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概要編集

JR宗谷本線新旭川駅から分岐し、釧網本線網走駅までを結ぶ全長234.0kmの路線。全線単線非電化。後述のように、1961年に新旭川駅~遠軽駅間を結ぶ石北線に名寄本線の遠軽駅~名寄駅間と網走本線の名寄駅~網走駅間を統合し石北本線と称した。


起点の新旭川駅からは、普通・快速列車は2駅隣の旭川駅まで、特急列車は旭川駅(2往復)・札幌駅(2往復)まで乗り入れている。そのほか、普通列車は運行系統が上川駅遠軽駅で分けられている。


上川駅~遠軽駅間を通しで運転する列車は特急オホーツク」・「大雪」計4往復、特別快速きたみ」1往復、普通列車1往復のみと非常に少ない。


秋から春先にかけて北見地方で産出したタマネギを運ぶ貨物列車が運行されており、「タマネギ列車」として鉄道ファンから熱い視線を送られている。牽引機はSL→DD51重連→DD51PPを経て現在はDF200PPと幾多の変遷を経ているが、今なお運転期間中は沿線に多数の撮り鉄が集結する人気列車である。


石北本線の歴史編集

旭川と網走を結ぶ鉄道路線は、現在の上川駅と北見駅の間に聳える石北峠・北見峠という難所があったため、まず十勝地方にある釧路線(現根室本線)の池田駅から分岐し陸別駅を経由して野付牛駅(現在の北見駅)から網走駅さらに札鶴駅(現在の釧網本線札弦駅)に至る網走本線が開通した。なお、網走駅~札鶴駅間はのち釧網本線に編入されている。


続いて湧別駅を起点とし中湧別駅から遠軽駅を経由し野付牛駅に至る湧別線が開通した。

湧別線の建設では遠軽と北見の間に位置する常紋峠のトンネル掘削が難関となったが、この常紋トンネル工事は所謂「タコ部屋労働」によって多くの犠牲者を出した、北海道開拓における負の歴史の最たる例である。沿線の自治体史や当時の新聞、ルポルタージュ等を紐解くと

・旧日本軍の召集令状すら届かない超閉鎖的な環境

・朝から晩までひたすら酷使され、労働環境は勿論生活環境も最悪

・地元の警察が工事現場の監督者と癒着しており救済がされない

・過労やリンチによって死亡した労働者をトンネルの壁に埋めたほか、トロッコに積んで沿線に投棄しているのを地元住民が目撃

・実際にトンネル内壁から人骨が発見された

など耳を塞ぎたくなるような話に事欠かない。

現在はこうした犠牲者追悼の為、金華信号場付近に慰霊碑が建立されている。


また、宗谷本線の名寄駅から分岐しオホーツク海沿岸まで東進し興部駅に至りそこから南下して紋別駅を経由し中湧別駅に至る名寄線も開通した。のち湧別線と名寄線は統合し名寄本線となった。


その後、新旭川駅から石北トンネルで北見峠を克服し上川と白滝を経由して遠軽駅に至る石北線が開通した。

1961年に元々の石北線と名寄本線の遠軽駅~北見駅(この時に野付牛から改名)、網走本線の北見駅~網走駅間を統合して石北本線となり今日に至っている。遠軽駅がスイッチバックする形になっているのはこのためである。


ちなみに名寄本線及び池北線と改名した網走本線の残存区間はローカル線に転落し、国鉄時代末期に特定地方交通線指定され廃止(池北線は三セク化され北海道ちほく高原鉄道となったがやはり廃止)されている。


停車駅一覧編集

上川駅~白滝駅間は、在来線の定期旅客列車が運行する路線としては、JR最長の駅間になっている。

  • ●:停車 ▲:一部列車が停車 |:通過
  • 駅番号で( )になっているものは、駅番号設定後に駅から格下げされた信号場

駅番号駅名普通特快きたみ特急乗り換え路線備考
A28旭川駅
  1. 函館本線
  2. 富良野線
A29旭川四条駅
A30新旭川駅宗谷本線(名寄駅方面)
A31南永山駅
A32東旭川駅
A34桜岡駅当駅と東旭川駅の間に北日ノ出駅が存在した(2021年廃止)。
A35当麻駅
A37伊香牛駅当駅と当麻駅の間に将軍山駅が存在した(2021年廃止)。
A38愛別駅
A39中愛別駅
A41安足間駅当駅と中愛別駅の間に愛山駅が存在した(2024年廃止)。
A43上川駅当駅と安足間駅の間に東雲駅が存在した(2021年廃止)。なお読み方は「とううん」である。「しののめ」ではない。
中越信号場当駅と上川駅の間に天幕駅が存在した(2001年廃止)。
上越信号場JR北海道管内の駅(廃止駅も含む)では最も標高が高い(634m)。
奥白滝信号場
A45白滝駅当駅と奥白滝信号場の間に上白滝駅が存在した(2016年廃止)。
(A47)下白滝信号場当信号場と白滝駅の間に旧白滝駅が存在した(2016年廃止)。
A48丸瀬布駅丸瀬布森林公園(旧武利意森林鉄道)の最寄り駅。
A49瀬戸瀬駅当駅と丸瀬布駅の間に伊奈牛駅が存在した(1990年廃止)。
A50遠軽駅当駅と瀬戸瀬駅の間に新栄野駅が存在した(2006年廃止)。
A51安国駅
A53生田原駅当駅と安国駅の間に生野駅が存在した(2021年廃止)。
(A54)金華信号場当信号場と生田原駅の間に常紋信号場が存在した(2017年廃止)。なお常紋峠は前述のタコ部屋労働による悲惨な歴史を持つだけでなく、鉄道写真のメッカという側面もある。
A55西留辺蘂駅
A56留辺蘂駅
A57相内駅
A58東相内駅
A59西北見駅
A60北見駅
A61柏陽駅
A62愛し野駅
A63端野駅
A64緋牛内駅
A65美幌駅
A66西女満別駅
A67女満別駅
A68呼人駅
A69網走駅釧網本線

旅客列車使用車両編集


関連項目編集

JR北海道 日本国有鉄道(国鉄) 宗谷本線 釧網本線 北海道ちほく高原鉄道


外部リンク編集

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