片運転台車のキハ17形が最多形式だったことからキハ17系とも呼称されることがある。
概要
国鉄は無煙化を達成するために気動車の開発を推し進め、電気式のキハ44000形と液体式のキハ44500形を試作・比較した結果コスト面で液体式のキハ44500形に軍配が上がり、直ちにキハ45000系(後に形式称号改正でキハ10系に改称)として量産が開始された。
構造は各所に軽量化が徹底されたが、まだ10系客車で確立した軽量車体技術がない時代の設計であるため、従来技術での軽量化となり当時の主力であった客車や電車と比べると車体断面が小さくとられ、内装も簡易なものとなっている。
また、1970年代以降電化されているのが普通のクラスの中堅以上の路線から運用されたため、当初は当然に5両以上の編成を常時組む前提であり、温暖地向けには運転台なしの中間車もあり、また2等車(グリーン車)も半車・少数ながら製造されている。こうした車種は後継のキハ20系にはない。
量産車は全国各地に配置され、主に都市圏近郊路線の無煙化に大きく貢献した。
しかし気動車としての性能はそのままに車体の大型化と居住性を客車並みに向上させたキハ20系が登場すると、本形式は接客面で大きく見劣りするようになったことから余剰車は順次郵便車や荷物車に改造されていった。
1977年に後継のキハ40系が登場すると急速を数を減らし、旅客車は1981年、荷物車は1984年に全車が廃車され国鉄線からは姿を消した。
地方私鉄では老朽気動車の置換えや国鉄との直通運転のため多くの同型車や譲渡車が導入され、一部は平成に入っても運行されていた。
元の車体・走行装置そのままで使用されたケースがほとんどであるが、関東鉄道のように購入直後に幅広の新造車体を調達・載せ替えた上で運行に供したところもある。
最後まで現役で残ったのは2004年に引退した茨城交通(現ひたちなか海浜鉄道)のキハ112(元国鉄キハ11 25)で、現在は原番号に戻され鉄道博物館で動態保存されている。
また2002年に廃止された南部縦貫鉄道のキハ104(元国鉄キハ10 45)も旧七戸駅で動態保存され、定期的にイベントなどで運転されている。