概要
気動車といえば機械式だったが、この方式には総括制御ができないという欠点を抱えていた。この問題を解決するために導入されたのが電気式気動車である。
日本では、1930年に最初の車両となるキハニ36450形が登場した。故障こそ少なかったが、電気式自体が重くなりがちな上に、製造費を抑えるべく軽量化を考慮しなかったため自重が約50tと非常に重く、目的としていたローカル線での運用はできなかった。
その後戦時中は燃料事情の悪さから運用が中止された。戦後は1952年に下記にもあるキハ44000形として再登場を果たしたが、今度は重い(後述のキハ10系が約30tに対しキハ44000形では35t)割に非力という重大な欠陥があり、急勾配にさしかかると駆け足程度の速度しか出ず、さらに当該区間を満員で走行した場合は自然に停車してしまうこともあった。その結果、1953年には量産型液体式気動車のキハ10系が登場し、これまでに投入された30両も液体式に改造されて電気式気動車は一旦全滅した。
それから約60年後、パワーエレクトロニクス技術が発展し電車のノウハウが流用できることもあり、交流モーター及び強馬力エンジンと共に採用される例が2019年から出てきて現在に至る。
主な電気式気動車
pixivにイラストのあるものをここに載せる。
キハ44000(国鉄)
1952年に登場した試作車。1957年にキハ09となったが、前述の件もあって液体式気動車のキハユニ15に改造され、1980年まで活躍した。
ICE-TD(ドイツ鉄道)
2001年に登場した車両で、形式名は605形。何かと不具合を起こしやすかったが、2008年からはデンマークとの通称「渡り鳥コース」の運用についた。しかし、整備に手間がかかったため、2017年までにすべて引退し、現在は試験車両として一部が残るのみである。詳細はICE(列車)を参照。
個別記事のあるもの
エンジン停止が可能なハイブリッド車はここには載せない。
GV-E400系(JR東日本)
H100形(JR北海道)
基本設計はGV-E400系と同じ。
YC1系(JR九州)
走行用のバッテリーを搭載するので厳密にはハイブリッド車であるが、エンジン停止はしない。
DEC700(JR西日本)
2021年に登場した試作車。バッテリーの追加でハイブリッドカーとしての試験も可能。
関連タグ
e-POWER、e-SMART_HYBRID:電気式気動車と類似の構造を持つ自動車用ハイブリッドシステム。前者は日産自動車、後者はダイハツ工業製。