概要
老朽化したキハ40系の代替としてJR北海道管内向けに投入された気動車。
電車に装備されている高出力モーターを搭載した電気式気動車として開発された。
車両愛称は「DECMO(デクモ)」。
JR東日本管内に導入される電気式気動車、「GV-E400系」と車体構造を合わせたうえで、冬季の極寒対策を行った仕様とした。なお、バリアフリー対応にする関係で、座席の数がキハ40系時代の48人から36人に減らされている。
両運転台の量産先行車2両は2018年2月に落成。走行試験等、冬季を含めた各種検証を行ったうえで2019年より量産を開始。2020年より本格的に運用入りした。なお2018年に落成した2両とほかの量産車とでは塗装が若干異なる。
↓量産先行車
たった数年間での大量増備によって、苗穂運転所・旭川運転所・苫小牧運転所・釧路運輸車両所の各車両区へ配置され、函館本線・宗谷本線・石北本線・室蘭本線・根室本線・富良野線の普通・快速列車を中心に充当されている。
観光列車兼用車両
2022年(令和4年)度と2023年(令和5年)度に導入された車両のうち各4両(計8両)は、内外装が一般車と異なる観光列車兼用車両であり、JR北海道が単独維持困難としつつも、地元負担を前提に存続する方針としている8線区(いわゆる「黄色線区」)の振興策の一環として導入された。いずれも落成・入籍後に改めて北海道高速鉄道開発が取得し、JR北海道に無償で貸与されている。
外観は8両それぞれが、8線区の沿線自治体考案のラッピングで装飾されている。
内装は8両で共通だが、一般車と座席モケットが異なり(優先席部は変更なし)、茶色地にタンチョウやエゾマツなど北海道の風物のイラストが描かれている。このほか、吊り手が木製となり、観光列車としての使用を考慮して、脱着式のテーブル(北海道産タモ材使用)を設置することも可能。
車両番号 | 配置 | 外装 | |
---|---|---|---|
H100-80 | 旭川運転所 | 石北線 | |
H100-81 | 旭川運転所 | 富良野線 | |
H100-82 | 釧路運輸車両所 | 釧網線 | |
H100-83 | 釧路運輸車両所 | 花咲線 | |
H100-84 | 苫小牧運転所 | 室蘭線 | |
H100-85 | 苫小牧運転所 | 日高線 | |
H100-86 | 旭川運転所 | 根室線 | |
H100-87 | 旭川運転所 | 宗谷線 |
運用
特筆がない限り、2024年4月1日時点のもの。
苗穂運転所
15両(1〜15)が配置されている。
2020年(令和2年)3月14日のダイヤ改正より、量産先行車(2両)と2019年度増備分の量産車(13両)の計15両を、函館本線の長万部駅〜小樽駅間(通称:山線)のワンマン運転を行う普通列車全列車(キハ201系充当列車は従来通り)と、その送り込み列車に当たる小樽駅〜札幌駅間の上り1本に導入。
苫小牧運転所
12両(28〜37・84・85)が配置されている。
2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正より、2020年度増備分の量産車(18両)を室蘭本線の長万部駅〜東室蘭駅間の全普通列車、室蘭駅〜東室蘭駅〜苫小牧駅間の普通列車のうち66本中43本(特急「すずらん」の普通列車区間以外)へ導入。
2023年(令和5年)5月20日の時刻修正で、室蘭本線の室蘭駅〜東室蘭駅〜苫小牧駅間(電化区間)に737系電車が導入されたことに伴い、本形式の架線下での運用を縮小。
釧路運輸車両所
26両(44〜67・82・83)が配置されている。
2022年(令和4年)3月12日のダイヤ改正より、2021年度増備分の量産車(24両)を根室本線の新得駅〜釧路駅間の全普通列車(54本)に導入。
2024年(令和6年)3月16日のダイヤ改正で、釧網本線の全線(網走駅〜東釧路駅間)における全定期列車(普通「しれとこ摩周号」を含む)に導入。
旭川運転所
42両(16〜27・38〜43・68〜81・86〜95)が配置されている。
2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正より、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正より、2020年度増備分の量産車(12両)を宗谷本線の旭川駅〜名寄駅間、石北本線の新旭川駅〜上川駅間に導入。
2022年(令和4年)3月12日のダイヤ改正より、2021年度増備分の量産車(6両)を既存車と合わせて石北本線の新旭川駅〜上川駅間の普通列車24本のうち19本に導入。
2023年(令和5年)3月18日のダイヤ改正で、富良野線の旭川駅〜富良野駅間の全定期列車(38本)に導入。
2024年(令和6年)3月16日のダイヤ改正で、函館本線の札幌駅〜旭川駅間の普通列車(上下計3本)、石北本線の既導入分以外の全線(新旭川駅〜網走駅間)における全定期列車(特別快速「きたみ」を含む)に導入。