特別快速とは
主にJRで運行されており、私鉄ではしなの鉄道が有料種別として運行している。「特別」がつく種別としては「特急(特別急行の略)」があり、それの快速版である。ランク的には急行と快速の間に位置する(かつての準急とは違い、特別料金は不要)。
首都圏の特別快速
中央本線(中央線快速)を走る「中央特快」が有名であるが、実質普通の中央快速の上位版で、位置づけ的には特快が速達列車としての快速である。常磐線や湘南新宿ラインでも走っているが、前者は130キロ走行はするが本数が少なく、後者は速達性が良いとは言えない。
このほか、房総特急減便を受けて東京駅と館山駅の間を内房線経由で運行する特別快速が2015年に1往復設定されたが、この列車は2年で廃止となっている。
中京圏の特別快速
名古屋圏の東海道本線を走る特別快速は、料金不要列車としては最上位に位置づけられ、特急列車と同じかそれより早い列車も存在するほど。新快速と合わせて毎時4本の運行で、新快速との違いは大府駅に停まるか停まらないかのみ。主に朝と夕方から夜にかけて運行され、日中の設定はない。
使用車両は313系と311系だが、非常時に117系、211系0番台、213系5000番台が代走に回った事がある。
その他の地域の特別快速
北海道では快速より上位の種別として設定。
石北本線では、車内設備は特急「オホーツク」よりは劣るものの遜色ない走りをすることで知られており、青春18きっぷのシーズンはその利用客で混雑する。
また、千歳線系統では札幌方面から新千歳空港方面へのアクセス向上をにらみ、速達便として2020年より特別快速「エアポート」を設定している。
東北地方では仙石東北ラインに1往復運行している。
関西圏ではかつて関西国際空港開業時に、「関空快速」とそれより停車駅を減らした「関空特快ウイング」を運行していたが、乗客の利用率が悪く数年で廃止となっている。現在は関西圏に特別快速と呼ばれる列車はなく、新快速が速達列車の最上位となる。なお新快速は登場時「特別快速」として運転する予定だったが、新快速に変更になった。
九州地方ではかつて指宿枕崎線で運行していた「なのはなDX」は特別快速として運行していた。これは停車駅の違いではなく、指定席車両を連結することから、同じ区間を運行する快速列車「なのはな」との差別化を図るため、特別快速と称していた。
四国地方には特別快速が設定された実績がない。
私鉄ではしなの鉄道が「しなのサンライズ」「しなのサンセット」「軽井沢リゾート」を2020年7月4日より設定。しなのサンライズ・しなのサンセットは平日朝夕に有料ライナーの種別としての特別快速として設定されている。また軽井沢リゾートは土休日の有料の特別快速として設定された。
余談
しなの鉄道以外の私鉄で「特別快速」の使用実績は見当たらない。快速自体あまり使われる種別ではなく、私鉄では急行がJRの快速に相当しており、その急行の上位には「快速急行」があり、これが特別快速に相当すると言っていいだろう。