乗車券を持つ乗客は、新夕張駅で途中下車をしなければ新夕張駅〜楓駅間は追加運賃なしで乗り越すことができた。
上落合信号場〜新得駅間は根室本線との重複区間だったが、2024年4月1日に根室本線の富良野駅〜新得駅間が廃止されたことで、重複区間は解消された。
新夕張駅~新得駅間は旅客駅よりも信号場のほうが多く、駅の間隔が約20〜30kmと長いのが特徴(途中には旅客駅が2駅【占冠駅とトマム駅】だけなのに対し信号場は12ヵ所もある)。というのも、この区間では占冠駅とトマム駅の周辺を除いて居住者がいる集落がそもそも存在しないのである。設置されている信号場の多くは、「計画当初は駅を設置する予定だったのだが、入植者の離農が進んだためその必要が無くなった」という経緯がある。同区間は新得駅付近に踏切が1つあるほかは、道路との交差が全て立体交差となっている(過去にはトマム駅構内に踏切があった)。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
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H14 | 南千歳 | 千歳線 | 特急「おおぞら」・「とかち」が全て停車。 |
駒里信号場 | |||
西早来信号場 | |||
K15 | 追分 | 室蘭本線 | ここから旧夕張線区間。 |
(K16) | 東追分信号場 | 元旅客駅。2016年3月26日旅客営業廃止。 | |
K17 | 川端 | 無人駅。 | |
滝ノ下信号場 | |||
(K18) | 滝ノ上信号場 | 元旅客駅。2024年3月16日旅客営業廃止。 | |
(K19) | 十三里信号場 | 元旅客駅。2016年3月26日旅客営業廃止。 | |
K20 | 新夕張 | 石勝線(夕張支線) | 旧名・紅葉山。ここまで旧夕張線区間。かつては夕張線の登川支線も分岐していた。 |
楓信号場 | 元旅客駅。2004年3月13日に旅客営業廃止。かつては近くに同名の駅(夕張線登川支線)があった。 | ||
オサワ信号場 | |||
東オサワ信号場 | |||
清風山信号場 | 建設当初は集落がありニニウ駅として計画していたが、開業前に無人地帯となったため信号場として設置された。 | ||
(鬼峠信号場) | 鬼峠トンネル内に所在。1986年3月3日に廃止。 | ||
K21 | 占冠 | 簡易委託駅。占冠村村内だけでなく、隣接する日高町と南富良野町からの利用客もいる。 | |
東占冠信号場 | |||
滝ノ沢信号場 | |||
ホロカ信号場 | 旧名・トマム信号場。石勝高原駅がトマム駅に改称したため現信号場名に改称。 | ||
K22 | トマム | 無人駅。旧名・石勝高原。1987年2月1日に現駅名に改称。特急「おおぞら」・「とかち」が全て停車。 | |
串内信号場 | |||
上落合信号場 | 新狩勝トンネル内に所在。根室本線と石勝線の実質的な分岐点だった。 | ||
新狩勝信号場 | |||
広内信号場 | |||
西新得信号場 | |||
K23 | 新得 | 根室本線 | 特急「おおぞら」・「とかち」が全て停車。 |
廃止区間の駅一覧
登川支線
※旧夕張線時代の出来事であるが、便宜上掲載。
駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|
紅葉山(現・新夕張) | 夕張線(追分・夕張方面) | |
楓 | 現在の楓信号場とは別の位置にあった。1967年に移転しており、位置関係としては信号場がもっとも新得側、2代目がもっとも新夕張側。2代目駅から分岐した先にあったのが初代で、登川方面にはスイッチバックの必要があった。1981年7月1日廃止。 | |
登川 | かつては石炭積み出し駅であった。1981年7月1日廃止。 |
夕張支線
新夕張駅から夕張駅までの夕張支線(営業キロ16.1km)は、建造物の老朽化と利用者数の減少のため、地元自治体の夕張市のバス転換の意向・提案にJR北海道が応える形で廃止の運びとなった。
2019年3月31日営業終了、翌4月1日付で廃止。
駅番号 | 駅名 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|
K20 | 新夕張 | 石勝線(南千歳・新得方面) | |
Y21 | 沼ノ沢 | 無人駅。1987年まで北海道炭礦汽船真谷地炭鉱専用鉄道と接続していた。 | |
Y22 | 南清水沢 | 簡易委託駅。 | |
Y23 | 清水沢 | 無人駅。1987年まで三菱石炭鉱業大夕張鉄道と接続していた。 | |
Y24 | 鹿ノ谷 | 無人駅。1975年まで夕張鉄道と接続していた。 | |
Y25 | 夕張 | 無人駅。過去に二度移転しており、開業当初に比べてかなり新夕張寄りに移動している(初代駅より2.1キロ新夕張寄りに移動した) |
関連タグ
スーパーおおぞら/おおぞら スーパーとかち/とかち まりも 気動車 JR北海道 夕張 運炭 千歳